野川

短歌を詠んでいます。  短歌→ @nogawatomoki

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最近の記事

[映画]ゴジラ -1.0

『ゴジラ-1.0』感想の時系列殴り書きです。 すべてネタバレなので鑑賞後にお読みください。 ・あ、神木君か!髪が短くて一瞬分からなかった。 ・青木崇高ちょっと怖い人? ・うおー!ゴジラめっちゃ怖いー!! ・「神木君は十分トラウマ抱えてるからもうやめて」と「この人も精神が錯乱するほど辛い目にあったのだ」をワンシーンで伝える安藤サクラはやっぱりすごい ・みんな大好き浜辺美波 ・なんて魅力的な乗組員の皆さん ・ボロ船に理由があって良かった ・とにかく腕は良い敷島(※神木隆之介の役

    • [アニメ]『進撃の巨人』最終回

       『進撃の巨人』の最終回を見た。映画『シンドラーのリスト』の直球のオマージュがあった。虐殺される人々がモノクロで描かれる中、泣きながら運ばれる赤ん坊だけがぽつんと赤い。  「イェーガー」というドイツ語の名を持つ、壁に囲まれた街で育った少年の話。漫画を始めた時も、アニメの演出を決める時も、こんな世界情勢の中で放送されるとは知る由もなかっただろう。  エレンとアルミンの場面は原作と台詞が変わっていた。これで良かったと思う。  世界観を壊しそうな雑なコラボやギャグに、逆に強い意志

      • 短歌研究2022年7月号座談会をめぐるあれこれについて

         短歌研究2022年7月号の第65回「短歌研究新人賞」座談会の記事、その後の選者斉藤斎藤氏のtwitterスペース(音声コミュニティ名称、以下スペース)、twitterについての個人的見解です。  私の立場は「非応募者で雑誌購入者」です。  本稿における引用はすべて前述の雑誌より引用しています。 1.経緯  2022年6月22日、発売直後の「短歌研究」誌における第65回「短歌研究新人賞」座談会のP.51の画像が応募者によってtwitter上にアップされ、斉藤斎藤氏の発言へ

        • 20220622スペース感想

          斉藤斎藤さんの2022年6月22日のスペースを聞きました。 正直私は突っ込みどころしか無かった。 炎上には加担したくないです。けれど、TLの「スペースを聞いたら言わんとすることはわかった」という雰囲気を見ていて、こういう感想を持った人間がいるという記録は残そうと思いました。 以下、雑な箇条書きメモです。 1回しか聞いていないので引用は間違っているかもしれませんが、2回は聞きたくないというのが本音です。 ■テーマが被ると損  ⇒ 知っています。 ■社会的な言葉ではなく個人

        [映画]ゴジラ -1.0

          子供の短歌_2020年7月

          2019年から2020年7月にかけて、twitterで発表した短歌を推敲したものです。 食パンの歯型に船を見る子供 こっそり海へ漕ぎ出す私 「beautiful」見知らぬ異国の人が言う 眠る赤子に注ぐ福音 駆け回る子供とそれを追う大人 山に稜線 空は快晴 目を伏せる睫毛の扇の柔らかさ 幼い人は美しい人 泣いている鼻が垂れてる子を前に 私は気づけば無になっている 祝日に同じ目鼻をくっつけた親子が行き交う二重螺旋を 短冊の願いに私と「あそびたい」 少し逃げ出したくも

          子供の短歌_2020年7月

          [映画]パラサイト 半地下の家族

           ※ネタバレを含みます。  どうしてもネタバレを目にする前に観たくて、無理矢理足を運ぶ。めちゃくちゃ面白かったです。生活が変わって全然映画館に足を運べていないけれど、20代で「オールドボーイ」「殺人の追憶」「オアシス」を続けて観た頃の「韓国映画すっっっげえええ!!」って気持ちを思い出しました。  半地下のジメジメした家に暮らす、無職、留年の4人家族。彼らが社長一家が暮らす高級住宅街の邸宅へ家庭教師として、運転手として、一人また一人と入り込んでいく、これが物語の始まりです。

          [映画]パラサイト 半地下の家族

          「被害者がいる犯罪」の加害者が出演した作品の公開について思うこと

          ※2022年6月追記  2019年当時に精一杯考えて書いたつもりの文章だが、映画監督が自身の現場を利用した行った性暴力の報道が続き、お蔵入り等の致命的な制裁がない限り業界は変わらないのではないかとも思うようになっている。正直答えが出ない。いずれにせよ被害者の意思が一番尊重されるべきだと思うのは変わらない。 新井浩文被告の判決が出た。俳優としての彼について思うことは山程ある。「青い春」痛いくらい鮮やかな青と黒、そしてミッシェル・ガン・エレファントの「ドロップ」。「ジョゼと虎と

          「被害者がいる犯罪」の加害者が出演した作品の公開について思うこと

          生活の短歌_2019年12月

          2019年10月から11月にかけて、twitterに発表した短歌を推敲したものです。 光浴び柑橘の肌かぐわしき 空の青さを背景にして 若者でただ滑稽だったひたむきで それきり袖を通さぬブラウス ただ一人として並びし映画館 幸福である珈琲を飲む 半身をどこかで忘れたような月 レモンの歌を口ずさむ夜 零すまい睨む瞳に張りつめる 痛々しきは自尊心である 葬式でドリップバッグの珈琲を貰った ようやく今飲んでいる 荻窪の果てにも在りし地平線 高架と平行移動している球面

          生活の短歌_2019年12月

          都市の短歌_2019年11月

          2019年10月から11月にかけて、twitterに発表した短歌を推敲したものです。 雨が夏に突然緞帳を降ろす朝 オーケー、分かった、降参だ 街灯が 濡れたアスファルトを照らす 僕らは魚の腹の上を滑る 戻れない昨日と今日の断層に 高揚を隠さぬ電脳白夜 音楽と匂いと湿度で思い出のオーバードーズだ 禁止が必要 身体に親切を設定・実行したい 優しさもなく感情もなく 電飾が彩る知らない人の家 マッチを売りし少女を思う 祝日に同じ目鼻をくっつけた行き交う親子 ふふふと笑う

          都市の短歌_2019年11月

          生活の短歌_2019年10月

          2019年9月から10月にかけて、twitterに発表した短歌を推敲したものです。 内臓が 喉にせり上がってるような顔 電車に 会社に 潜む人外 旅に出たつもりでアイシャドウを選ぶ 雲母や砂金を瞼に広げ 意を決し 口を挟むと止む会話 長縄跳びが苦手な気持ち 夜明けまでやり過ごすのだ 精神の墓標のように並ぶ酒瓶 記憶よりSNSのアイコンが あの人を上書きしている淋しい ライナスの毛布のようにくたびれたスウェットの上の無精髭の他人 中央線 ご乗車中の皆様へ 今朝は富

          生活の短歌_2019年10月

          子供の短歌_2019年10月

          2019年9月から10月にかけて、twitterに発表した短歌を推敲したものです。 バナナ!ノリ!アンパンマン!ママ!アー!アー!アー! なんてか細い世界の補助線 いつのまに 君は言葉がわかるのか 本当は今まで隠してたのかい 生きているだけで 楽しそうな妹を じっと見つめる3歳の姉 蜜のように 西陽にまみれた日を思う 幼子と見る夕日は乾いて 子を乗せてゆっくりと漕ぐ 薄紫染まりゆく街 目を細める月 腹減った 泣いて喚いて怒る子よ 決して手放すな君の生きる力だ ハ

          子供の短歌_2019年10月

          空と天気の短歌_2019年10月

          2019年9月から10月にかけて、twitterに発表した短歌を推敲したものです。 夏空を冷まして澄まして高くして 思いきり手をかざしたら秋 街角は祭囃子に華やいで 獅子笑う ヒョットコ笑う 空笑う 三日月にS字フックを引っ掛けて ひょいと捨て置く あの事もこの事も 台風が過ぎて空だけ青すぎて 誰もが異邦を旅する出勤 排ガスと雨の湿りを吸いて知る 私の肺の空洞の形 都会でも紅く燃え上がる夕がある 影絵のような黒いビル群 寂しさに街が沈んでいくようだ 月に寄り添う

          空と天気の短歌_2019年10月