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私に決定的な影響を与えた作品10選

好きなものについて語りたくなったので、私の思考と好きなものと萌えどころに影響を与えまくっている作品を10個選んでみた。

なお、私の好きなものを大雑把に分類すると、以下の感じになるので、その分類に従い、それぞれどういうジャンルの作品なのかタグ付けしました。
タグ:概念 オールバック カリスマ(天才) 科学 地獄(業) モブ 人間と非人間 理性 洗脳


私に決定的な影響を与えた小説・評論(5作品)

デカルトの密室/第九の日(ケンイチシリーズ)
:瀬名秀明・著

#概念 #カリスマ (天才) #科学 #地獄 (業) #人間と非人間 #理性


「なかつに影響を与えたものを本当に一つだけ選ぶとしたら何か?」と答えたら、間髪入れずに答えるだろう作品(二つあるけど、シリーズなので許してほしい)。大雑把にいえば、ロボットのケンイチと、ケンイチを制作したロボット工学者の尾形祐輔が事件に巻き込まれるという話。どの事件も人が死ぬのでミステリーの形をとっているが、語られる内容はミステリーの枠を越えている。人間とは何か、世界とは記述できるか、人間の能力はどこまで拡張できるか……。
デカルト、ヴィトゲンシュタイン、フレーム問題、中国語の部屋。幅広い知識をフル動員した物語に私は圧倒された。
瀬名秀明先生は、私に科学のかっこよさと小説の素晴らしさを教えてくれた恩人だ。私は瀬名秀明先生の「Brain Valley」を読んだから大学で生物学を専攻しようと決心したので、もはや人生レベルで影響を受けている小説家だ。ついでにフジョシとしての萌えどころもどうしようもないくらい瀬名先生のせいで決定づけられた。もし、私の小説かなんかを見て「萌えたわ」と思った方がいるなら、それを突き詰めると瀬名先生のおかげだと言い切れる。
特に主人公格の尾形祐輔は、わたしが知っているあらゆるキャラクターのなかで最強の「受け」概念だ。ベスト・オブ・受け in なかつ。特に変わったところはないように見えるのに、地味に天才的な知性を持っているし、地味に人間がわかっていないし、「あなたの書く文章はセクシーです」と言われる。最強。厭世感を心の底に抱えているのもいい。天才に執着されているのもいい。すべて愛した。知性をもつ個体としての強度は高いのに、人間としての強度はそんなに強くない、これはなかつ的受けの定義。今のはなかつ性癖検定に出ますので、覚えておいてください。
なお、ベスト・オブ・受けとして君臨しつづける尾形祐輔であるが、単行本化されていない(たぶん)小説で消息不明と描写されたまま十年以上経過している。なぜ大切な人ほど生死不明の事態に陥るのか。(※ なかつはここ3年ほどはまっているFGOで一番好きなキャラ、ダストンが2年生死不明の状態にあった)


とある魔術の禁書目録 第2巻
:鎌池和馬・著


#概念 #オールバック #地獄 (業) #モブ #人間と非人間 #洗脳

普段、私がつぶやいている好みからは想像できないかもしれないが、おそらく私が今までで一番読み返している小説がこちら。しかも2巻。なぜって? アウレオルス=イザードが登場するからだよ。
とあるシリーズはある程度認知されていると思うのであまり説明はしないが、2巻もヒロインのために主人公たる上条当麻が戦うという話である。
1巻がヒロインであるインデックスちゃんとのエピソード、3巻がみんな大好き一方通行のエピソードなので、間の2巻は影が薄いかもしれないが、改めて読んでほしい。業が半端じゃなく深いので。なお、コミカライズでは丸々飛ばされたし、アニメでは内容が半分になっているため、ぜひ小説を読んでほしい!!! アウレオルス・ダミーのことを認知してくれ、みんな……。
アウレオルス=イザードは本当にすべてが好きなんだよ……かわいそうな奴なんだ……私には彼を救うことはできない……。コンセプトが「主人公のバッドエンド」ってもうそんな……最初からかわいそうな運命が定められている奴じゃん……。で、そのかわいそうな運命の男が、オールバックのCV杉田になっちまうような白スーツ細身男性なわけですよ。ひーーーーーー死んだ。

髪の色は緑。オールバックにしたその髪だけが、肌も服も白い男を一段と際立たせている。
ともすれば笑い者になりかねないほど煌びやかな格好は、けれど男の持つ中性的な美貌によって、さも当然と変換されていた。

何度読んだかわからない、もはや私の心の支えとなっているこの描写。(髪が緑なのはちゃんと訳があります、使用魔法の強化のためって感じ)オールバックという、ぱっと思いつくイメージはかっこいい側の髪型に、「中性的な美貌」が組み合わせられると気づいてしまった私はもう後に戻れなくなった。さよなら……。私の人生は額の信仰に費やされるでしょう……。
それと彼の能力と弱点は、やや概念バトル的なところがあり、そこも大変良い。「デカルトの密室」でめちゃくちゃ萌えた、「世界を記述する」ことについても絡んでくるっていう。
あと、私はわりと救済というものに関して自覚的というか、普通に萌え語りやキャラ解釈でも「救済」という言葉が出てくる人間だけど、その根底にはアウレオルスを救えなかったという思いがあると感じている。どうしたら彼は救われたのか? を何度も考えてきたので、キャラクターの救済について、自覚的になってしまったんだよな……。
そうそう、とある2巻には、もう一つ重要な記述がある。それは以下のセリフだ。

「アウレオルス=イザードに残されていたのは死か、それ以上の地獄のみだ」

ここで、死ぬ以上につらい状況がある、死んで落ちる地獄より生きている地獄の方がやばいということがある、というのを私は理解したのだ。私はいわゆる「生きているここが地獄です」というような話を書くのも見るのも好きだが、その「生き地獄」は、ここで手に入れたのかもしれない。うーむ、どれだけのものが詰まっているんだ、とある2巻……。
1巻のオチや2巻のこれを見ていると、作者のかまちーは「ヒーローの概念ってさあ……」って悶々と考えている人なんじゃないかと、勝手に想像している。少なくとも、主人公という概念の暴力性について、非常に自覚的だと思う。私がFGOホームズについて「探偵という概念ってさあ…」と悶々としているのは、上記に触れたからだと思うわ。
なお、アウレオルスは最後、記憶を失い顔の造形も変えられて野に放たれてしまう(私はこれを、モブ堕ちと呼んでいる。本来であれば死ぬより辛い目にあうはずだったので、主人公たちはこれを善行だと捉えているが、世界を敵に回してまで行ったことが無に帰すのは、どうなんだ)。とあるシリーズは過去に登場したキャラクターが再登場することが多いが、彼は再登場していない。つまり消息不明である。なぜ大切な(略)
追伸
アウレオルス様においては、いつも私が「あーあかわいそうな子が見たいな」という思いを受け止めていただき、誠に恐れ入ります。ひどいときには一週間ほど連続で寝る前のやべー妄想の犠牲となっていただいておりますこと、深くお詫び申し上げます。大変心苦しく存じておりますが、おかげさまで定期的にフラストレーションを発散することができ、心の健康を保つことができております。今後とも何とぞご高配賜りますよう謹んでお願い申し上げます。


陰摩羅鬼の瑕
:京極夏彦・著


#概念 #地獄 (業) #モブ #人間と非人間 #理性 #洗脳

京極堂こと中禅寺秋彦が事件を解決する、所謂「京極堂」シリーズの一作。分厚い本として有名かもしれない。結構後半の方にあるし、ほぼ一つの館だけで話が完結する、京極堂シリーズの中では異端な話かと思う。しかし、そのトリック?というか物語と、主要人物である由良昂允は、私にとって大切なものだ。
体が弱いため屋敷から出ることなく本で読んだことを頭のなかで解釈し、構築し、世界を識った由良昂允は、人間として理想の形だった。頭がいい人の完成形だった(そして、それに近いことを実際、生きた人間でやったのがマルセル・デュシャンだ)。その彼が、美しくも間違えていく様、それを描いたのが「陰摩羅鬼の瑕」だ。
ほかの9作品に比べてあまり語っていないけれど、「陰摩羅鬼の瑕」を読んでいなかったら、書いていないものや考えつかなかったことがたくさんある。(後述するが)モブ視点でどうたらというSSも書いていなかったろうし、理性と感性のバランスを考えることはなかっただろうし、普通に生きているように見えてそこは地獄だという生き地獄感のある話を書くことはなかっただろう。
加えて、やや本編のネタバレになってしまうが、「死」という概念をどう捉えるか、という話も出てくるので、以降ずっと続く「概念萌え」もここからきているのかなと思う。
前述したモブ視点がどうたらという話をすると、由良伯爵がやばいと親友に話していたときに、「由良邸へ食べ物を持ってくる人とかいそう」と言われたところから私の本格的なモブ萌えがはじまっている。
(なお、由良伯爵とモブで萌芽→TOXのアルヴィン関連でモブ攻めSSを褒めてもらい調子にのる→月吠の白さん関連でモブ派遣の楽しさを知る という流れが私のモブの大まかな歴史です)
それと、私は真面目な人、愛より理性を重んじていそうな人が奥さんを熱烈に愛するというのが大好きなんだけれど、それも由良昂允と薫子さんの関係が素敵だと思ったから、かもしれないな。
なお、京極堂シリーズでは、多くのキャラクターが別の作品で再登場することが多いが、由良昂允については過去含め再登場していない。つまり消息不明である。なぜ大切な(略)


虐殺器官
:伊藤計劃・著


#概念 #カリスマ (天才) #科学 #地獄 (業) #モブ #人間と非人間 #理性 #洗脳


ゼロ年代最高のフィクション(当社比)。伊藤計劃は全てが好きだ。文体も、物語の構成も、登場人物も、用語も、伊藤計劃が好きなものも、ブログの記事も、全てが好きだ。憧れてしまう。かっこいいなと思う。

その中でも「虐殺器官」という小説は、いつ読んでも本当にかっこいい。主人公クラヴィスの、モブっぽくて淡々としているけれど、所々ねちっこい一人称。ジョン・ポールの不穏さ。ラストの展開。ウィリアムズという陽キャ。現実を踏まえたクールな視点。全部好き。
アニメ映画は、ウィリアムズがピザを食べているシーンがあったので5000億点です。


母性のディストピア
:宇野常寛・著


#概念 #カリスマ (天才) #地獄 (業) #理性


最後まで入れるか迷ったが、私に影響を与えたという意味ではめちゃくちゃでかいので、入れることにする。
これは戦後アニメと戦後の日本社会の成熟を語った、宇野常寛の評論だ。元々、「木島日記」が面白かったために大塚英志の本を読みはじめ、サブカルチャー評論周辺に手を出していた。「動物化するポストモダン」も読んだし、宇野常寛でいえば「ゼロ年代の想像力」の方が本書より先に読んでいる。それでもこちらを選んだのは、押井守論あたりにモブとカリスマの関係を見て激萌えし(モブほむだ、とか、ホムダメじゃん、とかメモが残っている)、荒地広がる現実への絶望を前に想像力を武器として本書を書いた宇野常寛が素直にかっこいいと思ったからだ。「ゼロ年代の想像力」で面白いなと思い、本書でかっこいいな! と感動してから、割と宇野常寛周辺の情報は追うようにしていて、今ではそこからの情報も多々、私を構成しているので影響を与えた10選に入れても差し支えないだろう。
アニメ、ソシャゲ、ゲーム、漫画、映画、小説……そういうカルチャーと現実の問題点を頭の中で同じ引き出しに入れ、考えるようになったのは本書のせいだろう。ますます面倒くさいオタクになったことは否めないが、その分人生が楽しくなったと思う。たぶん。まじで「母性のディストピア」を読んだからこそ書ける、現代の探偵論のホームズを小説にしたいのだが、全然うまくいかない。
そうだ、あと、単純にいろんな人に読んで欲しいから、ここに載せておくのだと正直に言っておこう。アニメを語るって、やっぱり面白い。


私に決定的な影響を与えた漫画(3作品)


北神伝綺
:大塚英志・原作、森美夏・画


#地獄 (業) #人間と非人間 #理性 #洗脳

主人公の兵頭北神は、私のなかでベスト・オブ・イケメンだ。私のなかで「かっこいい」といえば彼。存在があまりに好き。
北神伝綺は、民俗学者・柳田國男の弟子を破門された兵頭北神を中心とした、昭和の伝奇サスペンス。虚構と史実の織り交ぜ方が絶妙で、「現実」を語る面白さがぐっと詰まった作品だと思う。死のう団が本当にあるとは思わなかったよ。北神伝綺の、アングラっぽいけどどこか淡々としている雰囲気、とても好き。
また、本作では北神の存在はもちろんのこと、忘れてはならないのは斗志見くんの存在だ。思い込みで現実を正しく認識しなくなる、という行為への我ながらニッチな萌えはここからきている。斗志見くんが登場する「ニライカナイ考」で甘粕大尉が言うセリフ、「生半可な哲学より狂気に近い思い込みの方が他者に対する影響力がありますからね」というセリフは、私の心に刺さって未だに抜けていない。斗志見くんの、見た目は普通なのにじつは狂気をはらんでいるところ、本当に愛している。(フジョシ的な観点でいうと、斗志見くんが男娼なのも本当にツボ……)
民俗学者を中心に据えた同じ大塚英志・森美夏のシリーズとして「木島日記」があるが、こちらにも、ものすっっごく影響を受けている。むしろ、「木島日記」がおもしろくて「北神伝綺」を読んだという順番なのだが、北神の存在が決定的なので、北神伝綺の方を紹介した。
なお、北神伝綺の最後は、お前は誰と行くのかという選択を迫られた北神が、誰も選ばずどこかへ逃走してしまった、というオチで終わる。つまり消息不明である。なぜ大切な(略)


森山中教習所
:真造圭伍・著


#モブ


私はこういうBLが読みたいんですよ(ただしBLではない)第一弾。
ボケッとしているおバカな学生清高と、ヤクザの下っ端でボス付きの運転手になる予定の轟木、二人の青年が森山中跡地の教習所で出会う話。
Twitterでは何度も言っているが、「さっきは一瞬だったけれど僕らはうまくいきそうだった」(「愉快なピーナッツ」/くるり の歌詞より抜粋)という話が私は大好きだ。うまくいきそうだった一瞬、その強度はきっと、何十年もともに連れ添うことに負けない、と私は思う(現に私は、高校時代にさりげなく言われた言葉を胸に今も生きているし、今となってはまったく会っていないが中学時代に「親友だから」と言って笑ってくれた子のことを未だにとても大切に思っている)。
森山中教習所で描かれる思い出は、そういう一瞬だ。きっと今後、清高と轟木の人生は交わることはないし、特に轟木の先の人生は明るいものではないだろうけど、きっとふと、あんなやついたなと思いだして、それだけでほっとするようなときがくるのではないかと思う。
漫画もいいが、映画版もいい。映画版の終わり方、本当に好きなんだ……。
個人的には、「ぼくらのフンカ祭」も、私はこういうBLが読みたいんですよ(ただしBLではない)という作品なので、ぜひ。どちらも一巻完結なのですぐ読める。


ひかりのまち
:浅野いにお・著


#地獄 (業) #モブ #理性


浅野いにおの短編集。現実の辛さと唇を片方だけあげてしまうようなナンセンスなギャグの混じった浅野いにおの作品が、私はすこぶる好きだ。「おやすみプンプン」なんて、読むたびに何か書きたくなってしょうがない。
「ひかりのまち」の中では、圧倒的に「HOME」という話が好きだ。フリーターの元医学生、危ない仕事をしているヤバそうな男、そしてどっちの子かわからない子供、三人の奇妙な日常が描かれる。
「HOME」の三人の関係性がまた最高なのだけれど、やはり最後5ページが、私の心にいつまでも残っている。「帰ろう……家に帰ろう……」。
この先の展開を思うと「……」と黙ってしまう。読者が一番つらくなる作品が私は大好きだが、それもこのあたりからきているのかもしれない。(あとは九井諒子先生の「留学天使」)。
幸せになれ、とは言わないが、穏やかであれ、と願ってしまう作品が書きたい。その辺りの欲望は、「ひかりのまち」の読後感から来ているのかも。


私に決定的な影響を与えた映画(1作品)


マイ・バック・ページ
:川本三郎・原作、山下敦弘・監督


#カリスマ (天才) #地獄 (業) #洗脳

私はこういうBLが読みたいんですよ(ただしBLではない)第二弾。
安田講堂が落ちた後、学生運動のピークは過ぎた後、僕たちが世界を変えるかもしれないと考えていた二人の若者の話。
要はカリスマ性のある男に、平凡だけど鬱屈した気持ちをもつ男が惹かれていく話なので、カリスマクズ萌えとしてるんるんしながら観た。梅山と沢田の関係は、「ただならぬ関係」と言って過言ではない。これぞ「ただならぬ関係」。萌え。
しかしながら、二人の行く先にあるものは地獄のような泥沼であり、梅山はカリスマからただのクズに堕落して終わるので、後味は悪い。だがそこがまた最高。まあでも、ひゃっはーー!!やべえ!!!!私はこういうBLが読みたいんですよ!!!世界!!!! と思ってみていたら二人が決定的に断裂して終わったので、「私が読みたいものって突き詰めるとまじで愛がいらないのかも」と落ち込んだ思い出が苦々しく蘇る。
あと、「完璧に『間違えてしまった』あとも人生は続いてしまう」という事実を突きつけられて、ものすごく凹んだ。敗北者として生きる人生。間違えたあとの人生。うう……。おそらく、「敗北者側の意識」というのは、この映画を観たことで自覚した。私は敗北者として生きる人間が好きだ。
主人公の沢田を演じる妻夫木聡が涙するラストシーンは、本当の本当に「演技の凄さ」を教えてくれる名シーンなので、ぜひそのシーンのために観ていただきたい。私はこのシーンを観て、小説にも書き表せない、人間がそこに存在することでしか表現できないものがあるのだと知ることができた。人間ってすげえな、と心底感動した。
なお、このシーンの泣き方を私は「妻夫木泣き」と呼んでおり、私の脳内座談会のホットトピックとして「このキャラは『妻夫木泣き』が似合うか、もしくは『ルネッサンス吉田泣き』が似合うか」として度々取り上げられる。
(※ルネッサンス吉田泣き:ルネッサンス吉田著「愛がなんだ」に収録の「ある地下生活者の手記」で出てくる、微笑みながら静かにパタパタと涙を流す泣き方)
FGOのホームズ同人誌「二度とない幸福と三度目の降伏」の終盤、ホームズが泣くところは、該当のラストシーンを何度も観ながら書いた。
なお、主人公の沢田については創作の人物であるが、そのモデルとなった人間はがっつり生きている。生きている! こわ……そう、この話は、実際に起きた事件をもとにしているのだ。こわ。やば。人間、どこまで業が深いんだ。やっぱり生きている人間が一番やばい、と思ったなかつであった。


私に決定的な影響を与えた音楽(1作品)


NO WAVE≒斜陽


#概念 #地獄 (業) #モブ #人間と非人間 #洗脳


はちゃめちゃ大好きな音楽アーティスト、0.8秒と衝撃。(通称ハチゲキ)の一曲。
これもTwitterで何度でも言っているが、「季節のかわりにアナタを愛し」というフレーズ、これは「こじらせ」の定義だと思っている。季節という大きな概念、自然に関わる一年中ずっとそこにある概念の代わりを、「あなた」というただの一人の人間にやらせる。つまり、大きな概念を小さな概念に押し込めること、それが「こじらせる」ということだと私は思う。例えば、一人を神のように信仰すること、これは神という普遍的な概念を個人という小さな概念に押し込めていることではないか? 例えば、一人を救うために世界を滅ぼしてしまうこと、これは世界という概念を、一人の器に押し込めていることではないか?
それに気づかせてくれたこの曲は、とても大事な曲。
あと、ちまちまと入ってくる、相手を愛しているけどなんかエゴっぽい歌詞がさぁ……またグッとくるんだよね……「焼けついた砂漠さえ二人ならハダシだろ」とかさ、本当にそうかよ、って思うし……。
ハチゲキの歌詞は、基本的にあなたと私、ではなく、「私たち」と一緒くたに語っていることが多い気がして、なんか、他人の概念が薄いな、と感じていて、それがすごく好み。そしてボーカルの塔山氏、本名だと思ったら死んだ親友の名前で活動していると知ってびっくりしてしまった。ああ、だから、「私たち」!
塔山氏は、激しいんだけど視線がまっすぐで、なんだか私の想像するブルトンのような視線をする人だなと思っている。またライブで見たいな〜〜虹のほうの活動が楽しみ。

以上、何か気になるものがあればぜひチェックしてくれると嬉しいです。


もし新しい何かを読みたい/見たいと思っている人は読んでくれ!
私が常にフォロワーと語り合いたいと思っているというブツはこちら↓

「終末何してますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」
「終末何してますか?もう一度だけ会えますか?」
:枯野瑛・著 小説(ラノベ)

ヴィレム・クメシュの概念、あまりに好きすぎる。良質な絶望というものは気分が沈むような悲しみ、鬱っぽい空気がなくとも、絶望のみで成り立つのだ!!! 絶望のみの味を楽しみたい方にぜひ読んでいただきたい。前を向いて進んでも絶望はそこに存在することができる。
外伝のリーリァ・アスプレイの物語は、さらに私の性癖に寄ってきていて、もうどうすればいいかわからず毎ページ混乱しながら読んでいる。

「Sdorica」
:Rayark社・開発 ソシャゲ
スタッフに理性がめちゃくちゃある!!と感じられるストーリーが本当に素晴らしいのだが、いかんせん、金で殴ることができず、コツコツ地道にレベルをあげていかねばクリアできぬところがあるので、気軽にやってくれとおすすめできない……が、本当にストーリーが素晴らしい……まさか、見た目がめちゃ好みなオールバックの権力者(CV中田譲治)が、過去にピアノを弾いていたうえ、こじらせた部下と二人にしかわからない感情のやり取りをしてくるとは思わないじゃないか!!!! 二部のmirageはすべてがやばいのでmirageのことはいつでも語り合いたい。ルーンの話も、ダイアナの話も、シエルの話も、全部mirageのことだなんて信じられるか。詰め込みすぎだろ。もうすぐ三部(eclipse)が始まるが、とうとうオープニングから不穏を全面に出してきたのでもうだめです。
なお、私が一番好きなオールバックの権力者は、二部途中で主人公格のキャラクターと別れてどこかへ行ってしまう。つまり消息不明である。なぜ大切な(略)(忘れた頃にやってくる消息不明タイム)

Sdoricaについては、下記の記事でも語ってます。

「千年の虚空」(短編集「盤上の夜」収録)
:宮内悠介・著 小説
私はこういうBLが読みたいんですよ(ただしBLではない)第三弾。
政治家の道に進む生真面目な兄+スパコンVS情緒不安定な弟+かつて兄が求めた女
この構図だけで察してほしい、私が嫌いなはずないと……。
身よりのない兄弟がお金持ちに引き取られたら、元々いた娘が性的に奔放で大変、兄弟二人を調教して倫理観0の生活を送るという、だいぶやべえ導入から始まる本作、闇のフジョシ全員殺すって感じの要素がこれでもかと入っているのでまじで読んでくれ。泣き落としありキメセクあり暴力ありなんだ。そこに将棋の要素が入ってくる(まじか?)(まじだよ)
それと、「スペース金融道」(フジョシ的にこれが一番やばいかも)、「アメリカ最後の実験」(音楽の理解できない人に毎日ピアノを弾いてあげるというくそやばいシチュエーションが出てくる)、「ヨハネスブルグの天使たち」(ロボットと人の最高エピソード出てくるし、途中で出てくる自分VS自分があまりにニッチ性癖をついてくる)など、宮内悠介先生は、私に恨みでもあるのか?というくらいやばい作品が多いので、ぜひ読んでほしい。

「ロマン派の音楽」
:ミヤギフトシ・作 現代アート
私はこういうBLが読みたいんですよ(ただしBLではない)第四弾。
いや、BLではない、とは言い過ぎかもしれない。沖縄人の男性とアメリカ人の男性が恋に落ちることは可能か? がテーマの「American boyfriend」というプロジェクトの作品なので。2chの映像をメインとしたアート作品。
様々なものに萌えてきたが、これが人生のなかで一番布教が難しい。展覧会に出品されないと見られない……しかも完全版(映像+手紙+αのインスタレーション版)は、横浜で展示された1回だけでは? あの手紙が萌えるのに!! くそっ……。

「RD潜脳調査室」
:プロダクションIG・作 アニメ
私の好みに合致するアニメナンバー1。私は久島永一朗が好きだ。波留さんと久島、二人で穏やかな時を過ごしてくれ……と本気で祈ったことが何度あったか。ストーリーも、科学の捉え方も、きちんとしていて非常に好感が持てる。またこういうアニメ、やらないかな。
11話の音楽と才能の話、完璧に近い。

「市場クロガネは稼ぎたい」
:梧桐柾木・著 漫画
登場人物のほとんどが私の好きな要素を持っていて、作者が推してるCPのほとんどが私の好きなCPという、凄まじい作品。何だったんだろう? 何が起こったんだ……。覇我カズト、永遠にカリスマでいてくれ。


「ボラード病」
:吉村萬壱・著 小説

萌えとは関係ないのだが、最後の一文のためにすべての文章が収束していく力が凄まじいので、「最後すごかったね」と言い合いたいから読んでほしい。


「ペーパーマリオオリガミキング」
:ゲーム

まさかこんなに萌えると思わなかった。語り合いたい。あのDJキノピオ何なの?


(10選に入れようとしたが没にしたもの)


「わたしを離さないで」
:カズオ・イシグロ・著(土屋政雄・訳) 小説
小説があまりにうますぎてうなされる作品。ストーリーのさりげない業の深さにめちゃくちゃ影響を受けている。
カズオ・イシグロは、なんというか、言葉で書いてあるはずなのに、読みながら感じるもの・考えるものは言語の外にある感覚なのがすごい。直接言葉でその概念を描写することなく、ある概念について考えさせる文章力、恐ろしすぎる。そしてそれを翻訳したうえで伝えてくる土屋政雄氏のすごさ。私はカズオ・イシグロは、土屋氏の訳で読みたい人間。
そうそう、「わたしを離さないで」の最後の一文を読み終わった後、あまりにナチュラルに車から降りて歩く主人公を俯瞰で撮った映像とともにスタッフロールとくるり「Jubilee」が流れ出した。
本当に素晴らしい小説は、勝手にスタッフロールが流れてくるんだと知った。
たまに私はスタッフロール妄想(要は映画のラストシーン妄想)をよくするのだが、それはマイ・バック・ページと「わたしを離さないで」読後のこの思い出によるもの。小説なのに、私の映画っぽい妄想にとても影響を与えている一作。どういうこと?
ちなみに怖くて映画版は見ていない。評判は悪くないから見たいが、勇気が出ないなあ。

「華麗なるギャツビー」
:映画

金ですべて解決する金持ち! カリスマとそのそばにいる傍観者モブ! 最高!
あとデュシャンがギャツビーがパーティーしていた時代にアメリカにいたので、もしかするとデュシャンもあのパーティーにいたかもと思うとすこぶる興奮する。「きみ以外みんなくそだ!」とニックがギャツビーに呼びかけるシーン、私の根底にありすぎて困る。さっきは一瞬だったけれど僕らはうまくいきそうだった(サビ)。

上記二つは、初め10選に入れていたが、「ひかりのまち」と「母性のディストピア」を入れるために外した。

ルネッサンス吉田の作品群(漫画)
1冊に絞れなかったのであげなかった。多大な影響を受けている。

psycho-pass sinners of the system Case2 First Gurdian(アニメ映画)
私のオタク人生で転換期になっているが、まだ1年しか経っていないので入れなかった。
あと2年経ったら、「とある魔術の禁書目録2巻」や「陰摩羅鬼の瑕」、「マイ・バック・ページ」と並べていいと思う。完璧で最高でどうしようもなく業が深い作品だった。最高。須郷徹平のすべてが最高。

マルセル・デュシャン(人物)
作品ではないので……………………ただまあ、私の終着点ではあるので…………。理想の人間、理性によって未来まで読んでる芸術家、かっこいい、イケメン、オールバック、優雅。親友✖︎デュ、私のナンバーワンCP。

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