『秋の長歩き週間』2日目

金木犀の香りがする。2週間程前にも一斉に金木犀が咲いたのだけど、今日もまた咲いた。いや、正確には昨日から仄かに香りがしていた。だが、まだ蕾であった。それが今日になると、橙色の話に変わっていた。誰も居ない、物音のしない朝の街に、香りが漂っていた。そんな時間が、比較的長く今日は続いた。あまり人の居ない道を歩いていたと云う点がまずある。そして、今朝は東の空に雲があった。その雲が、日光を隠していた。その諸々の影響で、辺りの風景が数時間変わらなかったのである。

先日本屋に行って、講談社学術文庫の棚を眺めていて、そうしたらふと新刊の欄に面白そうな仏教書があるのに気が付いて、次に読む本が決まっていなかったから、なんとなく、と云った気持ちでその仏教書を購入した。そうして、今日はその仏教書を、歩きの合間の休憩時間に読んでいたのだが、なんとなく、で購入したのが申し訳無い程、その内容が面白い本であった。これもまた先日、大変期待をして購入した本があって、それは難し過ぎて投げてしまった事を思うと、まあ、世の中こんなもんかと苦笑いをしてしまう。兎も角、今日は休んでは仏教書を読み、歩き始めてはその本の内容を考察し、の、その繰り返しをしながら、堅田駅まで歩いた。

そんな調子で道中のスーパーのイートインで読書をし終えて、さて目的地までもう少し、と思いながら腰を上げ、そのスーパーを出たら、もう随分と真上に近い位置にある太陽の光が、とても暖かかった。暑かったのではない。休憩中に汗で冷えた身体に、日光が染み入ったのである。この感覚を覚えて、私は大変嬉しくなった。ああ、暑さの根源だと思いあれ程憎かった夏の日光はもう去ったのか、と思った。決して気温の低い日ではなかったものの、そんな些細な感覚の変化もあり、俄に冬を感じたのであった。

おまけ

昨日よりほんの少し距離は短い

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