自己否定はいつから始まった？

おととし、生まれ故郷の島根に帰ったときに実家のものを大量に整理しました。

処分するもの。置いていくもの。持っていくもの。

幼稚園の頃のアルバム。表紙は真っ白の無地。当時の私は絵を描いて表紙を完成させました。

私は小さい頃から絵を描くことが好きで、ほぼ毎日描いてたし、色鉛筆や、7色ボールペンとか10色ボールペンが大好きで、1枚の絵に全色使って描いたこともあります。

このアルバムを見つけたとき、この状態ではなかったんです。

文字が書いてありました。私の文字。書いたのは私。

このアルバムの表紙を完成させた私…から数年後の私がこの表紙を否定してる言葉を書いてました。

「下手くそ」「バカな絵」

否定の言葉を書いた私…から約30年後の私＝今の私がこの言葉を消しゴムで消して、この状態に至ります。

うっすらと文字の跡と消しゴムのカスがついてしまってる。

「それにしても、なんであんなこと書いちゃったんだっけな？猫とかかわいく描けてるじゃん」と思いました。

この表紙を描いた当時は、下手くそと思ってなかったです。きっと。描いた絵を母に「見て！」って見せたり、絵を描くことが大好きだし、絵を描くことが好きな自分が好きでした。

大人になっていくにつれて、「謙虚」や「謙遜」という空気を知り、言葉を知り、覚えていきます。

自覚はなかったけど、私は謙虚と謙遜と自己否定を混同していたように思います。そして「ひがみ」や「嫉妬」も芽生えるようになってました。

友達が素敵な絵を描いてると悔しかったし、かわいいノートや筆箱を持ってる友達が「この間買ってもらったの」と見せてくれると羨ましさのあまり「何それ、自慢？」とか思ってました。あの頃はやたらと筆箱にこだわってたね…学期が変わるごとに貯めたおこづかいで買ったり誕生日プレゼントにねだったりしたな…（脱線）

「わ！これすごく上手に描けた！」と思っても、そして「上手だね」と友達が言ってくれても、嬉しさより「自慢してると思われたくない嫌われたくない」って気持ちが先行して「そんなことないよ。こんな下手くそな絵！」と言ったこともあったっけ。。
嫌われる→仲間外れにされる→孤立するという展開を学んだからなぁ。けど私の小学生時代は、クラスのリーダー格みたいな良い意味で目立つ子が「嫌う人」や「お気に入り」のローテーションのようなものがあって、どう気をつけて行動したところで結果は変わらなかったと思うんだよねwww
今ならそれもわかるけど、当時の自分にとってはその環境が全世界のようなものだったから、必死だったかも。小学校3～4年生って苦しかったなぁ。いやぁ、いま笑って書けるようになってよかった。(脱線)

恥ずかしさとか、人に「下手くそ！」って言われると傷ついちゃうから、その防御として自分で下手って言って否定してたのもあったかもしれません。

謙遜や謙虚は悪いことじゃないですけど、自己否定と混同してたり、行き過ぎると自己否定になってることって珍しくないと思います。このことは私自身ではなく、人と接したときによく感じていました。
新卒で入ったクソ会社(言い方)に2年一緒にお仕事した臨時職員さんがいたんですけど、笑顔は素敵だし言葉や姿勢も優しいし、仕事も丁寧で早いしお話してていつも楽しくて、正直にそのことを伝えてたんですけど、その方は「そんなそんな、私なんか」とおっしゃってました。
「私なんか」という言葉を聞くたびに「そんなことないですよ」と言い、心の中で「なんで？こんなに素敵なのに…」とほんのり悲しくなってしまったことを覚えています。
自己否定っていうのは周りの人も悲しくさせてしまうってことですかね…。本当に素敵な人だったのよ。お元気かなぁ。

PMSと怒ることについてお話したマッサージ師さんに「日本人が思ってることをあまり言わないのは、日本っていう環境は言わない方が得をするってことがわかってるからだよね。外国は主張する方が得をする。むしろ主張しないことの方が危機にもつながるから、言う、伝えることを大切にしてるんだよね」と言われたことが印象に残ってます。

出る杭は打たれる、という言葉がありますが、とても日本人らしい言葉かもしれません。出過ぎた杭に…という言葉もるけど、出てようが出過ぎてようが個性だよ打たなくていいじゃ～んって言葉にしたいくらいです←

もちろん、出てない杭もきちんとしてるっていう個性です。

30過ぎたここ数年で、人に対して抱いてた「ひがみ」や「羨ましさ」って尊敬や認めてるってことが根底にあるなって思うし、めちゃくちゃ嫌だった「嫉妬」っていう感情は自分自身の可能性や伸びしろだって知ったから私まだまだ自分の絵の可能性を信じようと思ってますいぇぇ～～～～い٩( ᐛ )و

当時の私が描いた黄色いチューリップがiPhoneの絵文字にちょっと似てるから並べてみた笑