今西規之|Talk and Design LLC

▼デザインスタジオTalk + Design代表 ▼Industrial Design…

今西規之|Talk and Design LLC

▼デザインスタジオTalk + Design代表 ▼Industrial Designer / UI Designer ▼魅力・顧客満足・利益を兼ね備えたサスティナブルな事業の創造支援に取り組んでいます。

最近の記事

先行開発と問い

こんにちは、デザインスタジオトークアンドデザインの今西(@no_imanishi)です。 今日はデザインリサーチ・UXリサーチに関わるお話しで、ここ数年、そうしたリサーチにも関わらせていただいている中で感じたちょっとした小話(あるいはエッセイ?反省文?)を書きたいと思います。 メーカーには先行開発というものがありまして…私は新卒から17年半、家電メーカー〜自動車部品メーカーにいました。ハードウェアを作っている会社(だけじゃないかもしれないけど)には「先行開発」という言葉が

    • UIとカラーユニバーサルデザインの小話

      視覚に関する話を前回・前々回と書いたのですが、今回カラーユニバーサルデザインについて、もっと実務に近づけるための思いなどについて書いてみたいと思います。 デザイナーは色弱・色覚多様性にどう向き合うか視力や視野には問題はないが、色の見え方が一般と異なるという方がいらっしゃいます。最近では色覚多様性という言葉も使われる様になりましたが、このテキストでは主に色弱と表現します。目の奥にある色を感じる錐体細胞の働きの違いによって、異なる色の見え方になるという現象です。 デザイナーと

      • 人間の色覚とUIデザインの小話

        先日業務の中でちょっと気になって、人間の色覚について調べていたのですが、逆にネット上に溢れてる色覚とUIの話が、カラーユニバーサルデザイン(人による色覚の差異)の話に偏っていて、ちょっと足りてない話が多い気がしたので、自分で書いてみることにしました。なんとなく、前回につづいての人間の視覚シリーズ2回目って感じです。 人の色覚は色を平等に扱わないカラーコーディネーターの教科書なんかを見てもらえれば載ってる話なのですが、人間の眼は、光の波長(つまり色)によって感度が違います。

        • 人間の視野とUIデザインの小話

          こんにちは、トークアンドデザイン合同会社の今西(@no_imanishi)です。 弊社で開発のお手伝いをさせていただいているような様々なデジタル機器を用いる時には視覚が重要な役割を果たしています。UIデザイナーとして視覚の特性についてしっかり理解しているかいうと、昔学校で習ったけれど…という感じになりがちです(なりませんか?)。視覚の中でも視野について、ちょっと復習をしたことをまとめたいと思います。 人間の視野についての基礎知識視覚が情報をキャッチできる範囲が視野ですが、

          組み込みシステムのユーザーインターフェースのデザインの話

          こんにちは、トークアンドデザイン合同会社代表の今西(@no_imanishi)です。 組み込みシステムと呼ばれるものがあります。家電製品や産業機器などの中で、特定の機能を実現するために組み込まれるコンピュータシステムです。PCやスマホといった汎用的に利用されるものと比べて、特定の用途に特化したシステムです。 「組み込み」という言葉を使うとその世界にいる人以外には馴染みのない印象になりますが、テレビ・デジカメ・カーナビといった家電も、街中に色々あるキオスク端末も、産業用途や

          組み込みシステムのユーザーインターフェースのデザインの話

          新商品・新事業の企画には、「失敗の許容」がどうしても必要だ…という話

          こんにちは、デザインスタジオトークアンドデザインの今西(@no_imanishi)です。 新商品や新事業に取り組む人にとって、失敗とはなんでしょうか。「失敗は成功のもと」というポジティブな言葉がありつつも、どちらかといえば、損失だとか、説明責任だとか、そういう話がちらつくのではないでしょうか。 なのですが、失敗こそが目標達成のための最重要ツールと思うに至ったので、お話したいと思います。 プロダクト開発に最も必要なものは「失敗」プロダクト開発において、最も怖れるべきことは

          新商品・新事業の企画には、「失敗の許容」がどうしても必要だ…という話

          デザイン組織の運営についてのいくつかの論点

          こんにちは、デザインスタジオトークアンドデザインの今西(@no_imanishi)です。 noteでしばしば、スタートアップのデザイン部門の組織化でこんな苦労しました…的なのを見かけます。すごいね大変だね…と思っていたのですが、よく考えたら自分もスタートアップでもデザインという名前の部門でもないにせよ、そこそこの人数の部署で、バラバラになりそうな組織をどうまとめていくかという課題にそれなりの苦労はしてきたはずなのでした。 組織の立ち上げや運営に、そんなに簡単に正解を示す気持

          デザイン組織の運営についてのいくつかの論点

          プロダクトを多言語展開するときの7つのヒント

          こんにちは。トークアンドデザイン代表の今西(@no_imanishi)です。 独立以前サラリーマン時代に、色々な立場で、多言語対応に関わってきたんです。 8言語(くらい)対応のデジカメ - UIデザイナーとして 3言語対応のOEMカーナビ - UIデザイナーとして 30言語くらい対応のコーポレートサイトのCMS立ち上げ、運営 - 推進リーダーとして 会社案内・環境・CSR報告書(冊子)を3言語で作り、その抜粋を10言語くらいでwebに展開する。- 翻訳PMとして

          プロダクトを多言語展開するときの7つのヒント

          「アイデア」とビジネスの幸せな関係

          こんにちは、トークアンドデザイン代表今西(@no_imanishi)です。 新規商品のアイデアを出したいとか、何かを改善するアイデアを出していきたいとか、そういったお話しをいただくことがあります。そういったお仕事の中で、「アイデア」のハンドリングについてその難しさは痛感しています。今回はビジネスにおけるアイデアについてまとめたいと思います。 ビジネスにおけるアイデアとは何か私の周りでビジネスにおけるアイデアといえば、新規事業のアイデア、新商品のアイデア、既存商品をより良く

          「アイデア」とビジネスの幸せな関係

          「おたくのシステム、UIがイマイチでは?」と言われたときのアプローチ考

          こんにちは、トークアンドデザイン代表の今西(@no_imanishi)です。 さまざまなシステムのユーザーインターフェース(UI)に関するお仕事をさせていただくことがありますが、実際のところ、新しいシステムの新しいUIを作るケースより、今あるシステムについて「顧客から不満の声が出ている」「競合と比較されて劣ると言われた」「営業部門からなんとかしてほしいと言われた」「トップから改善指示が出た」というような改善についてのお話が多いです。現実の開発現場では自律的に改善を動かせるU

          「おたくのシステム、UIがイマイチでは?」と言われたときのアプローチ考

          デザイナーが今、「色やカタチ」について考えていること

          こんにちは。トークアンドデザイン代表の今西(@no_imanishi)です。 ずっと昔からあった話ではあるのですが、デザイン思考の流行以降、「デザインというのは色やカタチのことだけではないのです…」という枕詞がすっかり定着したように感じます。 その言葉自体に異存はありませんが、色やカタチも扱う人間としては、まぁまぁそんなに壁を作らずに…という気持ちになることもあります。 ここでは、主に立体造形というかちょっと古風な工業デザインを念頭に、「色やカタチ」を扱う際に何を考えて

          デザイナーが今、「色やカタチ」について考えていること

          専業リサーチャーじゃない人のためのインタビューのコツ

          こんにちは。トークアンドデザイン合同会社代表の今西(@no_imanishi)です。 ユーザー/カスタマーのニーズを良く理解してプロダクトを作りたいというという(とても素晴らしい)ご意向から、インタビューでのリサーチに協力させていただく機会があります。オンラインミーティングツールが一般化して、かえって取り組みやすくなっている印象もあります。 インタビュー等のリサーチは、リサーチャーとして専業でされている方もいますが、企画者開発者が自分で実施するケースもあり、むしろ「自分でや

          専業リサーチャーじゃない人のためのインタビューのコツ

          商品やサービスの開発に、なぜターゲットユーザーの設定が必要なのか?

          こんにちは。トークアンドデザイン代表の今西(@no_imanishi)です。 自分も気づけば20年いろいろなビジネスに関わってきて、その間に世の中進歩したなと感じることも多い一方で、昔感じていた問題が今でも垣間見えて、大丈夫かな…と感じることもあります。 ここでは、大丈夫かなと思ったことの一つ、さまざまなプロダクトの開発の際に登場する、「ターゲットユーザー」(あるいはターゲットカスタマー、ターゲットセグメント)についてお話ししたいと思います。 ※カスタマーとユーザーはほん

          商品やサービスの開発に、なぜターゲットユーザーの設定が必要なのか?