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身に着ける物にはすべて意味がある

この前、大事な会議があったので、カート・コバーンの写真がプリントされたTシャツを着ていった。靴はもちろんコンバースのジャックパーセルでコーディネート。
会議での私の発言が、絶望的な私の心の叫びとしてよりエモーショナルにみんなに伝わればと思ったから、メッセージをTシャツに込めた。
その話を友達のしめちゃんにしたら、「誰が分かるねん」と静かに突っ込まれた。「それより、悟りの境地(ニルヴァーナ)と思われたんちゃう?」と言ってくれるのが、さすがしめちゃんである。「ほんで、そんな格好して会議出ていいの?」と心配もされたが、カーディガンを羽織っていたからセーフだと思う。

私は、あまり文字の入ったTシャツは着ないようにしている。昔、一緒に働いていた心理士が「Not Talk」と書かれたTシャツを着て仕事をしていて(仕事とはつまりカウンセリングなんだけど)、超絶驚いたことがあるのだが、着ている本人は「え?何のこと?」と気づいてもいなかったことに私は更に猛烈に驚いた。
その時にうすうす気づいていたのだが、人はTシャツをそれほど深い意味を持たずに着ているらしい。
昔、「水曜日のダウンタウン」でバンドTシャツを着ている人はそのバンドの曲を聞いたこともないし、バンドのことすら知らないという説を検証していて、本当に大半の人が自分の着ているバンドTシャツのバンドのことを知らなかった。そうかー、そうなのか。ファッションってやつは、もっと気軽でカジュアルなんだな、とファッションをよく分かっていないくせに納得した。
それでも、職場で若い子が「Revolution」「Champion」と書かれたTシャツを着ていると「お?」と思うし、心の中でその人のことを、レボリューションと呼んでしまう。薄っぺらいことばっかり言っている奴が「Depth」と書いてあるTシャツを着ていると笑いをこらえるのに必死だし、とにかくその人の身に着けているものに意味があるのではないか?と意味をメッセージを探したくなる。
ついこないだ、私の好きな有吉がおかっぱのヅラをつけて(彼はなぜか最近ラジオの日などにヅラを被って生活されている)ビートルズのTシャツを着て、金色の時計をしてインスタに登場していた。私は「もう大好き、有吉先生!」と思った。
彼いわく、おかっぱヘアに似合うTシャツをと思いそれならBeatlesだと思ってTシャツを探して買ったことをラジオで話していて、金色の腕時計はカニエ・ウエストが大統領選に立候補するのでは?という話を聞いてリスペクトの気持ちでつけたと言っていた。冗談にしても粋すぎる。
そして有吉先生は声を大にして、「身に着ける物にはすべて意味があるから!」と言っていて、まあこれもネタだとは思うが、うん、うん、好きやでその感覚、と有吉愛を深めてしまった。


という訳で、私が人のTシャツのメッセージが気になって仕方ないということと、「Why don't you go to party?」のTシャツをなぜか買ってしまったけど出番がないことは仕方ないことであり、会議の日にカートのTシャツで臨んだことも必然だと思っている。
そして最近、以前にも増して私が黒い服を着ることが多いのは、黒が好きだということに加えて着痩せ効果を狙っているという意味だということは、誰にも気づかれないように祈る。




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