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私は地元が好きだけど、そうじゃない人もいるって話

私は九州生まれ九州育ち。
今も両親と九州在住。

私は今暮らしている地域を気に入っている。
交通インフラがそれなりに整っているから車がなくても少し遠くに行く分には困らない。
少し電車に乗れば商業エリアがあるので、買い物や遊びも楽しめる。

なによりここには家族がいる。
会おうと思えば地元の友達と遊べるし、一度地元を出てしまった友達もここで待っていれば会うことができる。孤独じゃない。

だからこれからも、この地元で暮らしてそのまま生涯を終える。
それに何の疑問を感じていなかった。

だけど、最近になって実感した。
「地元が好き」だってことが、当たり前じゃないこと。
これまでも誰かの「地元を出たい」という話は聞いていたのに、意識したのはつい最近。今更すぎる。

数えてみたら、地元から離れた友達の方が多かった。
進学や就職の都合で離れた人もいる一方で、「もう地元には帰らない」と宣言した人も、そういえば居た。
「たまたまそこに生まれ育っただけで、地元だとも思っていない」という人も居たっけ。

この件を考えるようになったきっかけも、密かに気になっていた異性が「自分は地元で暮らすつもりはない」と言ったことだった。
ああ、そうなんだ…と内心悲しんだけれど、「なぜ?」と尋ねる勇気が、その時はなかった。


一度気になってしまうと、SNSでもそんな情報が目に留まりやすくなる。
Xで「九州の男尊女卑慣習」に関するつぶやきを見てしまってからは、おすすめ欄に勝手に出てくるようになってしまった。

「男性が宴会している中、女性は台所でご飯を食べている」
「しかも男性は当然ながら、九州育ちの女性も誰も疑問に思わない」
「モラハラ、セクハラ発言当たり前」

んーー。
これも全く聞いたことない訳じゃなかったけど、自分は感じてこなかったから今まで意識していなかった。
かなしいけれど、こんな土地柄も地元の事実なのか。

たしかに、言われてみれば、父が台所に立つのは喫煙の時だけだった。
父方の祖父母の家でも、祖母・母・叔母・私・姉・従妹で食事の支度をしていた。そうか、あれは慣習だったのか。
我が一族は男女比が1:7ぐらいで男性が極端に少なかったから、「暗黙のルール」だとも思わなかった。
父が料理嫌いで面倒くさがりだから、やらないだけなんだと思っていた。


私はたぶん、運が良かったのだ。
この年になっても「地元のここが嫌」「出ていきたい」と思ったことがないから。
まぁ、一部の治安の悪さとか、「朝課外」「0時間目」とかいう生徒も教師も苦痛なカリキュラムがあることとか、多少いやと思うことはあるけれど。
それでも一度出て行って戻ってきてしまうぐらい、私には住みやすい場所だった。


地元が好きなことも、地元が好きじゃないことも、どちらも悪いことではない。どちらも尊重していい気持ちだ。

ただ、何度も見聞きしてきたにも関わらず、誰かの「地元を離れたい」という気持ちを軽く流していた自分に、ちょっとショックを受けた。
当時も友人の話は真面目に聞いていたつもりではあるんだけども、各家庭に起因する問題だと認識していて、地域柄や慣習の可能性を考えてなかったというか…。

そしてそろそろ婚活を始めようとしている身としては、「自分が地元から離れる可能性」について考えないといけない、と思う。

身近な範囲で出会い、かつ転勤の可能性の低い人とパートナーになれれば、私は生涯ずっと地元で暮らせるのかもしれない。
けれど人生何が起こるかわからないし、そんな都合の良い人に出会って伴侶になれるとも限らないし。
現に、私が気になっていた彼は「地元で暮らすつもりはない」派だったし。
彼との関係が進展する見込みは無いんだけれども、今後出会う相手も同じような考えかもしれないし。
そもそも、「地元」に限定したら出会いがグッと減ってしまうし。

私の「これからも地元で」という気持ちは、優先順位としては一体何番目なんだろう。
周りに友人がいれば、地元でなくてもいいのか。大切な人となら、二人きりで見知らぬ土地に行ってもいいのか。それともやはり、家族を置いていけなくて留まってしまうのか。家族も連れていけるなら、別の地域でも良かったのか…?

自分のことなのに、いまいち想像ができない。

その決断を迫られた時の状況や、共に暮らすお相手がどんな考えかによるのかも。

今はいったん、頭の片隅にその可能性を置いておけばいいか…。



相変わらずオチのない文章ですが、本日はこの辺で。

今回もお付き合いいただきありがとうございました。

ちなみにカバー写真は、地元の葉桜です。


野乃

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