1パックの 焼きそば求め 3時間
こんにちは!NORIKO@どっぷりマレーシアです。
ここでは、タイトルの通りの経験から、マレーシア人の時間に対する概念について、私なりの思いを書いてみました。
ジャパンフェスタの焼きそば屋で…
一年ほど前の話になるが、KL郊外でジャパンフェスタと呼ばれる日本の文化を紹介するイベントがあり、友達家族と娘たちを連れて行ってきた。コスプレ大会も兼ねた野外イベントで、18:30頃会場に着いた頃には凄い人で歩くのもやっと。マレーシアの人たち、日本のアニメや食べ物が好きなんですよね。
夕飯時だったので、とりあえず何か食べようということになった。たこやきやお好み焼き、たいやきなどいろんなお店があったが、それぞれのお店の前には既に長蛇の列…ひとまず子供達が食べたいと言った焼きそば屋に並ぶ。
30分くらい経ってあることに気づく。あれ、全然進んでなくない?!でも今更別のお店の列に並ぶ訳にも…と辛抱強く並び続ける。やっと自分の番になったのはなんと2時間後…
列の先頭に来て店内が見えるようになり初めて、店員はたったの2人だということに気づく。大きな鉄板を前に1人分ずつ丁寧に焼きそば炒めている人が1人。なぜその鉄板サイズで1人前ずつ作る〜?余裕で10人前ぐらい作れるサイズの鉄板なのに。
そしてオーダー取るもう1人のスタッフの手元には伝票が10個くらい並んでいて、その最後に私のオーダー票をつけて…「あと1時間後にできるから取りに来て」と!それだったらどんどんオーダーだけ取って整理券とか配れば良くないかい?
空腹もあってイライラ度MAXの私が、2時間の間に溜まりに溜まった思いを吐き出そうとしたその時。なんとその店員さん、私の後ろに並んでいた人に「売り切れです」と言いだしたではないか!
驚きのあまり絶句する私を更に驚かせたのが、それを言われたお客側の反応だった。私のすぐ後ろの人も、その後ろに並んでいた人たちも、誰も文句言わずに、あーそうなのという感じで散っていったのである!どうしてそこで怒らないの?!とびっくり!一人でイライラしている自分が逆に滑稽に思えてきてしまった。私の後ろに居た人だって2時間は並んでいたはずである。もし私が「売り切れです」と言われた側の客であったらプッツン切れて、お店破壊していたかも?!
結局やっと一パックの焼きそばにありつけたのは並び始めてから3時間後。日本じゃ3時間はちょっとした地元ニュースになるだろうなぁ、なんて思いながら、子供たちと3人で分けて食べた。もんのすごおぉぉくお腹が減っていたからか、それとも一つ一つ丁寧に作られた焼きそばであったからか、どこにでもある普通の焼きそばだったが、それはそれは美味しかった。あんなに味わって焼きそばを食べたのは、後にも先にもこの時だけだ。
マレーシア人の時間に対する概念
このイベントでの出来事に限らず、マレーシア人の時間に関する概念には驚かされることがよくある。普段、買い物のレジで長く並ばされても、誰も文句を言わない。
私は大学時代、日本でスーパーのレジのアルバイトをしていたが、自分のレジに3人以上並ぼうものなら、自分の中で”焦りモード”のスイッチが入り、自分のできる最大限までスピードアップ。それでも列ができるようだったら、他のスタッフのヘルプを呼び、2人制または他のレジを開けるという対応をとっていた。
一方マレーシアのレジの人。どれだけ長蛇の列でもスピードは変わらない。焦る様子もない。あの微動だにしない鉄の精神はどうしたら育まれるのだろうか。うらやましい限りだ。
南国気質のマレーシア人
マレーシア人が時間にルーズなのは有名な話。私も感じることだが、常夏の気候で四季もなく過ごしていると、あっと言う間に月日が経つ。時間に追われる感覚がマヒし、ボーっとしていても月日が過ぎてしまうのである。マレーシア人の時間の感覚は、この気候が大いに影響しているように思う。
「時間のいい加減さ」のいい例が結婚披露宴。招待状に書いている時間が19時だとして、始まるのは20時半頃。みんなそれをわかっているから、19時に来る人は誰もいない。あの暗黙の了解っていったい何なんだろうな。それなら最初から20時半開始。って書けばいいのにね。
マレーシア人の遅刻の理由でナンバー1に使われるのが「雨」。
予約していた業者やドライバーから「雨で道が渋滞して遅れる」っていうメッセージ、今まで何度受け取っただろう。ああ、雨ね。道混むよね。バイクじゃぁ雨宿りしなきゃだよね。それじゃぁしょうがない。と思えるマレーシア人の懐の広さよ。
道徳心と四季のある日本人
逆に日本はどうして時間に正確なのかを考えてみた。
人に迷惑をかけないように、時間を守る。という事を家庭でも、学校でも自然と教えられてきたように思う。これぞ日本が誇る「道徳」のすばらしさだろう。
気候もマレーシアと違い、四季があることで、衣替えや正月、お盆など季節の変わり目を感じる節目がたくさんある。その度に、時の移り変わりを無意識のうちに感じることができる。自然のうちに時間を大切にできる流れのようなものが日本にはあるのではないだろうか?
どっちがいいのかな…
日本は仕事上でもチームワークや〆切が重要視される。「人に迷惑をかけないように」「期日/時間を守る」というモラルは、日本が誇る素晴らしい文化でもあるし、そのモラルがあったからこそ急激な経済成長を遂げてきたのだと思う。でも一方で、そのモラルこそが日本社会のストレスの主な原因になっているんじゃないか。なんて思う。
もちろん、マレーシアの時間にゆるゆるなところは、人に迷惑をかけている場合も多いし、決して人として正しい行いではないと思うが、少しくらい時間に遅れても「Ok lah~!」と受け止められる懐の広さが、もう少し日本人にもあっていいんじゃないかな。
そういうあなたはどうなのさ
では、自称マレーシアンジャパニーズの私はどうだろうか?
日本人相手の約束なら時間は守るようにしています!…といっても、今は携帯という便利なものがあり「ごめん、渋滞でちょっと遅れる〜」ってよくメッセージしている気もするなぁ…(マレーシア人の事、偉そうに文句言えないですね。)
そして、正直に話そう。マレーシア人との約束なら、多少遅れてもいっか〜。どうせ相手も時間通りには来ないし!くらいの気持ちでいてしまう。南国気質にすっかり染まっちゃっててすみません〜
結論、日本とマレーシアの中間くらいの時間の捉え方が一番良いと思う。私はちょうどその中間くらいの人間だから、ストレスフリーなのかもしれないな。
どんどん発展しているマレーシアだけれど、私としてはマレーシア人の南国気質はずっと変わらないでほしいな、なんて思ってしまう。それこそが、私が「居心地がいい」と感じるマレーシアらしさなのだ。ただ、3時間お客さんを待たせないように効率をあげる知恵はぜひ身につけてほしいものだ。
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