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Diarays「Mirror Play」

いつぞやの白い靄の中にまた出てきた。そして、記憶に新しい真っ黒な扉が変わらずにそこにあった。しかし、前に比べて細かく見ると前とは少し違う、気がするのである。不思議と「前」よりも緊張はない。
前と似た古いもの特有のぎいいい、がっがが、最後にがたっという鈍い音。覚えのないはずなのに、なぜか「来たことのある気がする」暗い書店。本が前よりも増えているようだ。知らないのに、そんな感想が頭に浮かんだ。
続く回廊にも、敷き詰められた本にも、目を奪われる。ふと見上げると、天井は果てない星空の様であった。ただ暗いだけではない何かであった。
そうこうしていると、奥から、
「いらっしゃいませ。」
見えない奥のカウンターから声。聞こえた方に視線を合わせようとする。やっぱり、はっきり見えないのである。けれども、居てはいけないという警戒の念も感じられない。どちらかというと懐かしい、何とも形容し難い心地を覺える。
「こんにちは、「また」読んでもいいですか?」
店主と思しき人物は「どうぞ」と手を差し出してくれたので、お言葉に甘える事にした。どういう訳かそうしてもいいんだという都合のいい解釈をした。初めて、訪れたのに。妙に安心して居られる。

手に取ったのは、
yalp rorriM
と書かれた一冊。

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ヌアーーーーーッッ!反転できんかった。心残り。

そんなわけで、こんにちは。
また、ボーマスお邪魔してきました。二回目です。場所は同じだったのですが、前回よりもさらに出展された方も訪れた方も増えているのではと思いました。実際、本当に増えていたらしいです。来年は、また一層盛り上がるのかなあと頭の片隅でぼんやり考えてしましました。入場できるのが午前と午後で分かれていて尚且つ既に支払いが済んでいるかどうかで分けてタイミングを分割しているみたいでした。ごちゃごちゃにならなくてちゃんと整然としているの凄いと感じました。ちゃんと整って列を作る来訪者の方々も素晴らしい!ってなりながら、方々に歓喜して回りを見てました。基準、規則、案内にちゃんと則ってってしている所、日本だなぁなんて感慨深くなってしまいました。変な人にならない程度に。なってないはずと思いたい。

今回も忘却書店さんへ、行きました。ShardとMirror Playを購入しました。Mirror Playは随分前のCDのようでした。動画になっているものあれば、音源のみのそうでないものの音楽が記録されているみたいでした。YouTubeのリリースで聴けますが、購入ならでの「おまけ」はまさにCDだからこそって感じがします。
ご活動を始められて12年、凄い!Shardはその記念のミニアルバムのようです。なんとおめでたい!新しいものも素敵でしたし、これまでの曲からアレンジされたものも、雰囲気を変えるとこういう風になるんだと刺激になりました。12年、並大抵のことではない継続力に脱帽です。

と言いつつ、今回このnoteで書くのは、もう一方のMirror Playです。クロスフェードの動画の日付を見てみたら、2013だったので…なんと10年前だったことを後から知りました。たまに日付を確認してみると思いも寄らない事に当たるのもあるんですね。これまたおめでたいことです。
こちらのアルバムの中には既に投稿した作品の重複があるので、それに纏わる楽曲は割愛させていただきます、悪しからずご了承いただけますと幸いです。全部書いてみたい気持ちのあったのですが、なんかそれもつまらないなーって思ってしまったので、3つ(4っつ?)私の独断と偏見でピックアップして書いていきます。聴いていない状態って、おみくじとか宝箱を開ける前みたいにちょっとした未知との遭遇という感じがします。なので、全曲挙げると自分から見てみようというのが無くなってしまう気がして、個人的に気が咎めてしまいました。

マジェンタ&バベルサーカス

この二つは同じ方が動画を作成されていることと、バベルサーカスの途中に「magenta return」と書かれているので、同じ世界線の話の続きかなという気がします。歌詞も映像も大変忙しいので、一回で全部把握するのは難しいです、どちらも。なのに妙に気になってしまいます。バベルとは旧約聖書に出てくる「バベルの塔」からと、サーカスは日本語でいう所の「見世物小屋」というのを合わせているのかなと感じます。組み合わせがユニークで、なるほど!ってなる所が多かったです。本当「サーカス」でした。
おまけマジェンタの歌唱はLillyとMAYUで、オリジナルは初音ミクとGUMIの組み合わせです。これも何やら意味がありそうなって一人ぼやいています。

「Ib」-forever-

素敵な美術展の物語です。ご存知の方はフリーホラーゲームがぱっと浮かばれることでしょう。各々の持つ薔薇の色もメッセージ性があって惹きこまれます。テンポやメロディーがピアノアレンジされたバージョンのagainというのもあります。もともとはIAが三人の役をひとりで熟して歌われているオリジナルからあります。派生しているとも言えるかもしれません。三曲ほぼ同じ歌詞から構成されてますが、雰囲気はまるで別物ですので、聴き比べをしてもいろんな発見があると思います。皆さんはどのバージョンに心動かされるのかな。メアリーの早口パートは口が追い付けそうにありません。
forever三人がそれぞれのロールで歌っているのが微笑ましかったです。一人三役でももちろん凄く良いです。真ん中を向いて、笑顔に各の雰囲気があって想い方がストレートに刺さってくるようです。本編では見られない永遠の笑顔なのが、いいです。真ん中のイヴが前を向いて、両隣が彼女を大事そうに手を包み、握り返すのが想っているよと表すようで美しいです。

ソラオト感覚少年

最初聴いて、とっても爽やかな曲!!ってなりました。最初のドラムのバッチで3回叩く所から楽しいです。軽音とかで弾き始めする前に、ワン・ツー・スリー!ってする元気な感じがそのまま表れているようです。歌詞は通しで聴くと、青春してて眩しい、楽しそうーっというのを思いました。空の色が特定ではないけど、澄み渡る青の様でも日が落ちるまでの夕空のようでも星空のようでもあって綺麗だなと感じました。
一番のサビ歌詞が英語から入って驚きました。「Tuning in the sky」空と音が同調、の発想が素敵です。空と音を合わせる、波長と見る。面白い!!!って一人大変感動して、頭も心も追いつきませんでした。どうしよう、楽しい。素敵だ。二番のサビの直後のギターの音のソロになります。音楽全然わかりませんが、ここの跳ねるみたいな音が好きです。言葉じゃない音を言語化する難しさにいつも顔が歪んでいます。此処のこと!聴いて!くらいしか誘導できなくて悶えています。なので、聴いてください。

ちなみに、この曲ともう一つREALというのは、CDに収録されている曲でMVはありませんが、頭の中で自由に音楽を追う事ができるという仕組みだと思っています。

改めてMirror Play10周年おめでとうございます!
手に取る事が出来て、良かったです。Diaraysさんの1stと2ndのアルバムは既に終売となっているので、ありません。この3rdもいつまでなのかは、わかりません。ただ、こちらもYouTubeの動画やリリースの中で聴けます。凄い時代です。CDなどの媒体が無くても、音楽はあるんだって知ることができた気がします。聴けるし、そっちならほぼ無料なんだけど、それでも手元にって思ってしまうのはなんなのでしょうね。今の私にそれを言語化する力はないけれど、いつか言えるのかな。
全てという訳ではないけど、この現象も流れなのかなという感覚を知る事ができたと思います。前半で書いたのを繰り返しになりますが、購入での「おまけ」は本当に買った人ならではの特権だと思います。一人で聴くも、さらに誰かに聴いてほしい人と聴くも、BGMに通しで流すもシャッフルで聴くもなんでもござれ、だと思います。気になった方はぜひチェック、してみてください!

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今日も今日とて、「時間だ。」を知らせる感覚が、伝ってきた。もう、去らなくてはならないんだろう。もう少し、もう少しと此処に残っていたいような気もするのに、そうもいかないらしい。読んでいた反転された文字の本をそっと元の場所に返す。きっと、また靄が晴れた時には、忘れてしまうのだろう。どうしてか、そう思えて名残惜しくなってしまう。

「ありがとうございます、店主さん。そろそろ、行きます。」
「はい。またのお越しをお待ちしております。どうか、」
店主の顔はずっと見えない。それでも、声は穏やかなのはわかる。
「「どうか」?」
「   」
今回は扉から出るのではなく、底が抜けて落っこちるタイプのようだ。急激な浮遊感に見舞われた。そして、真っ暗闇と対面した。落ちる瞬間、ぱきんとガラスの割れるような音が耳に残った。
嗚呼また、続きは聞こえなかったなと心の片隅で悔やんだ。けれども、口の動き、区切りは前よりもはっきりしていたと思うのである。11文字の言葉からなる、なにか。ノイズになって判別できなかった、こちらへのメッセージ。

目を開けると、窓の外は薄暗い。今日は、雨のようだ。ぱたぱたと雨音が耳に入ってくる。
「なにか、言われた気がしたけど、なんだっけ?」
寝起きのぼんやりした頭で、夢の央で起きた事を覚醒させようとするが無理であった。薄っすらと目が覚める前の口の動きだけ記憶してる限り、真似をしてぱくぱく動かしてみる。だめだ、さっぱりである。
窓ガラスが反射し、鏡のようになっている。そこに映った自分は一瞬だけ涙が流れている、ように見えた。雨だからかもしれない。

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忘却日記 記事;


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