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需要がゼロなのに売れるクリエイターがいる!?

誰からも望まれていない品しか作ってないのに売れることがあります。

アビリーンのパラドックスとは

「アビリーンのパラドックス」とは、グループ内の誰も望んでいない結果が採用される現象のことを指します。これは、各メンバーがお互いを尊重し、自分の意見を我慢して選択することで、結果的に誰も望まない選択がなされるという仕組みです。

家庭での例

例えば、4人家族の場合、それぞれが次のように考えたとします。

  • 父親:「牛肉が食べたいけど、妻が高いと言って怒るだろうから豚肉を提案しよう」

  • 母親:「鶏肉を食べたいけど、娘はトンテキが好きだと言っていたので豚肉にしよう」

  • 姉:「トンテキはもう飽きているけど、母が喜ぶからトンテキを希望しよう」

  • 弟:「がっつり牛肉を食べたいけど、調理の幅が広い豚肉を選ぼう」

こうして全員が「豚肉」を選びますが、実際には誰も豚肉を食べたかったわけではありません。これがアビリーンのパラドックスです。

会議での発生

このパラドックスは会議でもよく見られます。たとえ意見を熱心に交わしても、他者を尊重するあまり、結果として無難な案ばかりが採用されることがあります。

例えば、企画会議での例です。

  • 社員:「派手な案を提案したいが、どうせ通らないだろうから無難な案にしよう」

  • 部長:「無難な案では売れないだろうが、社員は無難な案しか出さないしそれを採用しよう」

  • 社長:「派手な案を採用したいが、部下を尊重して無難な案を採用しよう」

このように、会議では無難な案が通りやすく、結果的に誰も満足しない結果になってしまうことがあります。

クリエイティブ業界でのアビリーン

特にクリエイティブの分野では、アビリーンのパラドックスが顕著です。発注者が素人で、合議体として決定を行う場合、発注内容が無難なものになりがちです。また、受注者側も企業の要望に合わせて制作するため、結果として誰も望まないクリエイティブ作品が生まれてしまうことがあります。

特にBtoBのクリエイティブ業界やフリーランスの採用が絡むプロジェクトでは、フリーランスのクリエイターが本来望まない内容で仕事をすることがよくあります。これは、企業側の無難な要件定義に基づいて作業するためです。

政治や思想問題にも影響

最近では、政治問題や思想問題が関わり、他者への配慮が強調されることで、推進者や発信者すら満足しない結果が生まれることもあります。これにより、アビリーンのパラドックスがさらに広がる状況が見られます。

フリーランスやクリエイターの戦略

このような状況下でも、フリーランスやクリエイターは無難な作品を作ることで仕事を得る可能性があります。派手な作品よりも、無難で目立たない作品が需要を勝ち取ることがあるためです。特に、KPI(目標)が数値で追われていない場合は、無難な提案が受注の可能性を高めることもあります。

ただし、クリエイティブのジャンルによっては、無難な案を出すことが成功に繋がるとは限らないため、状況に応じた判断が必要です。

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