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空と天気の短歌_2019年10月

2019年9月から10月にかけて、twitterに発表した短歌を推敲したものです。


夏空を冷まして澄まして高くして 思いきり手をかざしたら秋

街角は祭囃子に華やいで 獅子笑う ヒョットコ笑う 空笑う

三日月にS字フックを引っ掛けて ひょいと捨て置く あの事もこの事も

台風が過ぎて空だけ青すぎて 誰もが異邦を旅する出勤

排ガスと雨の湿りを吸いて知る 私の肺の空洞の形

都会でも紅く燃え上がる夕がある 影絵のような黒いビル群

寂しさに街が沈んでいくようだ 月に寄り添う宵の明星

塩のようにパラパラ秋雨 小魚のようにピチピチ 小さな長靴

家にさえ籠もれば安心 幻想を抱き続けていたいのだけれど



細く長く続けて、いつか作品をまとめられたらいいなと思っています。 応援していただけたら嬉しいです。