第十四章 真実の発覚!⑤
「ごめんなさい!」
玲が、あたしと珀ちゃんに素直に謝った。
珍しい……。
やはり、自分が悪かったと素直に思っているのだろうか。
学年中で、あたしと珀ちゃんは目立っていたけれども……。
「そうだよ。オレは、千尋と一緒に住んでる。もう、隠し事はしたくないから」
なあんて、珀ちゃんってば皆に宣言しちゃったもんだから。
更に更に、注目を浴びる事になってしまい……。
真奈や理子、萌も驚いてるし。
「マジ?!そうだったんだあ……同棲かあ」
「すごーい!けど、うちらにも隠してたなんて、千尋ったら……」
「仲直りしたんだね、良かった良かった」
皆、あたし騙してたのに……。
優しくしてくれて、ありがとう。
にゃんちも、本当にごめんなさい……。
――「へえ、そんな勘違いされてたの?ごめんなさいね、吉岡くんに迷惑かけるつもりは、全然なかったんだけど」
「いえ、舞先生が悪いわけじゃないですから。まあ、今となっては全て丸く収まったんで……先生にもオレ、色々迷惑かけちゃってごめんなさい」
「あたしは全然いいのよ。けど、良かった。相崎さんと山口くんは、お似合いのカップルよ。あたしなんかの為に、別れたりなんてしないで本当に良かった」
そう、舞先生は言ってくれた。
けれども、オレは舞先生を諦めなければならないと思うと、やはり正直辛い。
相手にもされなかったって、寂し過ぎるだろ。
舞先生とオレが付き合ってる、か。
その玲の妄想が、現実ならどれだけ良かったか。
そう思うと、少しだけ胸が苦しくなった。
そして、また我が家には平和が訪れたのだった。
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