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美容師の日常のこと

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髪の毛のことが日々、気になります。
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公園にて最後のカット。

最後のカットはパンツルック。 カッコよくなりすぎるので、あえての滑り台。 なんてないシーンもポージングで動きをつける、さすがのモデルさんです。 目が見えるか見えないか、それだけでムードがかわります。 森林に行ったり、部屋の中で撮ったり、公園でとったり、 シチュエーション、洋服、空気感、光、いろんなことが勉強になりました。 カメラの個性も知ることができたし。 そして1日お付き合い頂いたモデルさんには感謝です。 それではまたの機会に。

鏡に映る自分。

今日来たお客様が沖縄に就活しに行くと言った。 今は前職をやめ有意義なフリータイムを過ごしているそうだ。 そして今度は沖縄で就職すると。仕事のために住む場所を決めていたが、住む場所を決めてから仕事を探すことをしてみたいとも言った。 次の住む場所は石垣島で考えているそうだ。 確実に東京都の時間の流れな違うのだろう。それを羨むのは東京で仕事をしているせいでもあるのだけど、向こうには向こうの時間軸があり、東京と比較するからこそそこに価値を感じてしまうという錯覚みたいなものある

普通にいいね、を壊していく。

ざっくりと、 ときには雑な感じもいいのかと。 多分、几帳面な方にた難しいのかもだけど、 几帳面でない自分にとっては、その時の雰囲気でシャッターを押すことがいいときもある。 なんだったら、誰がカメラの前を歩いてもらうみたいな。 そうすると、カッコよいモデルさんも決め決めな感じが崩れてくれるような気がする。そっちの方が写真を撮っていて楽しい。 普通、当たり前をいかに壊していくか、そこが今後のテーマでもある。

それぞれが考える。

写真を撮る事に集中し過ぎて、気にすべき髪の毛をおざなりにしてしまっていた事に気づいたとき、分業する事のメリットを再確認した。 カメラ、ヘア、メイク、衣装、モデル、それぞれのプロフェッショナルが、見るべきところ、触るべきところを考える事がより質の高い作品ができるのだと。 時にこのように背景をもつ人もいたりするのだ。 ※※※ さて、さて450日連続でnoteを触ってきたが、連続でなければいけないという変なこだわりを一度お休みするか。 書けるときに書きたい事を書く事にして書い

色を言葉にする。

色を言葉で表現することは容易ではない。 なぜならば、色の存在には光や空間、その時の温度感や空気感があって初めて色を表現できると思うからだ。 別に哲学的なことを言いたい訳ではないが、色って言葉次第でどうにでも変われるような生き物のようなものだから、 そっと言葉を色に乗せてあげることで、見る人のイメージを膨らませてくれるものだと信じている。

撮影日は天候に恵まれることが大切。

近所の公園にて撮影。 今回はスタッフは自分も含め3名。 メイク、アシスタント、そしてカメラの自分。 いつも来ている近所の公園だけど、モデルさんを立たせての撮影ともなると、普段とは違う視点になり、浅めな呼吸、違う香りがしてくる。感度が敏感というか、いい絵を探す目になるというか。 なんてない場所でもモデルさんが立つことでストーリーが生まれる。 隠し撮りをするようなイメージで隙間から、遠くからファインダーを覗いてみる。 暑くなる前のこの季節、緑も生い茂りいいシチュエーシ

配色欲。

カラーデザインを考える時にいくつかの選択肢を持つようにしている。構築するうえでの要素や引き出しをいくつか用意するみたいな。 その中でも自分の中では外せない要素はある。要素と言えばなんだかデザイナーぽいが、自分の場合、病の発症のように起きる感覚だ。 それは どうしても左右を合わせたくなくなる病と、 どうしても黄色を配色したくなる病があいまって、 よせばいいのに、もう一色配置したくなるような、配色欲が湧き上がる次第でございます。

デザインの神様はいつ降りてくるのだろうか。

来週の月曜日に業界誌の撮影を控え、モデルさんのヘアカラーデザインをどういうアプローチで臨むかを何度もシミュレーションを行う。 絵(写真)としての強さ、カラーデザインとしての強さ、かっこよさ、誌面に紹介する上での説得力、どれも手を伸ばしもっとも良いところまで持っていきたいと欲張ってしまう。 それは決して悪いことではないのだけど、たまに欲張りすぎてしまう時もある。そんなんときは満足のいかない結果が待っていたり、「2兎を追うもの1兎もえず」状態になってしまう。 撮影日までは残

空気

ある人が、言った「空気」。 ある人は絵を描く人だ。 カメラと被写体の間にある「空気」がいらないと。 自分が絵を描くときに目の前には「空気」はないと言った。 初めは何のことだかわからなかった。 物質的な意味合いで酸素のない状態のことなのか、そこには匂いを感じるものなのか。 想像するけどその空気というものが何を示していて、どのような結果をもたらしているのかわからなかった。 絵画やイラストを記録のための写真を撮影する場合、その空気は必要のないものになる。 「スミとシアンを1

The Rolling Stones〜新社会人と転ぶ石と苔の話

ある月曜日の朝、その日の夜行われる新入社員歓迎会で述べるかもしれない、店長からの言葉をイメージしてみた。 何か励みになること、ためになること、気の利いた言葉でもかけてあげたいと思う。 月曜日の朝はきまってTRAVELING WITHOUT MOVINGだ。野村訓市氏のラジオ番組である。 毎度たくさんのリスナーの悩みや、質問にタンパクかつ愛情少々、皮肉たっぷりの答えを聴くのがなんとも楽しい番組である。もちろんチルな音楽も必聴です。 あるリスナーからの質問。 「The Rol

毎日人物を撮影することでわかることがありそうだ。なのですきあらば、カメラを持ち出す。

いい男というものはシャープにピントを合わせても、 少々ピント浅めにしてぼかしを入れても カラーでも、白黒でもいい男なんだと認識させられる。 カラーをした女の子、 パーマをかけた男のこ すきあらば、みんなを撮影させてもらう。 それはこちら側が「ちょっと撮らせてよー」といって撮る方が自然な行為になるような気がするが、 「撮って欲しい」と言われて撮るとちょっと不自然な空気感でしかシャッターが押せないような気がしている。この感覚がどんなものなのな、素人の自分には説明づけ

人の気配、残像、景色に色を足す〜③

カラーリストになるということ、 なったことで変わったこと、 そして最近感じることを書いてみました。2600文字くらいあるので、3回に分けます。 ✴︎✴︎✴︎  コロナ禍で、これまでの日常は変化した。  誰もいない街、誰もいない駅のホーム、だれもいない公園はどこか色褪せ、グレーな世界に潜り込んでしまったように感じた。  それは写真のモノクロの世界ではなく、ほんのり色味を感じるほどの色褪せた世界だ。そんな中全ての人が国内に留まり、日本を出ることができていない。まだ1年とわ

人の気配、残像、景色に色を足す〜②

カラーリストになるということ、 なったことで変わったこと、 そして最近感じることを書いてみました。2600文字くらいあるので、3回に分けます。 ですので、よろしければ①からお願いします。 ✴︎✴︎✴︎  東京に出てきて美容室に勤め、絵画を見に行くようになった。それは色への欲求が幼少期の反動のように出てきたものだと自分では正当化しているが、それはただの詭弁である。  反動なんてたいそうなものではなく、ただ単純に興味関心が出ただけだ。色に突き動かされてしまっていた。人間、

人の気配、残像、景色に色を足す〜①

カラーリストになるということ、 なったことで変わったこと、 そして最近感じることを書いてみました。 全部で2600文字くらいあって長く感じてしまいそうなので3回に分けます。 ✴︎✴︎✴︎  全てがグレーだったあの頃、赤色を選ぶという選択肢すら持ち合わせていなかった。    色を感じたという記憶をたどるとそんなに思い出せない。記憶の中にカラフルが存在しなければ、配色という言葉もない。なぜならば幼少期から十代の頃、色を意識して生活はしていなかったし、色に触れるのは小・中学校