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代打ブレンド


昨日は待ちに待った「稲川淳二の怪談ナイト2023」

僕はこの怪談ナイトに何と15年連続で行っており、今年で16年目となるのだ。

改めて考えるとなかなか凄まじい年数である。

ちなみに稲川淳二の怪談ナイト自体は今年で31年目。

凄すぎるの一言である。

今回一緒に行く相棒は、もちろんこの人。

高校時代から友達のめちゃくちゃ変な人、通称変人である。

変人とは2008年に初めて怪談ナイトに行って以来、そのほとんどを共にする、言わば稲川フレンド略してイナフレである。

そんなイナフレである変人と今回も当然一緒に参戦し、そしてその後は2人で超高級寿司を食べに行く予定だったのだ。

この超高級寿司。

もちろん僕の財力でどうにかなるわけもなく、変人さんの奢りである。

変人さんは何故だか高ければ高いほど気持ちよく奢ってくれるのだ。

僕は密かにこの現象を「ミスチルの終わりなき旅奢り」と呼んでいる。

というわけでこの怪談ナイトからの超高級寿司。

僕も変人もめちゃくちゃ楽しみにしていた。

ここ数週間はこのためだけに頑張っていたといっても過言ではない。

そんな待望の1日がようやくやって来たわけなのだが、、、

まさかの、、、

変人体調不良。


前の週から体調を崩し、一旦は行けそうに見えたがぶり返し、これはさすがに無理という話になった。

残念すぎるが、こればっかりは仕方がない。

体調不良で怪談と超高級寿司を楽しめるわけがない。

今回は断念という結論に2人で話し合い決まった。


となると、問題は僕がどうするかである。

15年連続で行っていた怪談ナイトを途切れさせたくはない。

元々僕は映画でも何でも1人で行くタイプなので、1人稲川も別に苦ではない。

苦ではないのだが、変人と行く予定だった事を考えると、どうにも寂しいものがある。

そしてその後も本来行く予定の超高級寿司が無くなり、1人でトボトボ帰るのは辛すぎる。

しかも横の席が空くのである。

何かしらの霊に座られるかもしれない。

公演中、横に気配を感じて見ると、、、

何て事にもなりかねないのである。

そう考えると席を空けたくはない。

というわけで誰か代わりに誘おうと決めた。

色々考えた結果、僕が出した結論は、、、


変人に代わりまして〜

代打〜

石井ブレンド〜


急遽同期の友人、石井ブレンドこと石井ちゃんに来てもらえないか誘う事にしたのだ。

ちなみにこのブレンド、僕が知る限り、怪談には1ミリも興味がない。

怪談に興味がない人を怪談に誘う。

これほど禁断の行為はない。

下手すれば人によっては嫌がらせになるのだ。

なので事情を話し、恐る恐る聞いてみた所、、、

ブレンド快諾。


快く代打を引き受けてくれた。

ありがとうブレンド。

いいブレンドです。


となると残す問題はあと一つ、チケットである。

チケットが広島にいる変人の手元にあるのだ。

何とかこちらに送ってもらわないといけないのだが

変人キャンセル、代打ブレンドを決めたのが公演の2日前の夜。

つまり1日しか猶予がないのだ。

速達を調べてみる。

すると次の日の朝に出せば、1日、しかも午前中に到着するらしいのだ。

凄いぜ、日本郵便。

変人も多少回復していたので、次の日の朝に速達を頼む事になった。

と、ここで僕がある事を尋ねた。

「チケット入れて送る封筒って持ってるの??」

すると変人はこう答えた。

「大丈夫や、ロッピーのやつがある。ロッピーのやつが!」

ここで電話は終わったのだが、僕の中にはある疑問が浮かんでいた。

ロッピー???


2日後。

公演当日の午前11時頃。

封筒が到着した。

本当に1日で時間通りに届いた。

マジで凄いぜ、日本郵便。

変人に届いた事を連絡する。

すると昨日、何やら郵便局で一悶着あったらしい。

変人が持っていった状態では送れないと言われたそうなのだ。

そこで変人は「いいから早く送ってください!!時間が無いんです!!」と吠えたそうなのである。

僕は変人がどのような状態で持っていったのか聞いてみた。

すると、、、

この状態だったそうだ。


送れるわけないやろ!

何でチケット袋丸出しの状態やねん!

どこに住所書くねん!

切手どこに貼るねん!

ていうか昨日言うてたロッピーてこれの事かい!

勘弁してくれ!

こんな事で吠えるなて!

職員さんに迷惑かけるな!


結局しっかり説得されてその場で封筒を買い、しぶしぶ中に入れて送ったそうだ。

やってる事、迷惑なおじいさんやん。

こうして届いた封筒がこちら。

僕の名前は

「西村啓佑」

そう。

間違えているのだ。

まあ別にいいのだが、ラグビー部で一緒になってから23年。

中学2年生の時、それまで話した事なかったのに「腕相撲してくれへん?」と急に話しかけてきて腕相撲した時から考えると25年。

25年間ずっと「祐」だと思っていた事になるのだ。

何でや。

何回も見る機会あったやろ。

何やったら「俺の字、佑の方や」って言った記憶もあるような。

何で今に至るまで間違えてきてん。

ていうか「腕相撲してくれへん?」て何やねん。

ファーストコンタクトで言うセリフ違うやろ。

ちなみに腕相撲は僕の勝ち。

弱いんかい。


と、色々あったが、何とかチケットを手に入れた僕は中野の「なかのZERO大ホール」に向かった。

ここの視聴覚ホールでよくライブをするので、僕にとっては慣れ親しんだ場所である。

いつもよく来る場所で怪談ナイトが行われる、何だか不思議な気分である。

ブレンドと合流し、とりあえず稲川淳二座長の前で記念写真を撮る。

おそらく石井ちゃんは最初で最後の怪談ナイト。

貴重な1枚である。

ちなみに今回石井ちゃんには無料でチケットを渡している。

つまり、、、

変人が石井ちゃんに稲川怪談を奢った事になるのだ。


何じゃこの奇妙な事態。

どんなバタフライエフェクトやねん。

何で変人が石井ちゃんに稲川奢ってるんや。


と、そんなこんなで今年も始まった稲川淳二の怪談ナイト。

約2時間、たっぷりと稲川怪談を堪能させてもらった。

稲川淳二さんは今年で76歳。

めちゃくちゃ元気である。

怪談中の流暢かつ迫力ある語りはとても76歳とは思えない。

凄い、としか言いようがない。

どうか1年でも長くこの怪談ナイトを続けて欲しい、そんな想いでいっぱいである。

僕も開催される限りは必ず行かせてもらいます。

また来年楽しみにしています。


こうして変人からブレンドに代わり、色々あった今年の怪談ナイトだったが、無事稲川怪談を堪能する事が出来た。

これで今年の夏も完全に終わりである。

超高級寿司に行けなかったのは残念ではあるが、また日を改めて変人と行きたい所だ。

あと最後。

今現在、変人の体調は回復した様である。

良かった良かった。



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