見出し画像

にこやかになれる、挨拶の魔法

フランスに来てから、なんとなくポジティブになったのは、いつもにこやかでいるようにしているからだと思う。

周りの人がにこやかだから、わたしも、と思うようになった。

きっと、にこやかに挨拶をするのが当たり前なら、黙っていてもにこやかに振る舞えるのだろう。
わたしは慣れていないから、気を抜くとすぐに挨拶や笑顔を忘れてしまう。

◇◇◇

最近思うのは、軽く言える挨拶が、日本語には少ないよねってこと。

いや、日本語にもあるにはあるのかな。
気軽に言う習慣がないから、大袈裟に感じるだけで。

◇◇◇

たとえば、Bon apetit(召し上がれ)って言葉。
日本語だと「召し上がれ」がいちばん近い。

用法1:寮のキッチンで、先に自分の用意ができて部屋に戻る時、まだ料理している人に”Bon apetit”
用法2:授業のあと、帰ろうとして、教室でランチを食べている人に”Bon apetit”

…なんとなく、軽ーく声をかける時に使う言葉だってことは伝わるだろうか。
日本語で、挨拶がてら「召し上がれ」なんて、あんまり言わないよね。

そして驚くべきことに、これは、全然話したことのない相手にも、当たり前のように言うのである。

◇◇◇

他にも、たとえば「ありがとう」って言うと、「de rien」と返ってくる。

これは日本語で「どういたしまして」だけど、わざわざ言わない人がほとんどだと思う。
そもそも長くて言いづらいし。

あとは、スーパーやお店でも、必ず「こんにちは/こんばんは」、「いい午後をね/いい夜をね」、「またね」と言い合う。

習慣だから、いつもものすごーく心をこめて言い合うわけではないけれど、言わないよりは気分がいい。
どの挨拶も短くて、ぱぱっと早口で言える。

◇◇◇

まあ別に、日本に無理やり海外の習慣を広める必要もないのだけど。

ずっと口を閉じて、気づけば今日は誰とも喋ってない…!!なんてことにはならなさそうなので、わたしはこの習慣、結構気に入っている。

日本に帰ったら、わたしは「なんかめっちゃ陽気な人」と思われるかもしれない。
もしもわたしとすれ違って挨拶されたら、その時はみんな、そっと笑ってくれると嬉しいな。

最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。