夏の記憶 24/07/26

きっと、夏休みなのであろう。天に向かって登ってゆきそうな入道雲が数多く浮かんでいる真昼の空の下、公園では小学生達が遊んでいる。自転車に乗って元気に移動をしている子等もいた。毎週ボランティアで通っている子供食堂に顔を出してくれる子等も、今日は遊んでいるのだろうか。子供の頃、夏休みは何時までも続くような気がした。暑さで疲弊するという事も、無かったように思う。私の人生も段々と汚れてきた。汚れる前の人生というものを俯瞰してみると、そこの主人公は別人のようであった。青い。この言葉に尽きる。しかしながら、10年後にはこの日記を読んで、また思うのだろう。青い、と。

私は、汚れてしまったがばっかりに、精神科医に世話になっている。今日はその通院日であった。その通院の終了後に、二日酔いを覚ます為にも、灼熱の太陽の下で散歩へ行こうと思ったのである。もくもくの入道雲も、その上のあまりにも大きな空も、その時に見た。二日酔いでエンジンがかからない身体には、丁度良い喝が入った。道中、田んぼがあった。もうかなり伸びた稲が青々しかった。私は急に、嫌いであった中学の部活動を思い出した。あの時は何故、あんな炎天下で走れたのだろうか。田んぼの底にある僅かな水が、懐かしかった。思えば、今でも私は、水を求めるという時の気持ちの原点はあの時の部活動の時まで遡れるのかもしれない。私はただ、この稲が綺麗な秋の色になるようにと願った。

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