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10.どこにも出てない「首尾一貫マーケティングフレームワーク」を公開!

ネーミングセンスないですが、いよいよ「首尾一貫マーケティングフレーム」の全容を公開します。と、いっても、既存のフレームワークの組み合わせです。

「なんだー、ただの組み合わせかよ」と思われた方は、ちゃんと読んだ方がいいです。

組み合わせの際に生じる「つなぎ」が仕事においても、フレームワークにおいても重要だったりするのです!

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本noteは、ポートフォリオワーカー*になった、外資系IT企業マーケティングマネジャーによる、『初めてマーケティングを学ぶキミに伝えるマーケティングフレームワーク活用講座』の連載企画です。

*「ポートフォリオワーカーって何?」はこちらを参照下さい。自己紹介とともに説明しています。

前回はこちら、最初から読まれる場合はこちらからどうぞ。

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首尾一貫マーケティングフレームワーク

めんどくさがらずに、ちゃんと読んでみて下さい。
一気通貫で読んで頂くと、全体像がわかります。

左表赤字で書かれているのがマーケティングフレームワークです。

3Cでバリューチェーンとともに現状分析を行い、ファイブフォースとともにSWOTで評価、STPで戦略のベクトルを決め、4Pで具体的実施案に落とす

感じです。

具体的な内容は後日詳説するとして、全体像の各センテンスをちょっとだけ説明していきます。

『自分の仮説(思考)をベースに』
経験者であればわかっていただけると思うのですが、ローデータ(生データ)を数十件、数百件と見ながら、比較対象可能な形に落とし込む作業をしていると、「ぼやー」とですが、傾向や特殊性に気づくものです。「ぼやー」とです。

「あれ、やたらとXXが多いな」とか「なんでYYだけ、ここにはないんだろ?」などです。

この「ぼやー」とした気づき、あるいは現状分析作業に入る前から思っていた漠然としたイメージが、ここでいう仮説(思考)です。

この仮説(思考)をもって、当初ベクトルとし、検証していきます。
当初ベクトルは、間違っていても問題ありません。あっているかどうかを検証するものなので。

間違っていれば、仮説を組み直し、あっていれば検証を進めるだけです。いずれにせよ、バリューチェーンやSWOTで精査されます。

では、精査されてしまう「仮説」を持ちながら、なぜ作業をする必要があるのでしょうか?

首尾一貫性が保たれているかの検証ができなくなるからです。

別の表現をすると、答え合わせができくなるからです。ただ闇雲に分析や評価をしていると、論理的に何が正しくて何が間違っているかすらわからなくなります。あくまでも「論理的」な正解で、「マーケット的」な正解ではないことにご注意下さい。

マーケティング戦略は首尾一貫性が保たれていなくてはなりません。ポーター教授は「適合性」と言ってましたね(#7参照)。戦略は、全体として相互依存的な選択を行うことで成り立つものなので、ベクトルがあっているかはとても重要な点なのです。

それを確認できるのが「仮説(思考)」になります。

『市場を調査し、対象顧客 (ペルソナ)を選定、そのニーズを把握し』
3CのCustomer(市場・顧客)ですね。ペルソナを仮説をもって把握するまで踏み込んでます。本来はこの段階でCustomer選定するのは色眼鏡でみることになり、よろしくないかもしれませんが、この一連の検証により、振り出しに戻る可能性を否定していないので問題ありません。

競合との比較において自社の強み/弱みをバリューチェーンで客観的に見極め、
#2でふれた、バリューチェーンによるCompany&Competitor同時分析のことです。尺度をもって、項目毎の強み、弱みを判断しないと「客観的」とは言えないですからね。SWOT分析が「主観的」と言われる部分をなるべく排除しようとする試みです。

まーSWOTが主観的、ボクのやり方のバリューチェーンが主観的判断に基づくものであることは否定しません。そんな、マーケット調査データがあるわけではないので、フェルミ推定は使いまくります。フェルミ推定を使う段階で、もう「主観的」になってしまっているので、否定はしませんが、「客観性は意識しましょう」ぐらいが適切な表現かもしれません。

『競合優位性を確立できるセグメント、ペルソナでのポジショニングを決定』
ここで初めてベクトル、方向性、顧客の決定です。検証作業で登場してきた顧客やペルソナは、ここでの顧客やペルソナでないかもしれません。いいのです。そんための検証作業なので。STPは、前半で実施する分析、検証、評価のまとめ的意味合いで実施します。具体策の橋渡しのための指針ですね。

『その方向に沿った製品構成、価格設定、商流、販促を策定』
方向性が決まったら、首尾一貫した戦術に落とし込む必要があります。それを4P(Product、Price、Place、Promotion)で実施します。4Pで網羅されない戦術が必要であれば、柔軟に加えていきます。

WebマーケティングとかSNSマーケティングとかは、4Pの一種です。Place、Promotion部分に特化したものになります。具体的なやり方は、日々進化、変化します。その時代、タイミングにあった方法で実施する必要があります。

マーケティング予算を四半期に2000万円使っている時もありましたが、広告代理店に提案してもらってました。3C→SWOT→STP→4P(Product/Price)決定までした後、4P(Place/Promotion)はスペシャリストに任せるのがいいのでしょうね。


実施にWebマーケティングとかSNSマーケティングとかをやろうと思った場合は、スペシャリストとタッグを組むのが良さそうですw

『その後に、販売予想、収支シュミレーションを行い』
大切な部分です。利益を出さないと意味がないので、ちゃんと販売予測や収支シュミレーションは行う必要あります。たいてい予想通りには行きません(汗。

Bestシナリオ、Normalシナリオ、Worstシナリオを作成しておくと、どれかには当てはまります。Worstシナリオになってしまったときには、撤退を検討しないと行けないのでしょうが、そこまでにはなったことはありません。

そもそもWorstシナリオしか描けないような製品/サービスは感覚的にわかるので、ここまでの工数かけません。実施前撤退です。

『戦略合理性、経済合理性を検証』
首尾一貫性の検証もそうですが、ちゃんとオペレーションが最適化されているか、それによりコスト配分が適切かなど検証する必要があります。売上が増加している傾向があれば、一気果敢にマーケティング予算を増額した方がいいかもしれません。そんなことも予め考えておくと、あとあと都合がよいです。ここまで脳みそに汗をかくことはそこまでないので、流れで考えてしまいましょう。

『さらに、スケジュール、役割を検討する』
画竜点睛を欠くではないですが、若い時のボクです。首尾一貫あるすばらしい製品ラウンチ戦略を描けたのに、実行プランのスケジュール、役割まで落とし込めていませんでした。前半の脳に汗かく作業やると、結構わすれます。忘れずにここまで落とし込みましょう。

次回からは、個別フレームワークを詳しく解説していきます。

雑感

せっかく、こういうの文章書いているなら、「の~ちの人となりを見せた方が理解度も深まる」とアドバイスを頂きました。今後は、雑感をちょっとだけ書いていこうかな、と思います。

この首尾一貫マーケティングフレームワークは、どこかに書かれているようで書かれていません。3C →SWOT→STP→4P は見たことなるのですが、仮説、バリューチェーン、ファイブフォースは、ボクのオリジナルです。

オリジナルといっても、組み合わせているだけなので、そこまで偉そうに言えませんが(汗

このオリジナルを体系化したのには理由があります。

ボクが行ってきた(行っている)マーケティングはB2Bが中心です。
企業に外資系ITプロダクトを販売するのがメインのビジネスです。

独学で学ぶために読む本はほとんどがB2Cについて書かれており、「そんな、いちいちマーケティング調査に数百万もかけられないよ」とか、まー自分の業務にそぐわないのです。前回書いたPEST然りです。

そこで、名著「アイデアのつくり方/ジェームス W.ヤング (著)」しかりで、既存のマーケティングフレームワークを組わ合わせ、都合のいいようにカスタマイズしたところ、うまい具合に戦略立案ツールとして機能するものにできました。

前回、初めてコメントいただけたのですが、コメントいただけるとうれしいです。質問などありましたら、お気軽にどうぞ!

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