アルバムとサブスクの違い。確実に欠落する3つの情報。

タイトル画像:レコードショップに並ぶたくさんのアルバム写真

学生に手をあげてもらったら、30%くらいが有料の音楽サービスをサブスクで契約してました。

聴き方を聞いてみると、好きな曲を聴いて、それをプレイリストにして。

自分で好きなように1曲ずつ聴く方式が主流。

今風のサービスではありますが、昔からシングル、という売り方もありましたので、それほど悪いわけでもありません。さらに蓄音機の時代は収録時間も短く、一曲単位での商売。今に始まったことでもないのです。

でも、数曲がまとまったアルバム、という考え方からすると、明らかに3つほど欠落してしまう価値があります。

最近の若い人はダメ、とか言いたいわけではなく、一度生まれた価値がなくなるのはもったいないねー、と思って記事にしました。

アルバムって?

自分の理解だと、

・数曲が一枚のパッケージに収められている
・そのセレクションはアルバムごとに持つ何らかのテーマに基づいている

というもの。なので、アーチストも、そのアルバムを完成させるための動きをするわけなので、1曲ずつしか出さない働き方とは違いますね。

画像1

画像:写真が貼られたアルバムのイラスト

間違いなく、挿絵としては間違った画像を使っています。思い出の写真を集めたものもアルバムですね。まあ、根っこにある理念は近いのかもしれません。

欠落すると考えている価値3つ

自分が思う欠落ポイントは3つ。

(1)組み合わせの価値
(2)ライナーノーツ
(3)ジャケットアートワーク

です。ひとつずつ見ていきます。

(1)組み合わせの価値

何らかのテーマで曲を複数作る、選ぶ。それが一つの作品単位。

これは、クラシックの曲などでも昔から行われてました。組曲、というものであったり、交響曲の場合は元々複数の楽章から構成されて。

それぞれ独立して曲の形ですが、最初から最後まで、テーマや表現したいことに向かって、統一された意味の中で曲が奏でられます。

この価値は、ある種の物語的な要素も持ちます。序曲で主人公が悩み、2楽章でそれを受けて展開が始まり、3楽章で大きな出来事が発生、終楽章で大団円、みたいなもの。オペラなどでは、その意味が歌詞になって、より物語性が具体的になってます。

サブスクでこの中の1曲を聴くこともできますが、その場合、前後のストーリーや意味は欠落します。

(2)ライナーノーツ

国内版のアルバムではそれほどゴージャスではありませんが、輸入盤などでは結構なボリュームで「テキストデータ」で解説がされているものが多いです。

複数ページの小冊子。結構小さい文字でたくさんの情報が詰め込まれてます。CDだと余計に密度が高い感じ。

その解説も、著名な評論家がそのアルバムのテーマなどを深掘りしてくれたり、過去作品からの流れでそれを説明してくれたり、と、読み物としても秀逸。

もちろん、歌詞や録音時のプレーヤー情報なども曲を楽しむ一つのパラメータです。

これがないと若干寂しい・・・

(3)ジャケットアートワーク

LPレコードだと、結構大きい面積で、アルバムジャケットのデザインを楽しむことができます。CDも小さいながら、凝ったデザインで、その段階からワクワクできます。

ジャケ買い、という言葉があるように、ここに価値を見出す人も多数。

サブスクでデジタル購入でも、静止画のサムネイルは付属しますが、実際に自分のコレクションのリアルな棚に置くことはあまりしないでしょう(印刷するなどして)。

元々サブスクは利用、というスタイルです。所有ではない感覚かと。

昔は良かった、と言いたいわけでは無く

おじさんの嘆きをしたいわけではありません。

昔、で言えばLPが出る前は、レコード盤一枚に一曲が普通。

ジャケットやライナーノーツ的なものは初期にも存在できたかもしれませんが、アルバム、という単位は無かった。

そういう意味では、原点に返っただけかも。

音楽の楽しみ方は、技術の進歩や音楽表現の進化に合わせて、どんどん変わっていっていいのです。

なので、今回はサブスクだめ!と言いたいのではなく、こういった価値もあったんだ、もし新しいサービスがこれを拾えるなら、せっかくだからいっしょに展開したら、より楽しみが増えますよ、という意見です。

あー、読み返してみたのですが、なんか年寄りっぽい文章だ!

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