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都市の短歌_2019年11月

2019年10月から11月にかけて、twitterに発表した短歌を推敲したものです。


雨が夏に突然緞帳を降ろす朝 オーケー、分かった、降参だ

街灯が 濡れたアスファルトを照らす 僕らは魚の腹の上を滑る

戻れない昨日と今日の断層に 高揚を隠さぬ電脳白夜

音楽と匂いと湿度で思い出のオーバードーズだ 禁止が必要

身体に親切を設定・実行したい 優しさもなく感情もなく

電飾が彩る知らない人の家 マッチを売りし少女を思う

祝日に同じ目鼻をくっつけた行き交う親子 ふふふと笑う

薄曇り緋いコートが目を染める 街に花束を差し出すような

細く長く続けて、いつか作品をまとめられたらいいなと思っています。 応援していただけたら嬉しいです。