組織開発(4):満足度から幸せへ
昨年12月はバタバタしていたので、1か月ほど間が空いてしまいましたが、今年も少しずつ事業経営に関わるテーマを中心に投稿していきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
さて、新年初回のテーマは「働く人の幸せ」についてです。
成長の未来図
1月3日の日経新聞に「成長の未来図➁」に、これからの経営においては働く人の作業効率を測定するテイラーシステムから「知の競争」で勝ち残るために「心の資本」や「社員の幸福度」を高めることが重要になってきていると書かれていました。
これまで、組織開発について3回Upしてきました。現在の注力点は社員の「働きやすさ」から「働きがい」へ、「社員満足度」から「幸福度」へと変わってきていると述べましたが、この記事の話とも一致しています。
幸福度を測定する
この記事でもう一つ注目したのは日立製作所のグループ会社「ハピネスプラネット」が取り上げられていたことです。
Google がプロジェクト・アリストテレスで「心理的安全性」を導いていったように、国内でも日立製作所フェローの矢野和男さんが立ち上げた働く人の幸福度を可視化する研究事業会社です。
この話のベースになっている矢野さんの書籍「予測不能の時代」を昨年読んで、単なる理想論、精神論ではないデータ分析アプローチに関心しました。
ベースとなるのはスマートホンやウエアラブル・センサーを使った呼吸や心拍数、体の動きなどを細かく計測した測定データ。
そこから導き出されたのは、経営価値を生み出す幸福感「心の資本」を生み出すのは「HERO」を頭文字とする4つの能力だそうです。
そして、心の資本を支える幸せな組織のコミュニケーションには
Flat(フラット)、Improvised(即興的)、Non-verbal(非言語的)、Equal(平等)の4文字からとった「FINE」の特徴があるそうです。
noteにも、7回にわたって本書「予測不能の時代」のまとめをされている方がいらしたのでリンクを貼っておきます。
マズローの欲求5段階説 6段目
さて、満足度から幸福度への流れの中で思い出したのが「マズローの欲求5段階説」です。
1段目の生理的欲求に始まり、4段目の承認欲求から最後5段目の自己実現の欲求に昇華されていくことは皆さんご存じかと思います。
ところが、今回のテーマでふと気になって少し調べたところ、
実は最後の自己実現の欲求には「超越的でない自己実現欲求(創造的活動)」とさらにその上の「超越的な自己実現欲求(至高体験)」の2つに分かれるとマズローは晩年に言っていたそうです。
超越的な自己実現というと少し小難しい感じがしますが、私としては自己実現を自らの成長(自利)のみに求めるか、社会や他者への貢献(利他)に置くかの違いにあると捉えました。幸福感をつきつめて考えていくと仏教の精神にも近づいていくのかもしれませんね。
次回はこの流れから最近話題の「パーパス」について考えてみたいと思います。
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