【ソーシャルデザイン】すまさと構想(スマートふるさと)(2) 〜直島とデザイン思考から考える地方再生

日本経済の社会課題として、地方再生が叫ばれている。そこで、"すまさと構想"として、スマートふるさとで持続可能な地方再生に取り組んでみたい。
今回は、過疎化する島からイノベーションを起こした直島について、結果論からとなるがデザイン思考を用いてその原理を抽象化して、地方を救うヒントを探る。

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■Issue 課題

まずは、すまさと構想で考える社会課題を振り返る。
・住人不足 ・企業不足 ・資金不足
のデフレスパイラルである。詳細は第1回を参照いただきたい。
ここでは、過疎化を防ぐために、観光で人を集めて、資金を稼ぐところから始める。

■Empathize / Define (共感 / 定義)

直島は瀬戸内海に浮かぶ島であり、主要な駅、空港から、電車、フェリーを乗り継いてやっと辿り着ける。上陸しても、島内はバス、徒歩で移動を重ねる必要がある。かなりの不便なところであり、観光で人を集めるのはかなり困難である。
そこで、顧客目線で共感することを考え、逆にその「不便さを体験価値に変える」ようなものはないか?を追求する。
島までの道のりをただの移動手段で無く、地方の雰囲気、豊かな自然を体験し、ワクワク感を高める事ができる。そして、辿り着いた島は、都会の企画展のような人混みの中でチラ見するのではなく、少ない人の中で時間をかけて味わって体験する事ができる。そして、そこまで苦労して得た体験は、プレミアム感が出てくる。

■Ideate (発想)

上記で定義した「不便さを体験価値に変える」ようなものを考えることはかなり難しい。離島ほどの不便さは中々のものであり、強い力が必要である。
そこで発想されたのがアートの力である(結果論であるが)。特に、現代アートの本質は体験価値であり、まさに不便さの体験も含めてアートと感じてくれる人々が存在すると、仮説が立てられる。

■Prototype / Test (プロトタイプ / テスト)

ここからは直島の歴史にもなるが、ベネッセハウスから、家プロジェクト、地中美術館…と徐々に作品や美術館ができてきた。また、犬島、豊島といった他の島へも広がり、瀬戸内国際芸術祭(トリエンナーレ)へと発展していった。

■結論

結果として、世界中から直島に人々が訪れ、観光として資金を落としてくれた。また、島民も働き口が増えると共に、アート、観光者と一体化した文化を築くことができている。この文化形成は、直島成功の主要因であろう。
そして、アートとこの島を好きになってくれて、移住してくれる人もいる。
・住人不足 ・企業不足 ・資金不足 への逆転の錬成陣が成功している。

それぞれの地方によって、状況、魅力は様々であるが、この体験価値を生み出すアートに変わるもの(アートでも良いが)を考ることが、地方再生のヒントとなると、私は考える。


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