高校生になった4月1日、僕達はダサかった


毎日note更新28日目。

オシャレになりたい。

ずっと前からそう思っている。

でも未だにオシャレにはなれない。

ちょっと油断したらすぐ変な服を買ってしまう。

どうやら僕はオシャレなセンスを持ち合わせてないみたいだ。

僕が自分がダサいんじゃないかと気付いたのは中学生から高校生になった2000年4月1日の事。

あの日自分がダサい事に気づき、そして現在まで続くダサさとの闘いが始まった。


僕は中高一貫校に通っていたのだが、うちの学校は制服についてちょっと特殊だった。

中学は上半身は学校指定のブレザー、夏はポロシャツかカッターシャツを着なければいけない。

しかし何故だか分からないが下半身は自由だった。

ジーパンを履こうが何履こうがいいのである。

こう書くと下ネタみたいになってあれなのだが

僕の中学は下半身が自由な校風だった。


中学2年〜3年ぐらいになるとちょっとイキッた奴、オシャレに目覚めた奴はポロシャツを着ずにカッターシャツを着るようになった。

ポロシャツ=ダサいみたいな雰囲気があったのである。

「イキッてカッターシャツを着る」

たぶん歴史上のイキリの中で1番かわいい。

僕も3年の頃ぐらいになると一応カッターシャツを着ていた。

みんな同じカッターシャツなのでそんなに着こなしに差が出ない。

この環境が自分に忍び寄るダサさに気づかなくしていた。


そんな妙な制服スタイルの中学とはうって変わって高校は完全な私服だった。

これはなかなか過酷な変化だった。

中学3年間ズボンを選ぶ事しかしてこなかった僕達が急に全身私服の大海原に放り出されるのである。

無事で済むはずがなかった。

とりあえず僕は枚方にあるイズミヤに大急ぎで服を買いに行った。


僕は中学を卒業してすぐラグビー部に入部していた。

高校生になるまでの春休みの時から練習に参加していたのである。

このnoteにもよく出てくる変人(めちゃくちゃ変な人)、キャラ(先輩や監督にキャラ作りしてた人)、アメリカン(中学の時アメリカンフットボールしてた人)も春休みから練習に参加していた。

僕らはいつも朝京都の深草駅の改札前に集合してみんなで学校まで行っていた。

3月31日までは僕達は一応まだ中学生なので制服を着ていた。

しかし4月1日になると高校生になる。

つまり朝、駅の改札前に4人で集合する時、昨日までは制服だったのに急にみんな私服で現れる事になるのだ。

これはなかなか嫌だった。

何か言われたらどうしよう、そんな不安が頭をよぎった。

31日の練習の帰り

「じゃあ明日は私服やな」

4人の中の誰かが言った。

全員に緊張が走った。

僕は家に帰ってイズミヤで買った勝負服を用意し、自分に言い聞かせた。

大丈夫、これはオシャレだ。大丈夫。


翌日。


朝の深草駅改札前にて。


僕はアメリカンと変人にめちゃくちゃ笑われていた。

変人「お前何やそれ!!スモックやん!」

アメリカン「それ幼稚園児が着るやつやろ!」


僕はスモックを着ていた。

スモック。

小さい子が幼稚園で着るこんな感じのやつである。

画像1


僕が着ていたのは正確にはスモックではないのだが、

"スモックに酷似している何か"だった。

遠目から見たら完全スモックである。


2人からのスモックいじりは続いていた。

変人「どこでそれ買ってきてん!」

アメリカン「まさかスモック着てくるとはな!」


ちなみにこれだけ僕をイジってきてる2人の服装はというと

アメリカンは背中に謎の文字「GOTHAM」と書いてある赤のジャンバーを着ていた。

GOTHAM?ゴッサム?

バットマンに登場する架空の都市ゴッサムシティの事だろうか?

アメリカンは何故か背中にゴッサムシティを背負っていた。


変人はヨレヨレで緑色の6分袖の何かを着ていた。

本人いわく小学校から来ているオシャレな服らしい。

6分袖はあの服以外見た事がない。

上で「何か」と書いたのは何の素材で出来ているが全く分からない服なのだ。

コットンでもなければシルクでもない、Tシャツのような生地でもない。

おそらくあれは地球外の素材でNASAで開発された服だったに違いない。


そんな2人が僕をイジっていた。

20年経った今なら分かる。

あれはどんぐりの背比べである。

みんなそれぞれダサかった。


そんなこんなでワーワー言ってる僕達の元に1人の男がフラフラと向かってきた。

キャラである。

キャラを見た瞬間、僕達は驚愕した。


ボ、ボロ布を羽織っている、、、!!


キャラはボロ布を着ていた。

例えるなら北斗の拳第一話に出てきた荒野を彷徨っているケンシロウである。

画像2

もちろんキャラは荒野を彷徨っているわけでもなければ北斗神拳伝承者でもない。

僕達は爆笑した。

「お前何でボロ布まとってんねん!!」と。

キャラいわくシャツだったそうだが、どこからどう見てもボロ布だった。

そして変人がボロ布をめくると中からTシャツが出てきた。


!?


僕達は再び驚愕した。

キャラのTシャツの胸のあたりに


「チャップマン」と書かれていたのである。


僕達は思った。


チャップマンて何??


キャラは謎のブランド"チャップマン"のTシャツを着ていた。

後にも先にもチャップマンという言葉を目にしたのはあの時だけだ。

チャップマンはお母さんがどこかで買ってきたという。

キャラのお母さんは何でわざわざチャップマンを買ったのだろうか。。。

かくしてキャラはボロ布とチャップマンのコンボで初代ダサい王に君臨した。

この後も彼は様々なダサい服を披露していく事となる。


変人はその後高校卒業するまで小学校からの謎の素材を着続けた。

ずっと本人はオシャレだと言い張っていた。

ああいうタイプが1番強いのかもしれない。


僕はキャラのおかげで難を逃れたがスモックに大きなショックを受けた。

自分のダサさに初めて気づいたのである。

この時から僕のダサい服をつかまされる闘いが始まった。

今日は長くなったので闘いの歴史はまた明日以降にでも書きたいと思う。


翌日。


この日着てきたキャラの服の胸には


「マウルマン」


というこれまた見たことないブランドが記されていた。







この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,302件

100円で救えるにっしゃんがあります。