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空気

ある人が、言った「空気」。
ある人は絵を描く人だ。

カメラと被写体の間にある「空気」がいらないと。

自分が絵を描くときに目の前には「空気」はないと言った。

初めは何のことだかわからなかった。
物質的な意味合いで酸素のない状態のことなのか、そこには匂いを感じるものなのか。
想像するけどその空気というものが何を示していて、どのような結果をもたらしているのかわからなかった。

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絵画やイラストを記録のための写真を撮影する場合、その空気は必要のないものになる。
「スミとシアンを10%無くすくらい」と表現していたか。
「コントラストを少しだけあげるよう」とも言っていたか。
「ヘアを見せる時にはその空気は必要ですよね」とも付け加えた。

その時になんとなくその「空気」という意味が理解できた。

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カメラマンによってその「空気」の濃さや纏わせ方が少し違う。
写真を撮る人ならば、その空気というものが必要で加工や画像処理をしているのでないだろうか。

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だからそのある人は、撮影後データをもらった後に少しだけその空気を抜くそうだ。
コントラストを少しいじり、スミとシアンをひく。そうすることでクリアなホワイトを出すことができるそうだ。
よりクリアにフラットに撮ることでその空気を無くすことができるそうだ。メディアや本に乗っている絵画やイラストなどの写真は、実際に目で見た色とほぼ近いものになっているはずだ。



ヘアを撮影するときは、雰囲気やムードみたいなもの、そして女性像がしっくりあうように写真の「空気」を考える。
被写体が何かによって「空気」の捉え方がどうあるべきかを学ぶことができた。

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短い前髪、風になびく毛先、夕暮れ時の優しい光、

クリアなディテールが曖昧なほど、「空気」を纏うことにもなるのだろうか。

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