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のぐ地久三事務所の養鶏コンサルタントをしています。養鶏業界に携わり20数年が経過し鶏や…

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のぐ地久三事務所の養鶏コンサルタントをしています。養鶏業界に携わり20数年が経過し鶏や農場を見ている方々とのたくさんの出会いがありました。養鶏技術は門外不出というところも多く、人が育ちにくい世界とも言います。もっと役立ち参考になる情報を多くの方々に発信していきたいと思います。

最近の記事

農業景況調査(令和5年7月調査)から見える本音と建て前 透けて見えるまだ気づきに至らないこと

日本政策金融公庫が農業景況調査を行い、人材育成をテーマに調査をしました。 農場を見ている者からの私見ではありますが、本音と建前が透けて見えたと感じます。 畜産業のうち養鶏を専門に見ておりますので、その分野についてお話しします。 調査は本年7月採卵鶏100の企業について行われています。 日本政策公庫を利用している企業になりますのですべてではありませんが、農林水産省が公表している畜産統計調査令和5年2月時点のうち採卵鶏農家は約1690戸といわれますので、全体の約7%の声となり

    • 現役並みの給与を支払うとは 技術職は必要なことかもしれません

      労働人口が少なくなっていく現代では、今いる従業員をいかに長く定着して働いてもらい農場を維持していくかが課題のように見えます。 最近は大手企業でも60歳定年以降の給与水準を59歳時点と同じで雇用していくという話も聞くようになりました。 皆さんの農場では就業規則を定めている農場もあると思います。 常時10名以上の従業員を使用する使用者は労働基準法第89条により、就業規則を作成し所管する労働基準監督署へ提出することになっています。 多くの農場ではこれに該当することから、作成は

      • 人材確保とは何ですか 岡目八目の意識

        養鶏の仕事をするうえで必要な人材を確保するにはと伺うと、多くの方は作業員を潤沢に確保すると言います。 農場には作業員がいてそれを監督する立場にある管理者がいます。 これは例外はなく、どの農場にも必要になる配置です。 多くはこの作業をする作業員がいつも不足しており、とりあえず頭数を集めることに躍起になっているという感じです。 日本人であれば良いが、外国人技能実習生も確保数上限までいかに集めるのかという流れではないでしょうか。 そして監督立場の管理者は少し前までは経営者がこ

        • 鶏卵不足と見通しはどうか 鶏卵の供給には何が必要なのか 数か人か

          全国でまん延している鳥インフルエンザですが、すでに国内餌付けの1割に当たる数の鶏が処分されています。 最近は販売価格が高いことで、店頭での消費者の声を取り上げたり、加工向け商品の提供が減少・見合わせをしていたりと、鶏卵がないことを取り上げる機会が増えてきています。 15日現在、全国25道県で1478万羽の被害となりました。 ご存じの通り令和2年度の大流行987万羽を超えています。 すでにピークは越えているとされていますが、発生農場の大規模化による1農場での防疫数は過去最大数を

        農業景況調査(令和5年7月調査)から見える本音と建て前 透けて見えるまだ気づきに至らないこと

          鳥インフルエンザの発生が深刻化しています 消毒措置は確実にそして継続して防ぎましょう

          9月より野鳥からの検出が始まり、例年より早い養鶏場からの検出が危惧されていましたが、10月下旬から立て続いて発生が確認されています。 一部の県では、9月の野鳥検出と同時に消石灰の配布を開始しています。 これも例年より早い光景です。 皆様の農場でも、消石灰や鶏舎へのウイルス持ち込み遮断措置の強化をされていることと存じます。 11月4日現在の養鶏場発生規模は5例となり、 ・10月28日岡山県倉敷市採卵鶏農場17万羽 ・10月28日北海道厚真町肉養鶏農場17万羽 ・10月31日

          鳥インフルエンザの発生が深刻化しています 消毒措置は確実にそして継続して防ぎましょう

          8月のスーパー売上高は前年比0.6%増 畜産物は5か月連続の前年割れです

          日本チェーンストア協会が発表した8月のスーパー販売統計を公表しました。 それによれば、先月に比べ総販売額はわずかに上昇し、行動制限がない8月は衣料品、住居関連品の販売が好調であったとされます。 食品は、外出機会(旅行や帰省)が多かったことで苦戦していると分析しているようです。 気になるのは食料品で先月比97.1%で、外出機会が多いことだけなのか気になるところです。 私たちの畜産品は先月比94.6%と5か月連続の減少です。 畜産品は、牛肉、豚肉、鶏肉の精肉、鶏卵、ハムやソ

          8月のスーパー売上高は前年比0.6%増 畜産物は5か月連続の前年割れです

          猛暑も治まり秋への準備を始めましょう

          今年は梅雨明けが早く猛暑日もありました。 6月に梅雨明けし、すぐの猛暑は私たちだけでなく鶏達も苦労しました。 一気に個卵重2g程度まで下がるという農場もあったことでしょう。 その後、夏日や猛暑日が続き8月10日までの8月猛暑日になった地域のうち、 東京は5日間で昨年2日より3日多い、福岡市は9日で昨年4日より5日多い、大阪市は5日で昨年7日より2日少ないとなっています。 10日までに集計ですから、この先次第では、多くの地域は昨年を超える日数になるかもしれません。 降水量も

          猛暑も治まり秋への準備を始めましょう

          飼料価格の高騰とヒナ価格の上昇が始まっています

          全農は配合飼料価格を7月より9月までの価格を現行と比べ1トン当たり11400円の値上げとすることを発表しました。 大きな要因として、コーン相場が現行期と比べ1ブッシェル1ドルの上昇がみられ、為替も急激な円安に振れました。 3月にはおよそ115円台から6月の現在値135円まで進み円安は20数年ぶりの安値が更新されており、米国と日本との金利差が広がり、金利のない円を売り、金利が見込めるドルを買うという流れが続いていますし、投機筋が円売りをして更なる円安を期待しているとも言い為替

          飼料価格の高騰とヒナ価格の上昇が始まっています

          配合飼料の形状でコスト増をやわらげることは可能なのか

          配合飼料が最高値更新を続けています。 7月からの配合飼料価格は畜種平均価格11400円の値上げとなっています。 養鶏用飼料の平均値は8万円台後半から9万円になるものが多くなり、食下量が下がる時期とはいえコスト増を軽減できるできる金額ではありません。 秋以降(10月以降)もコーンは生育次第、コーン争奪次第により動くと思われますし、投機筋が多く入り円安傾向がさらに進むともいわれ一番読みづらい状況です。 輸送コストも不明で、原油相場の秋以降は北半球が暖を取るために引き合いが増える

          配合飼料の形状でコスト増をやわらげることは可能なのか