真のスッキリ首位は?(日経MJを読んで想うこと)
「ブランド別の総合評価ではシュミテクトが186点で首位となった」。そうか、シュミテクトが一番人気なのか。
ただ、自分に置き換えてみよう。うちの歯磨き粉はクリアクリーンじゃないか。他の歯磨き粉を使うこともあるけど、やっぱりクリアクリーンに戻ってくるじゃないか。ん?でも、クリアクリーンは9商品中、7番目なのか。
...ナナメ読み程度ではそういう理解で終わってしまう、でもね、よく読んでみると。今回はそういうお話。
(バイヤー調査)シュミテクト、すっきり首位(2023/11/8 日経MJ)
「項目別では、商品コンセプト(65%)、値上げ後も選ばれる商品価値(42%)のほか、ネーミング(58%)などでトップを取った」。ちなみに%は「評価できると回答したバイヤーの割合」。
パチパチパチパチ!まずは、この評価を、高く評価したい。だって、ガム、システマ、クリニカ、ピュオーラ、生葉、クリアクリーン、NONIO、オーラツー。数ある他社製品と比べて、ネーミングはずば抜けて秀逸だ。歯にシミるのをプロテクトする、それが、知覚過敏用「シュミテクト」。
グロービス先生もこう言ってる。ネーミングは「親しみやすいこと、覚えやすいこと、製品との整合性があることなどを考慮した上で、ユニークな語感を持たせることが肝要である」と。シュミテクトはこれらを全て兼ね備えている、そう思わない?
「など」にご用心
御社も金融機関から言われることありませんか?「など」の内訳教えてくださいって。そこが曲者だったり、情報源だったりするからなんですが。
今回、意図的なものを感じたのは「項目別では、商品コンセプト(65%)、値上げ後も選ばれる商品価値(42%)のほか、ネーミング(58%)などでトップを取った」の、「など」の部分。
「など」の内訳、いっぱいあるのかと思ったら、1つだけなんです。それは「利益率」。シュミテクトは、他社製品より利益率がいいんですって。だから、シュミテクトは結局こうなんです。
商品コンセプト1位...シュミテクト(65%)
値上げ後も選ばれる商品価値1位...シュミテクト(42%)
ネーミング1位...シュミテクト(58%)
利益率1位...シュミテクト(33%)
だから総合1位
ちょっと待って。この利益率って、バイヤーにとっての利益率なんでしょう?まあ、タイトルに(バイヤー調査)と銘打ってるから「当然でしょ?」と言われればそうなんですが...なんだか意図的なものを感じませんか?
真のスッキリ首位は?
なんだかスッキリしない。結局、一番売れてる商品が首位なんじゃないの?と、モヤモヤしてきたわけで...
そこで、記事に出てくる「ブランド採点表」をジーッと見つめてみたわけです。そしたらね...
ブランド力1位...クリアクリーン(75%)
リピート購入率1位...クリアクリーン(67%)
利益率最下位...クリアクリーン(7%)
こういう結果なんです。これってもしかして、クリアクリーンは、ブランド力があってリピーターもたくさんいるから、メーカー側に交渉力があって、バイヤーの利益率が低い。バイヤーの利益率が低いから、バイヤーからは評価されてない。そゆことじゃないの?
もしかして、真のスッキリ首位は、クリアクリーンなんじゃないの?
とはいえ大事なことは文末に。
...と意図的なものは感じるにしろ、今回、日経MJがフォーカスしたかったのは「値上げ後も選ばれる商品価値」だったのかもしれないな。
確かに、クリアクリーンの、値上げ後も選ばれる商品価値のランキングは低い(19%で6位)。クリアクリーンにフォーカスすると、この論点がズレちゃうね。
値上げラッシュが続く中、大事なのはこの視点なのかもしれない。シュミテクトは「ホワイトニングなど個々のニーズに合わせた機能を追加した商品を投入している点も評価された」とある。
文末にバイヤーの声として「値上げの際は、新たに効果、効能を追加してもらいたい」とも。
「ごめんなさい、材料価格が高くなっちゃって」の単純値上げは誰も納得できない。やっぱり、価値ある値上げが、求められているんだね。そう想いながら、スマホを閉じました(おしまい)。
価値ある値上げは、前回ちょこっと書いたので、併せて読んでくれると嬉しいな。
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