【詩】空ばかり見ていた

いつのまにか月が沈んでいる
ずっと空ばかりを
見ていたはずなのに
春に散るのは桜だけじゃない
夏に死ぬのは蝉だけじゃない
そんな当たり前のことも
忘れていたのと怒られそうだ
金星が駄目になったなら
次は火星でいいよ、とか
言ってしまえるこの世界に
君はがっかりしただろうか
それとも少し眠りたかっただけ?
いつのまにか月が昇っている
私はまだ空ばかり見ている




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