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『エレベーター』ジェイソン・レナルズ(著)青木千鶴 (訳)

15歳のウィルは射殺された兄のかたきを討つため、銃を持ってエレベーターに乗り込んだ。自宅のある7階から地上に到着するまでの短い時間に彼が出会う人々とは……ポエトリーとタイポグラフィを駆使する斬新な手法で文芸賞を席巻した注目作、ついに日本上陸! エドガー賞YA部門、ロサンゼルス・タイムズ文学賞ほか多数受賞!

詩で書かれた小説。

しかし、詩である必然が感じられないかな。体言止めかと思ったら、次の行で続くとか、半端なタイポグラフィとか、読みにくいだけに感じた。
どうせなら、絵をふんだんに盛りこんで漫画調にすれば良かったのに、と思う。

内容は、復讐は良くないよ、という説教臭いものを予想していたが、ちょっと違った。まぁ結局は説教だが、逆説的でちょっと新鮮。

人を殺すため、8階からエレベーターで降りようとするが、各フロアで思いがけない人々が乗り込んできて、主人公を揺さぶってゆく。そこで目の当たりにする負の連鎖、醜悪な社会は、日本ではとても想像も出来ない悲しいものだった。

復讐するしない以前に、悪意で簡単に人が死ぬ銃社会こそ、根本的な原因だと感じる。アメリカはもう後戻りできないんだろうか? 落書きだらけだったニューヨークの地下鉄みたいに、蘇ったり出来ないものだろうか?


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