はじめに
団塊ジュニアとその下の世代が「ロスジェネ=失われた世代」と呼ばれるようになって、かなり経ちました。
日本の近現代は「40年ごとに好景気の山と不景気の谷を繰り返す」と言われています。
論者によって多少の差はあるかと思いますが、だいたいこのようなまとめになると考えられます。
日本の近現代の略年表
単純計算では、80年生きれば好景気の山と不景気の底をどちらも経験するはずです。問題は、いつどちらを経験するかです。
例えば団塊世代だとしたら、こうなります。
1947年に生まれて、幼少期には食糧難の生活を経験するも、高校生で東京五輪を迎え、以後もずっと経済成長を続ける。40歳前後でバブル景気を経験して、2007年リーマンショック前に定年退職。
それに対して、約25年遅れて生まれた団塊ジュニア世代は、こうなります。
1972年に生まれて、高校生まではバブル景気に浮かれた大人たちを見て育ち、突然のそれも長い不況による、就職氷河期という名の同世代による椅子取りゲームを繰り返す。公的年金も退職金も減ったため、定年以降も低賃金で働く。計算上は、90年以上生きれば2065年前後に好景気を迎えるはずですが・・・。
歴史は繰り返す
長い人類の歴史上は、同じように、山と谷が交互に来るような時代は多々あります。というよりも、天国から地獄、地獄から天国の繰り返しだったと言ってもよいでしょう。
2世紀後半から3世紀の中国(後漢末から三国時代)にもありました。
後漢末から三国時代の略年表
後編では、仮にこの時代の名士の子として生まれたとしたらどういう人生を送ったか、ケーススタディを見ていきたいと思います。
後編につづく