ビール
大人になったら、ビールを飲むものなのだろう。
子どものときに漠然と思っていた。家族でご飯を食べてるときに、子どもは飲めない金色のしゅわしゅわを見て、少しだけ憧れた。
中学生のころ、塾で先生が「将来みんなもお酒飲むんやろな〜」みたいな話をしはじめた。「お酒強そうやな〜!」と言われた私は、強くはなかった。笑
特段ビールは嫌いだ。にがい。
飲む必要性を感じない。
子どものときに見ていた大人のように、今の私の周りにいる友だちも、同僚や上司も、やはりビールを飲むと「ぷはぁーっ!」としあわせそうな顔をする。
いいなあ。
ビールloversたちに、初めからビール好きだったのか聞くと、大体みんな初めは好きじゃなかったけど飲むうちに好きになったと答える。
初めは好きじゃなかったけど飲んでるところがすごい。
ビールはまだ分からないけど、"初めは好きじゃなかったけど今は好きシリーズ"は私もわかる。
そして、そのシリーズは、初めから好きになったものよりももっと好きになると思うのだ。
私のそのシリーズは音楽だ。
私はチャットモンチーが好きなのだが、初めて聞いたときから好きな曲はほとんどなかった。
浪人生のころに、少し好きかもくらいの男の子がチャットモンチーを聴いていて、話がしたいから私もチャットモンチーを聴くようになった。
アルバムに入っていた曲たちに、当時の私の感覚でキャッチーなものはほとんどなくて、どの曲も、音とリズムがよく飛ぶし、よくわからないな。と思って聴いていた。
でも、話したいから毎日自習しながら聴いていると、耳に馴染む歌がいくつか増えて、病みつきになった。
その経験から、ヒットチャートで流れるキャッチーな曲は結構すぐ飽きるけど、初め「むむっ?」と思いつつ何回も触れるうちに好きになったものは、ずっと好きになる気がしている。
きっとビールもそういうものなのではないだろうか。知らないけど。笑
私は、疲れた日にオロナミンCを飲むと、「ぷはぁーっ!!!これこれ〜!!!」となる。
友だちと電話しながら家路に向かう中、オロナミンCを買い、「ぷはぁーっ!」したところ、それがみんなにとってのビールだと言われ稲妻が走った。
これが、みんなにとっての、ビール…!!!
めちゃめちゃ美味しいやないか…!!!
飲み放題を考えたとき、彼らはこのオロナミンCを飲み放題してるのだ。信じられない。夢か。
それは、私にとっての夢の世界だ。
疲れた体に無限にオロナミンCを注げるなど、夢のまた夢だ。お酒を飲む人がやたら飲み放題にしたい気持ちがわかった。
ジュースや水など、一二杯飲めば要らなくなるはずなのに、どうしてお酒になると飲み放題にして何杯も飲むのだろうと不思議だったけど、そういうことか。
オロナミンCは飲みたい。
仕事終わりに毎日オロナミンCを飲めるなら飲み会にも行くし、家でもオロナミンCを毎日開けてしまうだろう。(後者は私もやろうと思えばできるけど、オロナミンCは量の割に比較的高いという認識のため、ケチな私はできていない)
とはいうものの、いざオロナミンC飲み放題をされたところで吐くまで飲んだりしないと思う。三杯くらいで満足して、水かお茶を飲むだろう。
きっとオロナミンC理論では解き明かせないビールの世界があるのだ。
憧れのビールについては、大きくなってもまだよくわからないんだよねと子どものときの私に教えてあげたい。
次のお題は、月。
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