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どこかへ消えた夫③(取り立て屋編)

夫が消えた後、事情を知った私の両親が、子供達と一緒に家に来なさいと言ってくれました。
家を担保にしていたので、どのみち引っ越さなければならなかったのです。

引っ越しの準備をしている最中も、家に債権者・取り立て屋が度々来ます。
強面の人達が来るというのは、本当でした。(実際は優しい人達だと思います)

夜中にもインターホンがなります。

何度も鳴るので、近所の人にも迷惑がかかりますし、子供達ももちろん怖がっているので、勇気を出してインターホン越しに出ました。

その時の私は、気丈に振る舞っていたと思います。

「すみません、ずっと夫が帰って来ないんです。私も居場所を知りたいんです。本当に申し訳ありません。夫がご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません。お名前を教えていただけますか?本当にすみません。本当にごめんなさい…」

というようなことを繰り返し言っていた気がします。

やっとやり取りが終わった後、緊張しすぎていたのと、恐怖と子供達への申し訳なさと、夫に対しての怒りでずっと子供達と泣いていました。

実際に返せない借金をした夫が悪いわけで、行き場のない感情をどうしたらいいのかと、どん底にいた気持ちでした。

それ以降、来訪者へのトラウマなどで、夜中は微かな電気だけでビクビク過ごしていました。

これは現実なのか、こんなサスペンスドラマのようなことがあるのかとよくわからない心情でした。

今でも、夢の中で追い詰められていて、早く抜け出したいです。





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