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巨変人、東京に現る


久しぶりの投稿である。

何やかんやで1週間以上空いてしまった。

その間の僕は1日置きに舞台に出たりと結構忙しくしていた。

他の人達は毎日舞台出てるのが普通だったりするからこんなぐらいで疲れていたらダメなのだが。

とはいえ大阪時代ひどい時は舞台が月1本なんて事もあった僕からすると東京に来てから舞台数はかなり増えている。

今後もいい具合に増やしていきたいものである。


それはそうと昨日一昨日の2日間、僕の昔からの友達である"変人"が東京に来ていた。

変人とは高校ラグビー部からの友達で2人でM-1に出た事もあるめちゃくちゃ変な人だ。

その変人とは毎年これぐらいの季節になると必ず「稲川淳二の怪談ナイト」に一緒に行っている。

僕らは「稲川怪談」の大ファンなのである。

怪談ナイトにはかれこれ12年通わせてもらっている。

今年は僕が東京にいるため東京の会場に観に行く事になり、それで変人が東京にやって来たのだ。

タイトルの巨変人の巨は変人が身長が高いという事と巨人兵に無理矢理響きを似せた事以外に意味はない。

怪談ナイトは昨日だったのだがせっかく東京に行くのだから少し観光もしたいという事で一昨日の昼間に変人は現れた。

僕達はまず雷門に行きそこからスカイツリーに行くという計画を立てていた。

なので浅草駅に集合した。


僕が駅から出ると少し離れた場所に変人は立っていた。

変人は遠くから僕を見て爆笑している。

何に笑っているんだろう?

近づいてみると変人は開口一番こう言った。


変人「太い〜笑」


今更どこで爆笑してんねん。

にっしゃんが太いのずっと変わらんやろ。

ていうか年末にも会ってるし自粛中リモート何回かしてるし。

変人の笑いも止まらぬまま僕達は雷門に向かった。


駅から少し歩くとすぐ雷門に到着した。

一昨日の天気はあいにくの雨。

しかし雨の雷門も中々風情があるといえる。

僕達は屋台を少し見ながら本堂へと歩いた。

周りを見渡してみる。

思っていたより人は多い。

家族連れ、カップル、女子2人組、、、


あれ?


あれれ?


おじさん2人、僕らだけなんですけど。


いくら周りを見渡してもおじさん2人は僕らだけしかいなかった。

まあそらそうっちゃそうである。

あまり雷門におじさん2人では行かないかもしれない。

ていうかおじさん2人で行く定番の場所ってほとんどない。

どこを想像しても違和感がある。

競馬場ぐらいしか思い付かない。

ただまあこんなもん気にしたもん負けなので僕と変人は堂々と屋台の中を歩いた。


本堂に到着し御賽銭を入れ、2人並んで手を合わせる。

おじさん2人が並んで何か願い事をしている。

なかなか奇妙な光景である。

変人に何の願い事をしたか聞いてみた。


変人「あやちゃんとずっと一緒にいれますように」


あやちゃんとは先月変人に出来た彼女の名前である。

変人の中では早くも結婚も考えているらしい。

僕としてもぜひとも上手くいってほしい所である。

ただ一つ。

ちょっと気になるのは


その願い、普通あやちゃんと来た時にするもんじゃない??


横に関係ないデブ連れて願われても。

観音様からすると

「え、どれ?あやちゃんってどれ?このデブがあやちゃんでいいの?このデブの名前があやちゃんって事でいいんやんな?」

みたいになるんじゃないだろうか。

観音様、僕はあやちゃんじゃありません。

あやちゃんは別にいます。


願い事を終えた僕達は次にスカイツリーに行く事にした。

おじさん2人でスカイツリー。

嫌な予感しかしない。

でもお互いスカイツリーは行った事がなかった。

そうなればもう行くしかない。

雷門から場所も近いしちょうどいいのである。


タクシーに乗り込みスカイツリーに向かう。

車内からスカイツリーが見える。

変「でかいなー!!!」

に「高いなー!!!」


僕達は当たり前の感想をでかい声で叫んだ。

とりあえず2人ともゴキゲンである。


スカイツリーに到着し中に入ってみるとすぐに撮影スポットと書かれてある場所があった。

何の場所かは分かってなかったが、とりあえず写真を撮ってみた。

画像1


よく見ると「東京スカイツリーの避雷針」と書いてある。

何で避雷針と写真撮ってんねん。

どおりで撮影スポットのわりに人集まってないわけやで。


そこから4階に上がり天望デッキと天望回廊に行くチケットを買う。

天望デッキにはエレベーターで上がるのだが、このエレベーターが凄い。

約50秒で地上350mまて到着するらしい。

実際乗ってみると凄まじい速さでmが上がっていく。

変「速いなー!!!」

に「凄いなー!!!」


僕達はまた当たり前の感想をでかい声で叫んだ。

やっぱり2人ともゴキゲンである。


天望デッキに着いた。

さあ、これから絶景を楽しもう。

周りはカップルや家族連ればっかりだけれども。

おじさん2人はまじでおらんけども。

もうここまで来たら俺らが一番楽しむんや!

行くぞ、変人!

まずはあっちの景色を、、、



うん?


あれ??


あれれ???


画像2


真っ白。


あたり一面真っ白。

雨のため視界不良になっていたのである。

僕達は気づいた。

「今日はスカイツリーに来たらあかん日や」


よりによってえらい日にスカイツリーに来てしまった。

何も見えへん。

上の写真よう見たら外が白すぎて鏡に2人の姿ちょっと写り込んでるし。

え、これどうしよう?

何も見るもんないねんけど。


そう思いながら天望デッキを歩いているとフォトサービスというコーナーが目に入った。

何か無料て書いてある。

僕達は吸い寄せられるようにそのコーナーに行った。

外国人の夫婦が雲の形をしたイスに座って豪華な背景をバックに写真を撮っている。

うん、何か良さそう。

しかもしっかりしたフォトフレームに入れてくれるらしい。

これが無料って、めちゃくちゃお得やん。

僕達は気付いたらもう並んでいた。


そして並んでから思った。

「これめちゃくちゃ恥ずかしいぞ」


写真を撮られている様は周りの人に丸見えである。

カップルや家族だったら気にする事はないだろうが僕達はおじさん2人である。

おじさん2人がこういうフォトサービスで撮っている所なんか見た事がない。

完全に奇妙な光景である。

ギャラリー集まってきたらどうしよう。

むしろ珍百景として写真撮られてるおじさん2人をフレームに若者が写真撮りだしたりしたらどうしよう。

でも一回並んだし引き返すわけにはいかない。

こうなったら最高の1枚を撮ってもらおう。


僕達の順番がやってきた。

雲のイスに座る。

やはり周りの視線が痛い。

係の人が言う。

「はい、じゃあポーズをとってくださいねー!手を三角の形にするスカイツリーポーズがおすすめですー!」

変人は間髪入れず答えた。

「いえ!大丈夫です!!!」


大丈夫て何やねん。

何その力強い返答。

どんだけ元気よく答えるねん。

ポーズとるの大丈夫て何や。

係の人キョトンとしてるやないか。

ポーズとってね〜言うて大丈夫です!!て返されたんたぶん初めてやろ。


変人はカメラを見据えて微動だにしない。

完全な武田信玄。

すっごい風林火山。

何この人?

めちゃくちゃ変なんですけど。

僕は1人ポーズをとった。

係の人「はい、では撮りますー!ワン、ツー、スカイツリー!!」

パシャ


画像3


いい写真。

背景も合成でめちゃくちゃ綺麗な景色が写っている。

一応僕はスカイツリーポーズをとってみたが角度が足りなく山ポーズになってしまった。

まあとにかくいい写真を撮ってもらえた。

これは思い出に残るで。

ちなみにしっかりしたフォトフレームは有料だった。

シールが無料だったようだ。

まあそらそうか。

結局2人ともフォトフレームを買わせてもらった。

ここまできたらおじさんは止まらないのである。


その後は変人がどうしてもすき焼きが食べたいという事で浅草の老舗すき焼き屋に行った。

絶品だった。

うますぎて写真撮るのも忘れた。

あんなうまいすき焼き生まれて初めて食べた。

そしてなんとそのすき焼きを変人が奢ってくれた。

いや変人なんて失礼だ。

変人さん。

いや変人様。

ありがとうございました。

こうして僕達のちょっとした東京観光は終わり、次の日稲川淳二の怪談ナイトを観て変人様は東京を後にした。

この二日間はとても楽しかった。

こういう息抜きはやっぱりいいもんである。

またどっかに行きたいなあ。














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