短歌 初音聴く桜のみち
春が満ちてきました。
薄茶色だった景色に、
みどり、きいろ、しろ、あか、色が溢れます。
春生まれのわたしは、この季節が大好き。
花や草木から生きる力を分けてもらいながら、
またここから一年が始まるんだ、そう思えるから。
自分にとって、新しい年のスタート。
わくわくしますね!
では、短歌へいきましょう。
25.
春香る みそらに浮かぶ 鼓星
別れを惜しみ 夜毎眺める
鼓星とは、オリオン座の和名。
オリオン座の明るい星を線で結ぶと和楽器の「鼓」のように見えるから、昔の人はそう呼んだのだと。冬の星座「鼓星」ともそろそろお別れです。
26.
春風の 梅の香りに 誘われて
そぞろ歩けば 野の石仏
家の周りを歩いていると、思いのほか多くの石碑や石仏に出会います。
いちばん多いのは馬頭観音碑。荷運びや農作業を一緒にしてきたお馬さんは、家族同然だったことでしょう。春の野花と石仏、なんか好きです。
27.
鶯を 探しに外へ 出てみれば
燕がひらり 青空を舞った
なんと、ウグイスよりも先にツバメに遭遇しました。笑
春になると戻ってくることは、当たり前のようで当り前じゃない。
燕さんすごいな。わが家の巣にも戻ってくるかな?
28.
薄紅の 桜に山は 覆われて
花咲く下に 溢れる笑顔
桜の下では、みんな笑顔。
畑しごとが始まるころ、それまで家のなかに閉じこもっていた人々を外へ誘い出すかのように咲く花。
なにか、桜にはそういった霊力が宿っているのかもしれません。
29.
初音聴く 桜のみちを 歩く我
春萌え出づる 高遠の里
ようやく初音を聴きました!
それも、タカトオコヒガンザクラを眺めながら。
周囲を山で囲まれているので、それはよく響く囀りでした。
きっとこの春は、つよく記憶に残るでしょう。
今年もまた春を迎えられたことに、感謝。
さあ、一年のはじまりです。
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