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12. 3C、SWOT、STP、4P 5分で理解!その2

主要マーケティングフレームワーク、3C、SWOT、STP、4Pの理解のためのちょー簡単な覚え方です。その2、STPと4Pです。

耳にタコかもしれませんが、フレームワークは首尾一貫性が重要です。
3C→SWOT→STP→4P= 調査→評価→戦略→実行案
の流れ、前後関係を意識して、一般常識レベルの内容を理解しましょう。

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本noteは、ポートフォリオワーカー*になった、外資系IT企業マーケティングマネジャーによる、『初めてマーケティングを学ぶキミに伝えるマーケティングフレームワーク活用講座』の連載企画です。

*「ポートフォリオワーカーって何?」は、こちらを参照下さい。自己紹介とともに説明しています。

前回はこちら、最初から読まれる場合はこちらからどうぞ。
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STP

マーケティングの目的である、自社が誰に対してどのような価値を提供するのかを明確にするための要素、「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の3つの頭文字をとった効果的に市場を開拓するためのマーケティング手法
Source:Wikipedia

Segmentation:セグメント

顧客のニーズごとにグループ化した、ユーザ層、購買層
Targeting:ターゲット
競争優位を得られる可能性が高い、自社の参入すべき市場セグメント
Positioning:ポジショニング
顧客のニーズを満たし、機能やコスト面での独自性が受け入れられる方針

一言でいってしまえば、
「3C→SWOTで導き出した、顧客やペルソナのどこに的を絞り、自社の何を訴求するか 」です。

特定した顧客やペルソナに対する訴求ポイントの方向性、戦略、ベクトルの決定です。今後の具体的なマーケティングプラン、実行プランはその考えを反映したものでなくてはなりません。

4P

マーケティング戦略の立案・実行プロセスの1つである、マーケティング・ミックスの頭文字をとった戦略立案、実行プロセスのフレームワーク

Product:製品

製品、サービス、品質、デザイン、ブランド 等
Price:価格
価格、割引、支払条件、信用取引 等
Promotion:プロモーション
広告宣伝、ダイレクトマーケティング 等
Place:流通
チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫 等

ここも一言でいってしまうと、
「STPを実現させる具体的なマーケティング施策」
です。

当然、4P間の整合性や首尾一貫性も重要です。すべてがアライン(Align:揃っている)されていなければなりません。具体的なPromotionアクティビティの関連性などは、メディアミックスで考えなければなりません。

外資系IT企業の場合、Productは本社で作られているので仕様まで立ち入ることはできません。残りの3Pで考えます。この頃はPriceまで決められているので、考えるのは残りの2Pだったします。

4P+1Pとし、具体的な展開案に、PeopleまたはPackageも加えて考えるべきという内容も見受けられます。フレームワークなので、追加して考えたほうがいいなら追加すればいいし、不要なら追加する必要はありません。

いずれにせよ、具体的な実行案をより多く検討すれば、それだけ有効な方法に気づくことができます。最低限4Pは抑えましょう、と考えればいいと思います。

ところで、Placeは流通やチャネル、として捉えられることが多いのですが、ボクはここには営業戦略も入るべきだと考えています。個別のやり方は、営業マンに任せるとしても、直販でいくか、間接販売でいくか、はたまたオンライン販売のみで実施するかなどは4Pの一連の思考の中で考えるのが自然です。

多くの組織で営業部の力や発言力が強いので、As is(現状)の営業体制をベースに考えてしまいますが、3CのCompany/Competitor分析の際には、営業も要素の一つとして、また4Pでも営業を要素の一つとして考えるべきだと思います。

STP→4Pの一貫性は重要

#7で、プロダクトマネージャーであるボクが機能豊富な製品をアピールすると決定したのに、広報が勝手にセクシーな女性を使った広告展開をした話を書きました。マーケティングフレームワークの首尾一貫性を理解していないとこうなります。全く愚の骨頂です。論理的ではありません。

なぜこれが愚かなことか書きたいと思います。

プロダクトラウンチの流れ
プロダクトマネージャは、製品機能、販売体制、価格等々複数の視点から3C分析を行い、自社製品がそこなら勝てるだろうというSTPを練り上げます。脳みそにいっぱい汗をかきます。

そして、その内容を営業、技術、広報を含む関係部署に説明し、フィードバックを求めます。問題なければそれがその製品の販売方針となります。

その製品が競合他社よりも相対的に劣っていたとしても、ある特定分野である程度の販売ができ、会社が設定したゴールを達成すれば、それはそれで正解です。それを実現するために、STPを決め、営業戦略、狭義のマーケティング戦略(4P)をベクトルを合わせて実行するからです。

新製品ラウンチだと、まずは狭義のマーケティング戦略を戦術に落とし込むことからスタートします。具体的には、このSTPに沿った製品資料作成や説明会、PR/広告といった告知です。

製品資料ができあがると、営業マンや代理店に対して、想定したターゲット顧客やペルソナを説明します。そして、営業マンや代理店は、その製品資料に沿った説明を顧客にすることになります。

PR/広告展開では、新製品の記者会見を行ったり、広告への出稿なども行います。ここでも想定したターゲット顧客やペルソナを説明することになります。

営業戦略、狭義のマーケティング戦略が首尾一貫性を保って、同じ方向を向いて進んでいきます。人で表現すると、営業マン、代理店、マーケティングスタッフ、広報が同じ方向を向いて活動します。

セクシーな女性の広告
方向性は「機能豊富な製品」で、営業マン、代理店が個別に相対できる顧客には説明しています。一方、広告展開は「セクシーな女性」です。

ちぐはぐですよね?

広報は、「製品認知を高めるために、IT系広告では珍しい「セクシーな女性」(正確には女性の背中ヌード)を前面に出すことで、目を引きたかった」と主張していました。

だったら、中身、なんでもよくないですか?
ウチの製品じゃなく、他社製品でもいいし、もっというと車でも、家電でも、何でも良くなってしまいます。

「機能豊富な製品」をアピールするなら、別の方法、例えば、競合他社の製品では実現できていない機能だけにフォーカスするとか、あるはずです。

「認知が足りないから目立たせる」は短絡的なアプローチです。

目立ったところで、その製品まで落とし込めないことがほとんどです。

また、製品認知は、販売経路がPull(顧客の指名買い)メインの製品であれば重要です。しかし、Push(営業マンによる提案販売)メインの製品であれば、そうとも限りません。

知名度があったほうがいいことは間違いありませんが、それよりも具体的ニーズを持っている潜在顧客に引っかかることの方が重要だったりします。

その具体的ニーズに引っかかった顧客が、Webサイトやセミナーなどで情報収集し、その後個別ニーズが実現できるかを確認することになります。そのための仕掛けと準備をメディアミックスで考える必要があります。

広告出稿日→ウェブサイトアップ→セミナー告知→セミナー実施などスケジュールと人のアサイメントや予算配分を具体的に落とし込むわけです。

そんなことも考えずに、セクシーな女性でアピールするのは全くナンセンスなんです。

客単価が高い製品であれば、1件の顧客を獲得できれば、数百万円、数千万円となります。具体的ニーズを抱える一人(一社)の新規顧客を捕まえることができれば、広告費はペイできたりします。多くの購入意図がない顧客に製品名を認知させる必要はありません。

こんなことを考えながら製品ラウンチ計画を練ってます。
もとい、社内で戦ってましたw

雑感

今日は昔の広報のことを思い出したら、思わず熱くなってしまいました (苦笑 

当時は30代で血気盛んな若者でしたが、現在はアラフィフのオヤジ。落ち着いている、ナイスミドルのはずなのですが、思い出しただけで、”知的な”憤りとともに熱くなれたようですw

もう仕事をする時間です。実際にはオーバーしてしまっています(汗
誤字脱字、文の流れが悪いと思いますが、お許し下さい。時間あるとき直します!


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