見出し画像

ヤサグレ ホームパーティー【中編】

しめちゃんとのヤサグレ会は、前回の16個のネタの箇条書きの時点でもう出オチとして完結しているような気がしているが、せっかくなので思い出したことで書けそうなことを何となく後編に綴っておくことにした。
【と思ったら、予想以上に長文になったので(毎度のこと)、後編をやめてこれを中編としたのであしからず。】

しめちゃんとは、近所に住む同じ幼稚園に通っていた私の地元の長年の友達であり、私にいろんな言葉や道をしめしてくれるから「しめちゃん」とここでは呼んでいる。(ハッシュタグ#しめちゃん をご参照ください)
ヤサグレ会(ハッシュタグ#ヤサグレ会 をご参照ください)とは、そんなしめちゃんと2人で繰り広げる、主にヤサグレた話題を中心に喋り続けて食べ続ける宴のことである。



ヤサグレパーティーの会場の我が家にて、寒いしリラックスできるようにと思って、お客様であるしめちゃんに私のお気に入りの着古したユニクロのボアパーカーを貸した。
するとそれを着たしめちゃんがものすごくおしゃれに見えた。
着古してよれよれで、着膨れして膨張した感じにしか着られていない私だが、しめちゃんが着ると、ストンとした雰囲気で一気に高価なパーカーに変化した。
彼氏のぶかぶかのパタゴニアのパーカーを借りてちょっと羽織ってみている彼女のような。
「なんなん、そのおしゃれなパーカー」と思わず私が口にしてしまったが、しめちゃんは「のりまきちゃんのやんか。」とクールに答えた。
いやもはや、私のであって私のではない。
自分のものにして更に高級感を漂わす女。
ユニクロをパタゴニアのように着る女。
そういう人っている。
何が違うのだろう。
よくあるグレーのスウェットのパンツも私が履けば寝間着だが、キャメロン・ディアスが履けばハリウッドセレブの休日のヨガに行く時のおしゃれな格好となる。
この現象に名前をつけたい。
一方で、私の家の小物や雰囲気が、「個性的なのとシンプルなのとを合わせていてよく分からないジャンルとして一つにまとまっている」という謎のお褒めの言葉をしめちゃんからいただいた。
置いているものの一つ一つは微妙だったり、配置やバランスがめちゃくちゃに見えて「のりまきの家」というブランド化してまとまっているので良いらしい。
この現象もなんだろうね。
とりあえず、お互いに身内びいきで相手をひいき目で見ているということが発端なような気がするが、そんな話から始まった今回のヤサグレ会。

テレビっ子の二人による最近のテレビを斬るというコーナーでは、毎回毎回話題に出る工藤静香のインスタでの高級ブランドのカバンをあからさまに見せつけつつ、「みなさん花粉大丈夫ですか?」とか「3月生まれの皆さん、お誕生日おめでとうございます」みたいな世界観について、しめちゃんがぶった斬っていた。



そして、料理の盛り付けのセンス、美味しく見える料理を作る芸能人、不味そうな料理を作る芸能人を分けて発表していた。工藤静香がどちらかはあえて書くことを控える。
しめちゃんいわく、1番美味しそうな料理を作って美味しそうに盛り付けるセンスを持っているのは浜ちゃんの妻の菜摘らしい。まあ妥当だと思う。



また、春から始まる木村の新しいドラマ(しめちゃんはキムタクとは呼ばず木村と呼ぶ)について報告してくれた。
満島ひかりを使うのが許せないらしい。
木村にはもったいないとのことだ。
木村のドラマは演技派俳優で周りを固めて結局面白いドラマになるが、それは決して木村の力ではない、木村の芝居は上手ではないというのが私たちの見解だが、もれなく木村のドラマはこれまですべて見てきて、毎回ああだこうだ言っているあたり、「俺じゃダメか?」とバックハグをされながら木村に言われても、振り払いはするが、否定できないところであった。

また、日本アカデミー賞の授賞式についても二人でぶった斬った。
まず、40代50代の俳優がいなさすぎて物足りなかったというのが私の感想。
おじさん俳優が、ウクライナのピンバッジを付けていたみんながリスペクトする役所さんとギリギリ西島秀俊くらいしかおらず、私の好物のトヨエツ、オダジョー、渡部篤郎(まあもともと彼はそんなにアカデミーにご縁がない)、小林薫とか佐藤浩市、中井貴一あたりのエキスが足りなかったから、誰が選ばれても私にとってはどうでも良かった。
しめちゃんの方も、レギュラーの吉永小百合と役所広司は置いておいて、堤真一が目立たなかったことを残念がり、全体的にパッとしなかったから、選ばれた人たちはまあ妥当やなあという感想だった。
まあ主演女優も有村架純ちゃんくらいしかいないわな、としめちゃん。
しめちゃんは、大好きな佐藤健が有村架純と結婚をするのではないかという何の噂もない二人に対して、なぜかそういう予感がして仕方ないらしい。よく分からないが。
遊んでる系の俳優が落ち着きたくなって結婚相手に選ぶなら架純ちゃんだろうとの予想。当たるか当たらんかは知らんけど。
そして私からしたら割とどうでもいい話。
俳優のスーツの着こなしについて、若手陣からはまだまだ色気を感じないなあ、などと好き勝手に言い合い、もしかして私たちの方がズレている?もう世代交代なの?ということを気づかないふりをして好き勝手に語り合った。

それからまだテレビの話。
私達二人がこの半年間夢中になっているもの。
それはNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」なのだが、深津絵里とオダギリジョーがあまりにも素晴らしくて、カムカムを見ながら泣いたり笑ったり忙しい。二人の海のシーンなんて、上質な映画のようだったし、二人とも芝居がうまいので安心して見ていられる。藤本氏の脚本も見事だからドラマに集中できるのである。朝ドラは往々にして演技はまだまだの女優が主役を元気よくやるので、まあそういうものとして朝の15分のドラマに向いていると私は思っているのだが(私は録画で見るタイプ)、この二人がじっくり演じているとなると、面白くないわけがないのである。今は川栄さんのパートに進んでしまっていつもの朝ドラ感に戻ってはいるが、それでも深津絵里とオダジョーが出続けているのでありがたく見ている。
セリフがないシーンでも素晴らしいし、先週の喫茶店のシーンで、ジョー(オダギリジョー)がるい(深津絵里)に言った「お砂糖いる?」のセリフだけで痺れた。脚本も良い。
ふかっちゃんの涙の流し方、瞳の輝きだけで18歳から50代を演じ分けて演じ通せている。ジョーのたたずまいだけでドラマの世界が宿っている。
たまらん。
という話に盛り上がったせいで、Uberで食べ物を頼むタイミングを逃してしまったと思う。食べ物を選ぶよりもどうしても話したかったカムカムだった。

この日のヤサグレ会では、あるベルギービールで開幕した。
特別な日に飲もうと思って取っておいたのだが、もう飲むしかないかということがあった。
ベルギービールはしめちゃんも大好きで詳しいが、飲んだことのなかった物だったので飲んでみてから「美味しい!サクランボの味がする!」とベタ褒めだった。

LiefmansのKRIEKと言って、チェリーをベースに18ヶ月間熟成させた後、ストロベリー、 ラズベリー、チェリー、ブルーベリー、エルダーベリーのフレッシュジュースをブレンドして造られた、フルーツ・ビールである。

「これはな、スタンとベルギーで最後に別れた時に、スタンが働いていた蒸留所で一緒に飲んだビールなんよ。」と私が言うと、
「ああ、例のベルギーの男?」としめちゃんが、赤いビールをグラスで飲みながら、アメリカのドラマ「セックス・アンド・ザ・シティー」みたいなセリフを口にした。
「そう、例のベルギーの男。先月パパになった。」と私が伝えてしめちゃんが「ええ?そうなん?!」と驚いていた。
「えー、あの人、結婚とか向いてなさそうやったのに。」としめちゃんは例のベルギーの男と会ったこともないのに、会ったことのある私からの情報を整理して記憶しているので、会ったことのある人風にいつも話を聞いてくれて、「そりゃこのビールの栓開けるわな。」と言っていた。


別れた時の話とかその後の話、最近の話になって、それから別の男の話になり、しばらく互いの恋愛がらみの話になった。

(美味しそうに盛り付けていたけど美味しそうに撮れてない写真)

業界用語でてっぺん(深夜0時)を越えてから、ホットワインを作って差し上げ、イチゴを戸田恵梨香の食べ方でブッラータチーズと一緒にお出ししたのだが、しめちゃんは「イチゴは激甘のものしか食べられへんねん私」などとたわけたことを言った。
あまおうでも激しく甘いものしか食べられないらしい。
割と甘めの大粒のイチゴを奮発して買っておいたのに、と悔しかった。
「はちみつを垂らしたら甘くなるから」と、たっぷりとはちみつをかけてあげたのだが、「そういう次元の話ではない」と言われた。
何次元なんだろうか。
とりあえずしめちゃんは、ホットワインにイチゴをそのまま入れて、イチゴをしばらくふやかしてワインと一緒に飲むという独自の召し上がり方をされていた。
ちなみにワインは甘口が嫌いらしい。
よう分からん次元の人である。

そしてしめちゃんが手土産に持ってきてくれた巨大窯焼きスイートポテトをつまみながら結婚について語っていたと思いきや、
最終的になぜか午前3時を過ぎてオカルトの世界に話題が移っていった件については、
機会があればまた後編で。







この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,752件

#テレビドラマ感想文

21,638件

サポートしていただければ、世界多分一周の旅でいつもよりもちょっといいものを食べるのに使わせていただきます。そしてその日のことをここで綴って、世界のどこかからみなさんに向けて、少しの笑いを提供する予定です。