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人の気配、残像、景色に色を足す〜③

カラーリストになるということ、
なったことで変わったこと、
そして最近感じることを書いてみました。2600文字くらいあるので、3回に分けます。

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 コロナ禍で、これまでの日常は変化した。

 誰もいない街、誰もいない駅のホーム、だれもいない公園はどこか色褪せ、グレーな世界に潜り込んでしまったように感じた。

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 それは写真のモノクロの世界ではなく、ほんのり色味を感じるほどの色褪せた世界だ。そんな中全ての人が国内に留まり、日本を出ることができていない。まだ1年とわずかのことだが、これがもし十年二十年続いたらどうだろう。もしかすると人が持つべき色彩の感覚が退化してしまうのではないかと想像してみた。

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 日本の原風景に懐かしさと親しみ感を感じれるのは日本人だけだ。カリブ海の青、北欧家具の優しい配色、砂埃のなかのサリー、夕焼けに燃える砂漠の色、これらはその土地、その時間に行って初めて体験視できるもの。色は見て感じて目と脳に記憶したものが全てだと思う。海外なんて行ったこともなければ、これから先行くこともないという方はいると思う。体験したことのある人にしてみるとアップデートできない故に感覚が退化するような感覚を感じてしまうのではないだろうか。

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 日々の生活の中で見慣れたものをもう一度よく見てみてみる。デザインされた世界に見えるか見えないか、見る人次第なのかもしれない。逆に何もない自然な景色にふと心奪われる瞬間があるかもしれない。

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 最近聞いてしまった内緒の話、数日前に言われた感謝の言葉、何気なく聞いた鼻歌、通りすがりの人々の会話、公園の子供たちの楽しそうな声、誰もいない何もない風景に記憶や情景を重ね合わせシンクロすることで日々が色づく感覚に触れることができると思う。海外へ行かなくとも、旅行へ行かなくとも日常にある景色を改めて感じてみる。

 
 心奪われたその瞬間、目の前に広がる景色に「色」というちょっとしたスパイスを加えてみよう。

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