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赤みが美しいその珈琲は、ほどよい果実味で時間を潤わせる。「RED POISON COFFEE ROASTERS」IN ZAMA.

きめ細かな珈琲の粒子が
薄墨を流したように
カップから空中に広がり、
鼻腔をゆっくりと満たしていく。
ほんのりと舌先に甘みを
感じたのもつかの間、
舌の脇からブドウのような
酸味がわきあがり、
味わうように飲み込めば、
喉の奥までコク深く広がる。
そのブドウに似た果実味は、
舌の上ではじけるような刺激を放ち、
抽象的なモニュメントのように
幾本もの繊細な線を伸ばして、
しゅわしゅわと舌の上に漂う。 
Burundi Kyanza  Kibingo Natural。↓                 

やがて珈琲が冷めるにしたがって、
果実の酸っぱさは徐々に角がとれて
まるみを帯びながら揺れゆく。
舌の先はいつの間にか酸味とともに
甘みを探して動きだすが、
グラスを置いてしばらくしても、
口のなかいっぱいに、
ベールひろげた果実の酸味は、
味わい深く舌を湿らせ、
慈しむようにまたひと口飲めば、
時間は潤いをしみ込ませて流れ、
それだけで本のページが進んでいく。

神奈川県座間市さがみ野。
相鉄線「さがみ野」駅から歩いて
3~4分の左手。
「RED POISON COFFEE ROASTERS」
その深みあるお店の歴史はWEBサイトで。


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