イラストレーターになりたい人必見の10箇条

イラストレーターはとても簡単で難しい仕事です。
なぜなら誰でも名乗れば開始できる敷居の低い仕事であると同時に、誰でも参加できるから熾烈な競争があるわけです。

イラストレーターの基準は世の中にありません。
名刺に書けばイラストレーターを名乗れますが、それだけで仕事としてごはんが食べられるわけではありません。

なので何を持ってイラストレーターとするかは人によりますが、ここではイラストで定期的な報酬を得られるまたは就職できるということを基準にします。

1、絵を人に見せよう

「もっと上手くなってから見せよう」と思う人は意外にも結構います。
しかし、それでは仮に技術的に上手くなっても、世の中の需要と異なる場合があります。
お金が得られるかは、絵の上手さではなくそれが需要に合っているかです。

だから需要を掴むためにも、絵を人に見せて日々調整したりフィードバックを得る必要があります。
見せる先は、SNSでなくても構いません。というより下手にSNSで活動を開始しないほうがいい場合もあります。

見せる先は、先生や持ち込み先、先輩イラストレーター、あるいは最低限家族や友達でも良いです。
自分だけの練習では、気が付かないところはとても多いことがよくあり、できれば先生に日々フィードバックを貰える環境を作ると、早く需要を掴めます。

2、先生をつけよう

最も早く成長する方法は、度重なる練習ではなく、度重なる適切な練習です。
学校があって初めて宿題は成り立ちます。塾や学校がなく自己学習だけでは成長が遅いか、少なくとも難しくなります。

もしイラストレーターになりたいなら、独学はお勧めしません。
独学で成りあがったという人はいますが、あなたがそうとは限りません。

イラストの需要は独学であったとしても上がることもないし、就職先は独学よりカリキュラムを学んだ人を優先します。
どちらにしても、多少出費してでも先生に直接教わることは大事です。

専門学校に入る必要まではなくとも、デッサン教室や絵画教室でも構わないのです。

3、依頼を一度以上受けよう

ペンネームでも、どんな場でも大丈夫ですが、とにかくお金をもらって依頼を受け、完成させるまでをやってみましょう。
これは就職先のアピールには一切なりません。あくまで自分のためです。

仕事として依頼を受けると、実は苦痛だったとか、好きな絵以外描くのはつらいことが分かった。という声がたくさんあります。
やってみないと想像だけだと分かりにくいところです。

いざ成ってから実は向いてなかった!苦痛でした!ということがあっては遅いこともあります。
イラストレーターは絵を描く仕事ではなく、仕事として絵を描いているだけで、前提として仕事、依頼、自分の不得手なものもやる。というものがあります。

4、営業戦略を立てよう

就職するにしても自分をアピールして売り込む、つまり営業です。フリーランスを決め込むならそれこそ毎日営業の連続です。イラストレーターは営業力が要になります。
営業については、必ず学ぶようにしましょう。

最低限、自分の強み、弱み、どうすれば他人より自分が選ばれるのか、などを考えます。
営業については別記事でも詳細解説していきます。

5、ポートフォリオを作ろう

これは無いと営業もできません。いわば営業資料であり自分の来歴、PR、紹介でもあります。
※ポートフォリオをどう作るかは、別の記事でも紹介予定です。よろしければフォローお願いします。

6、コネを作ろう

フリーランスはコネがないと食べていくことはほとんど不可能です。大抵の場合、知り合いや長く付き合いのある企業から依頼を受けます。
常に営業している暇はないので、できるだけ安定した仕事の供給を受ける必要があります。できれば、何も営業しなくても依頼を受けられるほうがいいですね。

そのためには、有力な発注先、コネが必要です。
ある意味で初期の活動や営業は、このコネを得るための活動と言っても差支えありません。

もしこれが不十分であれば、まずはどこか入社してそれを作ることをお勧めします。

7、高いコミュニケーションスキルを身に着けよう

イラストレーターで安定して稼いで生きていくには、発注を受けたり会社でチームとして活動する必要があります。

中には、スキルが高いがコミュニケーションが壊滅的。だけどスキルが素晴らしすぎて雇われていたり、代理で営業してくれる人が表に立って成り立っている人もいます。

ただ、そうなる人は100万人に1人もいません。
そしてすでに賞を取ったり、コネが出来ているはずです。活動していてまだコネがないなら、高いコミュニケーションスキルがないとイラストレーターは無理と思って差支えありません。

イラストレーターは画家ではなく、職人です。
職人である以上、依頼を受け、部品を作り、的確な仕事をして納品し、人々と高い交流を維持しないとなりません。

この高いコミュニケーションスキルは「ウェーイのノリ」ではなく、社会人としての交流です。
学生のうちコミュ力が高いという人たちは、多くがそれを勘違いしています。

だからコミュニケーションがニガテと思っている/思われているからと言って、コミュ力が無い・あるは判断できません。

8、信頼を得よう

社員としてクビにならず続けるにも、フリーで仕事を得るにも、必ず必要なのが信頼です。
ちゃんと納期を守れるのか、ちゃんと依頼の内容を熟せているのか、などの積み重ねから信頼を得られます。

例えば「納期は普通1週間かかるものを3日でやれますか?」と言われて無理して頑張って5日でできても、信頼は失われます。
一方で「すみません、納期は1週間からとなっております。なるべく早めの完成を目指しますが、納期は遅れる場合があります」と交渉して合意してから5日で納品する人は、信頼を得られます。

なんでもかんでも言うことを聞く=信頼ではありません。
ちゃんと守れる約束をするのが信頼になります。

9、日々勉強しよう

ツールや絵柄、依頼の傾向などは時代によって日々変化します。
「新しい道具は使えません」「AIは嫌いなので視界に入れないでください」といった頑固な職人になっても、よほどコネでもない限りそれは需要がなくなっていきます。

「私は新しいツールを使わないで描くのがモットーでそこに価値を感じてください」はほとんどの場合通用しません。
お店で「うちは現金のみでレジも使わず手計算することがモットーです。その古さに価値を感じてください」としてものすごい並ばされていたら客は離れるでしょう。

顧客やクライアントは完成された絵の納品を望んでいるのであって、その出来方については求められないことはよくあります。
画家寄りのイラストレーターや活動者以外は、概ねそうです。
常に最新の最も効率的な仕事をすることが求められます。

10、仕事を楽しもう

イラストレーターを目指す人は、絵が好きだったり得意だったり、少なくとも何らかしら絵を特別待遇しているはずです。
しかし、イラストレーターは仕事であって絵を好きに描くことではありません。

そして絵は大量に描いて、リテイクも多数発生して、理不尽も沢山あって、稼げないことがほとんどです。
イラストレーターの道をあきらめる人の多くは、仕事としての絵がニガテだったと後から分かったとか、絵を大量に描くのは実は得意・好きでもなかったことが分かった。という人が多いです。

好きな絵ならいくらでも描けても、依頼は苦手。完成まで行くことが少なく落書き止まりが多い。などなど絵を仕事にすると絵の嫌いなポイントが多数出てきたりします。
こうして、絵の仕事が楽しくなくなる人は多数います。

もしイラストレーターになったら、仕事の絵を止めることはできなくなります。
絵の仕事が好きで好きで仕方なく、いくらでも仕事できる。という人を中心に残っていくので、無理して頑張っている人は遅かれ早かれ離脱しがちです。
だから、絵の仕事を心底楽しめる人でないと、仕事は厳しいでしょう。

逆に、それが楽しめると分かった人は、今の絵がどうであれ、天職ですので適切に目指していればいずれたどり着けます。

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