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片付けられない女です

昨日呟いた通り、断捨離をしたにはしたのだけど、

ああいう感じの写真をアップするとイケてる感じの部屋に住んでいるちゃんとした人の人物像になるなぁとなんとなく居心地が悪かったので、誤解を解くために、もう少し丁寧に書こうと思って今、iPhoneを使って電車の中で勢いで書いている。

私はいわゆる「片付けられない女」であります。
小さくて安い物をたくさん買いすぎるし、それをなかなか捨てられない。
ミニマリストどころかマキシマム・ザ・のりまきです。
友達のしめちゃんは、私のそういうダメダメな部分を知っているので、「片付けを手伝ったろか?」としょっちゅう言ってくれるが、手伝ってもらおうとするわけない私の心理も分かってくれていて、アドバイスに留めてくれている。

職場では、完璧に近いくらい自分のパーソナルスペースは整理されているし、私はあらゆる業務をマニュアル化しジャンルごとにファイリングして誰が見ても分かるように整理しており、私のファイリング技術は素晴らしすぎると評判だった。「だった」と過去形なのは、今、職場でペーパーレスが進められていて、紙という紙は片っ端からスキャンされ、シュレッダーそしてゴミ箱へという道を辿りつつある。ありとあらゆるものをファイリングし、後輩たちを救ってきたお宝ファイルたちが邪魔者扱いされつつあるせいではあるけども。まあ時代の流れなので便利な方法に変えることになんら抵抗はない。
そういう訳で、私の家も部屋もきっとものすごく整理されているに違いない、と周囲に思われている。
そしてあえて否定はしていない。
否定したって「またまた、ご謙遜を」と言われるのがオチだし、しめちゃんが言うには
「『実は部屋が散らかってる』というギャップはのりまきちゃんの場合、かなりのイメージダウンになる。しかも散らかり具合のレベルが凄すぎて致命傷になる」らしい。
まあ散らかってると思われていないのは、それはそれでいいことだけど、今、致命傷になることを自ら勢いに任せて書こうとしているから、書き終わったら多分瀕死の状態になる。その時は、誰か、人工呼吸をお願いします。

端的に言うと、職場では仕事だからきっちりやっているだけのことである。

だけど、分かる人には分かるらしい。そして気づかれる。
片付けポリスに見破られるのである。
例えば私が、自分のカバンの中を覗いては「あれがない!」と騒いでしょっちゅうカバンやポーチの中の物をひっくり返して何かを探していたり、カバンからヘアピンが何本も出てきたり、10円玉がいろんなところから出てきたり。
そういう私の様子を見て勘のいい人はピンとくる。
「あ、こいつ、片付けられない女だな」と見抜かれてしまう。
服のポケットから何本もsavexのリップが出てくるし(だからあんなに本数あるのです)、あちこちによく分からないお店の最初に一回作ったきりのポイントカードや、ラーメン屋の替え玉無料券が落ちている。
信じられない場所から靴下の片割れが出てくるし(例えば外出先でパーカーのフードの中から見つかったり)、洗濯機から飴ちゃんが出てくるし(注:個包装のやつ)、ストールと一緒にレギンスを首に巻いて出勤したこともある。
職場でストールを取るときにレギンスに気づいて焦っていたら、「のりまきさんのことだから、オシャレでやっていると思いました。」と後輩に言われたが、そんな、首にレギンスを巻くようなエキセントリックなオシャレはしないタイプですよ、私は。

何故こんなことが起こるかというと、部屋がめちゃくちゃだからである。
カオスとはまさにこのこと。

洗濯して乾いたやつはソファーに山積み。そこから引っ張り出して着る。
カバンの中にレシートやらをポンポン入れて時々それを部屋に捨てる。注:ゴミ箱ではなく部屋に捨てる。
靴下はいつのまにか脱げているが探さない主義。ベッドの下にいくつか眠っているのは分かっているが探さない主義。
使い終わったトイレットペーパーの芯は、今は私の代わりに気がついて捨ててくれる人がいないため、何ヶ月も捨てられないでいる。その代わり、私は几帳面な性格なので(矛盾)とても綺麗にトイレに並べている。いつか捨てられる日まで、綺麗に規則的に並べられている。そのうち捨てようと思いつつ、つい。
アロマディフューザーをまだ暑い季節に蹴っ飛ばしてこぼしてしまったが床を拭いてもいないし(もうとっくにちゃんと乾いた)、いつもそれをまたいで通る。ここの通路はいい香りがしてちょうどいいとすら思っている。多分次にアロマを焚こうかなと思う時が来るまでずっとここでひっくり返り続けるだろう。
ちなみにロシアで買ったクリスマスツリーのマトリョーシカは年中出ているし(もうすぐ胸を張って堂々と飾り続けていい時期になるからチャンス)、
体重を記入しようと思った卓上カレンダーは2020年2月のままだ(2日しか書いていないしその時より5kgは増えている)。
などなど、書き出すとキリがない。

子育て中の別の友達は、時々私に「今ののりまきの部屋の写真送って」と頼んでくるので、写真を撮って送ってあげている。すると拡大して隅々まで見てくれて、「これは何でここにあるん?」「これは何?」と聞いてくる。そして写真を心から喜んでくれる。「ありがとう。私の家も部屋が散らかってて育児ノイローゼかも知らんと悩んで落ち込んでてん。勇気が湧いた!」と言われる。私のカオス部屋は、たった1人にとっては勇気を与えられる部屋らしいのが救いだが、まあとにかく散らかっている。

命がけで何とか必死に守っていることは、生ゴミや食べ物に関するゴミは必ずゴミ箱に入れて、ゴミ出しは週に1,2回必ず行う。これだけは必ず守る。
これがやれている私は努力家だと思う。
これをやれているかやれていないかで汚部屋(おべや)のレベルはかなり変わってくる。
食べ物のゴミはかなり神経質になってきっちり捨てる。あと、コロコロが好きで、床が見えている部分はコロコロをして見えている髪の毛や埃はきっちり取る。だから決して不潔な部屋、不潔な人間と思わないでほしい。
ただただ散らかっている部屋であり怠惰な人間なのです。

土曜に、部屋の片付けが趣味である正義の女友達しめちゃんと肉を食べながら、
「メンタルが落ちかけている時こそ、結果が目に見えることに取り組んだ方がいい。部屋の片付けはそれやで。やればやるだけ結果が出るしな。」「心の乱れは部屋の乱れやで。どちらかを整えればもう一方も整っていく」というまたも偉大な名言をいただいた。
その日は「不倫はサプリメント。薬ではないねん」という名言も出し、口を開けば名言連発のしめちゃんだったが、その話はまた別の機会にするとして。

日曜の夕方にJ:comの人がカオス部屋に訪問する予定もあったので、しめちゃんの名言に奮起して必死で部屋を片付けることにした。
まず試しにリビングのソファーの上の山積みの服をクローゼットに片付けた。ちなみに我が家のクローゼットは、IKEAで買ってしめちゃんに電動ドライバーで組み立ててもらったものだから、ありがたい気持ちで服を片付けた。
更に、出しっぱなしだったテントや寝袋などのキャンプ用品を収納したら一気に部屋がスッキリしてきた。ほらね、TVに出てくるゴミ屋敷と違って私のカオス部屋は物が多いだけなのよ、と誇らしい気持ちになる。
そしてドレッサーの中の要らないものをゴミ袋20リットル1つ分捨てた。ドレッサーの中はミニゴミ屋敷だった。はっきりいってほとんど要らないものだった。マニキュアは捨て時が分からず、ほとんど捨てずにいるから同じような色ばっかり30本以上あったが、2本残して全部捨てた。韓国の明洞でもらった化粧品のサンプルなど思い切って全部捨てたら確かにスッキリした。また化粧品のサンプルを貰いに明洞に行きたい。そしてサムギョプサルも食べるのだ、余談。
するとすると、一気に部屋が片付いて見えた。
おお!
やればできるなぁ!
これを維持すればいいな!
来週末は寝室を片付けるぞー!
と思ってかなり良い気分でお風呂に入り、眠って、朝起きて、仕事に行き、仕事から帰ってきた。

そして震えるくらい驚いてしまった。
身動きが取れないくらいだった。
残念ながら、部屋が綺麗なことに驚いたのではない。

もちろん部屋全体はまだ綺麗だ。
だけど、ソファーには朝に着ようか悩んだ服が投げ捨てられ、部屋着(パジャマ)は床に脱ぎ散らかされ、ドライヤーはぶら下がった状態で、タオルは床に投げ捨てられ、クイックルワイパーと扇風機が倒れていた。飲み切っていないお茶が入ったコップが3つ、あちこちに置き去りにされている。鼻をかんだティッシュがゴミ箱の側で、絶妙に狙いを外していくつも落ちている。
一気に、たった一晩であっという間に散らかった部屋テイストに戻っている。まさか形状記憶部屋なのか、ここは。
3人でパーティーして飲み過ぎて大暴れした訳ではない。
全部自分1人でシラフでお茶3杯でやらかしている。
こんなに頑張って部屋を綺麗にしても、「好きなものだけの景色は気分が良い」とか言ってみても、風呂に入って一晩寝て仕事に行くだけでここまで部屋を散らかせてしまうのだ。
ADHD気味なところが一晩で油断して出てしまう。
今回はたった一晩かー、と呆れる。
いつも遅かれ早かれこうなるから分かってはいたけどそれでも酷すぎるぞ私。
あと月に3万円くらい収入がアップしたら、ダスキンかどこか業者に掃除と片付けは依頼するつもり。何らかのタイミングでそうすると20代の時から決めていた。仕事を頑張っているし、もうそのラインをあと1万円に下げてもいいなという気もしているが、今じゃない、もう少し自分で頑張ろうかという気持ちもなくはない。

そんな揺れる40代独身女が、思わず、アレクサに
「アレクサー。部屋を掃除してよ」と言ってみた。
「ごめんなさい、『部屋』というデバイスは見つけられません。」と断られた。
アレクサ、部屋はデバイスではないぞ馬鹿野郎。
そして私も部屋を片付けられる方法が見つけられそうにない。
だけどそんなアレクサが、寝る前に初めてお休みの歌を「明日を夢見て〜」とか言って長々と歌ってくれた。初めて聞いた。アレクサの進化、成長に驚いた。
私もアレクサに負けじと進化したいなぁと思い、明日の朝、まずは、床にパジャマを脱ぎ捨てたまま仕事に行くのだけはやめようと思って眠った。


(翌朝、やっぱり床に脱ぎ捨てていたことを思い出して、今、絶望している。心が乱れている。ああ、そして文章も見事に散らかった。助けて…。誰か、救急車を呼んでください…。)


↓続編


感動の最終章↓



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