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ニューヨークでのオフィスリターンの話。

今日、ニューヨークは気温が15度近くになり、ようやく春の兆しを感じるようになってきました。パンデミックも収束が近いか、マンハッタンの街もようやく活気が戻りつつある感じがしています。平日、街に人が戻っているということはオフィスに人が戻りつつあるということでしょう。

オフィス復帰指示

私の会社も例外ではなく、上層部から3月からはオフィスに復帰するよう”命令”が下されました。個人的にはオフィスで人と顔を合わせて働くことは大好きなほうなので、朗報といえば朗報ではあったのですが、以前のオフィスとは全く違うことがありました。

ホテル方式

オフィスの再開の際、オフィスの席に関してはホテル方式(Hoteling) という、いわゆるフリーアドレス製で毎回席を予約しなければならない方式に変わりました。現在の時点では、自分のチームのメンバー全員が会社に来ることはまだないのでよいですが、もし全員戻った場合チームみんなで近くに座ることは不可能です。これは極めて不便です。

ニューヨークを去った人たち

そして何より問題なのは、過去2〜3年の間、ほぼ不可逆の行動・決断を取った人も多い、ということです。数人は実家のある西海岸に戻りました。パンデミックが終わったから帰って来て、ということも現実的には無理でしょう。

通勤という非経済・非効率


また、パンデミックの間全員フル・リモートの状況で仕事の効率は決して下がらなかったり、通勤の手間やお金が省けたという事実があったのです。ニューヨークでは、ほぼ7・8割の人はニュージャージーやコネチカット、ロングアイランド、ウェストチェスターといった別の州またはニューヨークの中でも遠方から通勤しています。日本と違って交通費は自腹で、そういうところから来る人たちの一日の交通費は2〜3000円くらいかかります。こういった事実を踏まえれば、戻ってこいといわれても戻りたくない、という人が多くても不思議ではないでしょう。

会社・チームの地域的分散

パンデミックでフル・リモートという状況の中、会社も”乗るしかない このビッグウェーブに”スピリットで大量にリモート採用をしました。私もラトヴィアからチームメンバーを採用しました。西海岸からも採用しました。

時計の針は戻らない?

上層部の人たちの”創造的な仕事は対面から生まれる”というモットーですが、言いたいことはよくわかります。しかし、不可逆な決断を取った人たちや圧倒的効率を3年間享受した人たちを以前の働き方に戻すにはそれなりのインセンティブ(おしゃれなオフィス、フリーフード、フリー・ドリンク、社内ジム等) を企業・行政またはオフィスビルが提供しない限りは難しいでしょう。

ハイブリッドモデル = 最強?

ただ、一つポジティブになるべき点は、この稀有な出来事でオフィス勤務とリモート勤務の2種類の違う働き方の是々非々を知ることが出来て、おそらくいいとこ取りのハイブリッドを追求できるのじゃないかな、とは個人的には思います。

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