水のない川 暗渠でたどる東京案内 (本田 創)
(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)
いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。
こういう感じの “街歩き” 本は、今から15年以上前に読んだ中沢新一さんの「アースダイバー 」、最近では、高橋源一郎さんの「失われたTOKIOを求めて」等を読んだことがありますが、本書は「暗渠」をテーマに東京を巡ります。
まず、序章「暗渠スケープと景観・空間・時間」で本田創さんはこう語っています。
時代を追ったその街・土地の変化の様はとても重層的で興味深いものがありますね。「水」は、まさにそこに暮らす人々の生活に密着しています。
生活水を得るために人は「水路」を作る。そして、その地の生活様式の変遷に応じて「水の扱い」が変わり、それに伴い「水路の位置づけ」も変わっていきます。
東京の場合は、こういった流れです。
そして現在では、多くの水路は人々の視界から消えていきました。ただ、中には、その土地の地形や風景、遺構といった手がかりのあるところもわずかに残っています。
本書はそれらを辿る貴重なガイドブックなのです。
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