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からだとこころ|体感

パニック発作の経験から思うこと、
身体は敵ではありません。

でも発作が起きてしばらくは、「いつまた身体がおかしくなるか、怖くて不安だから一生乗り物に乗れないかも」と、本気で思っていました。

まるで、
いつ爆弾が落ちるか分からないパワハラ上司のような、
いつもは静かなのに突然キレるDV彼氏のような、
身体のことを、そんな存在として捉えていました。

本当は怖がる必要なんて無かったのに、パニック発作のような強烈な経験をすると、勝手にそう思い込んでしまうんですね。

今日は、わたしがパニック障害を克服した話を、もう少し説明してみます。

「自分の本当の気持ちに気付く」

これを邪魔しているのが、わたしたちの思考です。
思考って厄介ですよね。左脳は休むことなく動いてグルグル考えてしまう、現代人あるあるです。

思考に邪魔されず、身体を味方にするには

身体に声を与えて、未完了な感情を感じきる。


みなさんは「体感」ってどのくらい分かりますか?

五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)は分かりますよね。
この五感は、外部領域を知るために使う感覚です。自分の外で起こること、たとえば「どんな景色かな」「どんな商品かな」「初めて食べる料理はどんな味かな」と、外部の世界の情報を取り入れるための感覚です。

そんな五感とは違って、内部領域を知るための感覚があります。
簡単に言えば「お腹すいたな」「眠いな」という身体の感覚、そして、「悲しいな」「嬉しいな」という精神の感覚。

【外部領域 → 内部領域】

●「どんな景色かな」と駅から出て青空を見る →「気分が明るくなり、ゆるむ感覚」
●「どんな商品かな」と柔らかそうなブランケットを触る →「うれしくて胸が弾む感覚」

この → の後の感覚が、内部領域の感覚です。

外部領域から内部領域の感覚の変化が理解できたら、次は、外部領域の情報と内部領域の感覚を切り離してみます。

たとえば、外部領域
(内部領域の感覚はちょっとお休みして)
いま目の前に広がっている視覚情報「部屋が汚い」

✕ 部屋が汚い → 落ち込む → 自分は片付けられないダメ人間
◯ 部屋が汚い → それだけを受け止める(気分や思考と関連付けない)

事実はただあるだけです。見えたものは見えたまま言い切るだけ、箇条書きにしていく感覚です。理由付けは全部お休みにすること。

そして次に、内部領域
(外部領域の感覚はちょっとお休みして)
リラックスできる状態で、身体や精神の感覚を感じます。

✕ 腰が痛い → 昨日より痛いかも 
✕ お腹すいた → いつもならこの時間は空腹ではないのにな
◯ 腰が痛い → そうなんだね(何も関連付けない)

事実はただあるだけ。事実から思考へ引っ張られないよう、事実だけを観察します。内部領域の感覚「腰が痛い」、ただそれだけ。

わたしはこの内部領域は、痛みや不快感、悲しいなどの「不快」な感覚はよく分かりますが、逆に「快」な感覚はあまり分かりませんでした。ですが、だんだん「快」の感覚もよく分かるようになりました。

そして内部領域の感覚を研ぎ澄ますと、声が聞こえてきます。はじめは「胸のザワザワが、なんとなくこう訴えてる気がする」くらいのかすかな感覚。その声を大切にすると、未完了の感情が突然溢れ出してきます。

自分の内部領域をよく分かってあげるには、日々の小さな感覚を見過ごさないことです。コツコツと感覚センサーを育てていって「身体」と「精神」の感覚をキャッチします。

事実なのか、自分が勝手に繰り広げている思考なのか、それが区別されて分かるだけでも大きな収穫です。思考に邪魔されないって、こういうことの積み重ねですね。


身体やこころに問題が起きたら、答えを教えてもらうのではなく、自分で対応できるようになっていきたいものです。でもわたしは、苦しいとき、なぜ苦しいのか答えが知りたくて知りたくて、誰かに教えてほしくて必死でした。

情報がありすぎても、何が自分に合っているのか分からなくて、途方に暮れるような気にもなりました。心療内科に行った方がいいのか、お医者さんの言う通りにしたらいいのか、ストレス解消って何をしたらいいのか・・・。

いまもパニック発作で悩んでいて、心細く思っている人がいたら、決して一人じゃないと信じてほしいです。あなたの苦しみが分かる人には出会えるし、これから先、苦しみから脱却できた自分を褒める、そんな日も来ます。

あなたなりの脱却方法はきっと見つかります。そのためには「身体」というわたしたち人間に与えられた最強のパートナーに思いやりを忘れないことです。ずっと味方でいてくれたあなただけの「身体」は、問題解決の大きなヒントを与えようとしてくれているのです。

発作や症状がほんとうの問題ではありません。「身体」と「精神」の声を聞いて、本当の自分に近づいていきましょう。

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