見出し画像

キラキラ指輪物語

私たち夫婦が、結婚指輪を手にするまでのお話です。(糖度高めです)


私たちは、今年の5月に入籍しましたが、その前に一度、結婚指輪の下見に行ったことがあります。


そのときは、いくつかのお店を回りました。

でも、お店を巡っているうちに、だんだんと彼の元気がなくなっていくのが少し気がかりでした。

いつもかわいい小物屋さん巡りや、私のお洋服選びにも付き合ってくれる彼は、指輪選びに疲れたわけではなさそう。

まだ指輪は決まっていませんでしたが、彼の様子が心配だったので、私は帰ろうと言いました。

その日の夜、どうして元気がないの?と聞くと、はじめは元気だよと答えていた彼ですが、少し経ってからポツリと、

「ももの手を綺麗だねって褒めてあげたことない」
と彼は呟きます。

もしかして、それで元気がなかったの?というと、彼はこくんと頷きます。

彼の言い分としては、今日初めて出会ったお店の人たちがみんな私の手の形を褒めているのに、今まで私の手の形なんて気に留めたこともなかったとショックを受けたようでした。

私は、そんなの指輪を買ってもらうためのリップサービスだよ!と思いながらも、ヤキモチらしきものが垣間見える彼がかわいらしくて、(笑いが堪えきれず)プルプルしてしまいました。



さて、気を取り直し、二度目の指輪選びに行くことができたのは、今年の夏のこと。

仕事の都合でまだ一緒に暮らしていないことや、外出自粛が求められる中で、なかなかタイミングが合わず、5月に入籍してからも指輪は用意できずにいました。
夫の友人の結婚式のときに、夫がこちらへ来るタイミングで、ようやく指輪を選ぶことに。


最初の指輪選びが難航したので、私は、ちょぴり心配していました。
私は、楽しく指輪を選べますように、とそっとお祈りします。

お店は、午後からの予約だったので、その前にお昼ごはんを食べることにしました。

画像6

夫のテンションを上げてお店に向かおうと思っていたのに、つい私の好きな食べ物を選んでしまいました。

でも、そのお店で、夫にも、テンションの上がる出来事がありました。

なんと、夫の着ていたTシャツとお揃いのお花が飾ってあったのです。

大好物を食べた私と、お花を見つけてルンルンになった夫は、高揚した気分のまま、指輪屋さんへと向かいました。


一度指輪屋さん巡りをしていたので、買いたい指輪のイメージは決まっていました。

もう入籍していたから、婚約指輪はいらないし、結婚指輪は飽きのこないシンプルなプラチナ素材のものにしようと話し合っていました。


私たちは、どのような指輪を選んだのか。

結果からお話ししましょう。

当初の予定とは、まったく異なる指輪になりました。

私の結婚指輪は、ピンクゴールドの華やかなデザインのものになりましたし、婚約指輪は要らないねと話していたのに、いま私の手元にはキラキラの指輪もあります。

それは、お昼ごはんのときに高揚した気分のせいかもしれないし、お店の方の営業マジックによるものかもしれません。


でも、一番の要因は、指輪の下見以来、夫が「私の手を褒める」というスキルを手に入れたからのような気がします。

夫は、お店に着くなり、こっちもかわいい、いや、あっちもかわいいと次々に指輪を勧めます。
その様子を見ていた店員さんも、「もうひとり店員さんができたみたいですね」と言って笑っていました。

そんな中、試しに婚約指輪もつけてみたら、と店員さんと化した夫に提案されます。

夫が、これをつけてみてほしい、と指差したデザインは、私も惹かれるものでした。

婚約指輪というと、大粒のダイヤがついたものをイメージしますが、その指輪は華やかさがありながらも、繊細で可憐なデザイン。

嵌めてみると小さなダイヤが連なっているデザインに、花冠のようなかわいらしさを感じました。

(わぁ、かわいい!)と心の中で思いながらも、婚約指輪は買う予定ではなかったので、私はそっと指輪を外そうとします。

ところが、そのとき、隣で夫が、「この指輪、買います」と店員さん(本物)に言いました。

心の中を読まれたみたいでびっくりした私は、婚約指輪は買う予定ではなかったし、いらないよ、と遠慮しながらこそこそと耳打ちします。

夫は、「似合うから、買ってあげたいんだよ。このキラキラの指輪をつけて、これからもたくさんデートに行こうね」とにこにこしています。

一度目の指輪選びのときにぐずっていた夫とはまるで別人のように、二度目の指輪選びには余裕がありました。

婚約指輪というと、ドラマや映画では、ヒロインの予期せぬタイミングで、プロポーズとともに受け取ることが多いですが、私の婚約指輪も予期せぬタイミングで受け取ることになったのでドキドキしました。

そして、実際に嵌めて、似合うよと言われながら、プレゼントしてもらうのもうれしいなと思いましたので、これからプロポーズしようと思っている方はどうぞ参考に。


指輪を購入した日の夜、その場では決められなかったので、指輪に刻印する言葉を二人で考えました。

私たちの結婚指輪の裏には、14文字刻めるということだったので、「Dolce far niente」と刻印してもらいました。
なにもしない幸せをずっと感じられるように。


キラキラの婚約指輪は、5文字まで。
夫から、「cherish(大切にする)」ってイタリア語ではなんていうのと尋ねられたので、「amare」かなと答えると、ちょうど5文字。
ずっと(夫が私のことを)大切にするよってことかな、とふくふくした気持ちになったのですが、夫からは「(私が)ずっと指輪を失くさずに、大切にしてくれますように」という意味だと言われました。
…はい。

私は、指輪も、指輪を買ってくれた夫のことも、ずっとずっと大事にしたいと思います。


先日、指輪が完成したので、最後にお披露目。

まずは、キラキラ指輪から(商品としては、婚約指輪なのですが、婚約のタイミングではなかったことから、夫がこう呼んでいます)。

画像3
画像4

手に嵌めるとこんな感じ。

画像5


結婚指輪(左が夫のもの、右が私の)

画像6
画像7


夫とは、まだ離れて暮らしているのですが、この指輪を見ると指輪を買った日の記憶が蘇ってきて、ついにやにやしてしまいます。

指輪って、お守りみたいですね。

早く夫にも指輪を届けたいな。

この記事が参加している募集

#買ってよかったもの

58,807件