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言葉のとおり

こんにちは、たけのこです。
ASDの小4長男とボーダーの小2次男、発達凸凹のキテレツで楽しい彼らとの日々を綴っています。

今日は、言葉のとおりに受け取る話について。



部活にて

ASDの定番?ではと思いますが、我が家の長男も言葉のとおりに受け取ります。

こないだ、長男の部活を見学していたときの話です。

コーチが生徒さん方に熱心に指導しているとき、長男だけ明後日の方向を見てぼんやりしていました。しょっちゅうそうなんです、天井や照明を眺めています。

どう見ても全然話を聞いていないふうに映ってしまうので、案の定、コーチから「話聞いてんのか!」と指導されていました。

指導されたところで長男は心ここにあらずで、繰り返されるたびにコーチの指導の声は大きくなります。私は気が気でなく、毎度のことですが見ていられませんでした。


言葉のとおりに受け取る

部活の後、長男に「話を聞くときは、話している人の目を見るんだよ。そうすると、話を聞いているんだなって相手にわかるから」と伝えました。

そして数日後、また部活の日がやってきました。

「話している人の目を見る」話を覚えていた長男は、コーチが話すたびにコーチの目の前までわざわざ行き、一生懸命にコーチの目を見ています。

不自然なくらい首だけ少し前に出して、コーチの目とその周辺を下からのぞき込んで注視。

傍から見ていてコレじゃない感が満載!つらい……!


盲点に気づき微調整

こういうことは前に何度かあったのですが、そのときは狭い教室内でのことだったので、距離については特に話しませんでした。

でも、広い体育館で「目を見る」を思い出して、長男は距離感がわからなかったんでしょうね。だからわざわざ、自分が教室で先生の目を見ているように、コーチの近くに行ってまじまじと見つめたのではと思いました。

部活の後に長男には、話を覚えていたこと、実際に行動して偉かったことを最初に褒めました。その後に、体育館のような広い場所の場合は、体と頭と目線をコーチのほうに向けるだけでOK。「集まれ」と言われたときは集まればいいと伝えました。

すると、長男は「なんだ、目を見なくてもよかったんだね!」と。

誤解がありそうだったので、「先生のほうを見るときに、君がいる場所から動かなくてもいいから、顔と目だけじゃなく体も先生のほうを向けるといいよ。体って全部ね、へそを先生のいるほうに向ける感じ」と話したら少し納得したようでした。難しいな、へそだけ前に出さないかが心配です。


当たり前を求めない

私が普段当たり前にやっているコミュニケーションは、長男にとっては言語・非言語ともにどちらも相当高度な技術です。

いくつか前の記事の「気遣いはF難度」でも似たような話を書きましたが、どうしても私は自分のコミュニケーションスタイルを標準にしてしまいがちです。細やかに確認したほうがいいなと改めて思いました。

長男には「当たり前」の壁がたくさんあり、壁に当たるたびにひとつずつ伝えていく必要があるでしょう。気づきの多い毎日です。


余談

ここからは余談ですが、前に長男に「お母さんのいいところってなに?」と質問したことがありました。

私が予想しつつ期待していた答えは、優しい、親切、かわいい、きれい、などです。でも、長男の回答は「車で前の席に座っていること」でした。

長男から見て羨ましいところじゃないの!と拍子抜けしました。でもふと、「お母さんのいいところ」という質問自体が漠然としてますもんね。質問の仕方が悪かったんだな。

とんちんかんなコミュニケーションが多くて、長男本人というより周りが困ることが多いのですが、これもまた独特で味わい深いものです。

いくつもの壁を越えて彼が大人になったら、冷や汗をかくような今の出来事もいい思い出になるかもしれません。



今日も読んでくださってありがとうございました。

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大変なことの多い発達凸凹育児ですが、今日もちいさな喜びや楽しさがありますように。

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