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The Rolling Stones〜新社会人と転ぶ石と苔の話

ある月曜日の朝、その日の夜行われる新入社員歓迎会で述べるかもしれない、店長からの言葉をイメージしてみた。
何か励みになること、ためになること、気の利いた言葉でもかけてあげたいと思う。

月曜日の朝はきまってTRAVELING WITHOUT MOVINGだ。野村訓市氏のラジオ番組である。
毎度たくさんのリスナーの悩みや、質問にタンパクかつ愛情少々、皮肉たっぷりの答えを聴くのがなんとも楽しい番組である。もちろんチルな音楽も必聴です。

あるリスナーからの質問。
「The Rolling Stones」のRolling stoneの意味を野村さんはどう解釈しますか?」と。

直訳では「転がる石」。この転がる石にどんな意味があるかなんて、名前としてしか認識していなかった自分は考えたこともなかった。
でもそこには意味があり、そして発見があった。

野村さん的な解釈は、転がる石には苔はつかない。常に動いていくことが良いのではないかということだった。
おや、この感じの話題はもしや店長からの言葉として引用できるではないかとニヤつき目論む。

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早速、Googleで検索すると丁寧なことわざ解説に行きあたる。
リンクを勝手に貼らせてもらいますので、詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。↓


Rolling stone gathers no moss
「転がる石に苔(コケ)むさず」

そしてスピーチ用に必要最低限で抜き出してまとめてみる。

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このことわざにはイギリス的な見解とアメリカ的な見解に違いがあるらしい。

イギリスや日本では苔を悪い風には捉えていなくて、苔は同じ環境に長時間いて初めて良い苔が生える。またそこには根付きません。
石の上にも3年とありますが、やたら動かず変更せず、我慢して耐えることに美徳の考え方になります。

アメリカでは転がる石には苔がつかないので、いつまでも新鮮で変化に富んでいるようなプラスのイメージで捉えています。どんどん積極的に変化してそれにより良いものを加えて変化していく考え方です。

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変化すること、動くこと、活動的なこと、新しいことに価値を見出す傾向にあり、日本やイギリスのようにじっとして動かないで耐えて待つのは重要視されないみたいです。


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ちなみにThe Rolling Stonesの名前の由来は以下の通りだそうです。知らんかったー。↓

少し前にThe Rolling Stonesのメンバーがあるインタビューで語っていました。「初めは3年も続けばいいかなと思ってやっていたけれど、いつの間にか50年も続けていました」。これってまさにRolling stone gathers no mossですね。「石の上にも3年」の精神です。最初、日本人は、このクループ名を単なる石ころ位にしか思っていなかったのですが、実はこのグループ名はA rolling stone gathers no mossからだったんです。


さてさて歓迎会を控えているわけである程度の知識を入れ込んだ。

流石に全ては覚えきれないが、イギリスとアメリカでの捉え方は違いがあり
どちらが正しいというよりはどちらも正しい、と自分は勝手に解釈することにした。

人の出入りの多い美容業界である現実。憧れて入ってみたけど、雑用ばかり、1日ハードな仕事で疲れてくる。隣の芝が青く見える現象を2年目で受け始める。友達の話を聞いて、休み、給与などの待遇の良さを比較してみる。信念を持って働かないとその環境でスタイリストデビューしようと思わないのが現実なのかもしれない。


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店長としてはせっかく入社したのだから、やり切って欲しいという願いは持ち合わせているし、いい美容師に成長させたいとも思う。

社会人なりたての新社会人には長く同じ環境に長くいること→すぐに辞めるのではなくその環境にいて揉まれることで習得できる何かを得ようとすること、そしていい苔を自分に身につけようと。
そしてアメリカ的なところをいいとこ取りすると、マンネリしやすい日常を苔に例え、苔のつかないほどに活動的になって欲しいなとも勝手に解釈する。もちろん古い考えだと言われればその通りかもしれないが、手に職である美容師という仕事は一朝一夕でできるものではない。なのでいい苔を蓄えていけるのがいい美容師になれるのではないか。

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ということを考えつつ、歓迎会の司会担当に今日の段取りを聞くと

司会担当「クイズやっておしまいです!」と、いさぎよい答え。

自分「え、他に想定外なことはないの?」一応遠回しに聞いてみる。でしゃばるのもなんなので。

司会担当「いやー他は考えていないです」とあっさり。


店長からの挨拶がないことに少しホッとしつつも、なんだよ、せっかくちょっとためになる話を用意したのにと思うことも。でもnoteの記事にでもするか。


と思っていたら、

結局最後に司会担当のノリみたいな感じなのか、締まりがないと瞬時に判断したのか、

司会担当「店長に最後締めてもらいましょう」

自分「おい、ないっていったじゃん!」

とまあ、一応1年目の若者に苔と転ぶ石の話をして個人的には大満足できた、という話でした。

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ちなみに挿入写真は全く関係ないものです。悪しからず。



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