"花屋に連れていってもらえない花屋"にならないために今出来る事をしていこう

毎日note更新22日目。

先日僕は普段行かないようなカフェに気まぐれで入った。

そのカフェは地下にある店で何となく隠れ家のようなオシャレな雰囲気を持っていた。

店内には4人組の女性、2人組の男性がいた。

僕はアイスコーヒーを頼んだ。

コーヒーの味の違いはあまり分からないが何となく美味い気がする。

近くに座っていた2人組の男性の話が聞こえてきた。

この2人組、1人は就活生でもう1人はその就活生にアドバイスするめちゃくちゃ仕事が出来そうな青年だ。

めちゃくちゃ仕事が出来そうな青年は就活生に鋭いアドバイスを繰り出していく。

「人としてのエピソードを増やしていった方がいいよ」

「98%の人は普通。残りの2%のゾーンにいかに入るかだね」

「就活ちゃんとやってる勢は就活をやる事が目的になってしまいがちだよね」

「花屋に連れていってもらえない花屋にならないように今出来る事をしていかないとね」

「もし今妥協するならトップギアで戦う闘いからは降りたと自覚した方がいい」

「野良犬を見てもシェパードだと思いたいよね」

「エゴを捨ててからが勝負だよね」

この青年、本書けそうである。

それっぽいワードがバンバン飛び出してくる。

この青年が何の仕事をしているかは分からない。

ただ、めちゃくちゃ仕事が出来そうではある。

就活生は一言一句逃さぬよう聞き入り、何度も深く頷いた。

そして1時間ぐらいやり取りをして2人は帰っていった。

その日の夜、僕は布団の上でアイスを食べながらぼ〜としていた。

そしてふと思った。

花屋に連れていってもらえない花屋って何？？

切れ味鋭いアドバイスの中にしれっと紛れ込んでいたけど、何やあれ？

いい事言ってる風やったけど、よう考えたら全然意味わからん。

花屋に連れていってもらえない花屋って、それどんな状況やねん？

何で連れていってもらえへんねん。

ある花屋が他の花屋に仲間外れにされてるんか。

てか、何で花屋が他の花屋に連れていってもらわなあかんねん。

その花屋を連れていってるんは誰やねん。

え、どういう事？

今出来る事せんかったら連れていってもらえへんの？

何で？？

僕の頭の中は疑問でいっぱいになった。

"花屋に連れていってもらえない花屋"はよく考えると今まで聞いた事がないワードだったのだ。

花屋に連れていってもらえない花屋とは何なのか？

僕は必死に考えた。

考えた結果、少し答えが見えてきた。

おそらくこういう事ではないだろうか？

花屋界には全国の花屋を束ねる

「全日本花屋協会」という巨大な組織が存在する。

花屋協会は全国にネットワークを持ち、各地の花屋を支配している。

花屋協会に背いた花屋は実質的に商売する事が難しい。

花屋協会には誰も逆らえないのである。

そしてこの花屋協会の頂点に君臨するのが

レジェンド花屋中村さんである。

中村さんは花屋の概念を変えた花屋だ。

花屋の歴史は中村さん以前中村さん以後に分けられる。

新人の花屋は花屋協会幹部に連れられて中村さんの花屋に挨拶させてもらい、そこで初めて一人前の花屋として認められるのである。

一人前の花屋として認められる＝優先的に良い花を回してもらえる

という事である。

中村さんに挨拶させてもらうため協会幹部にワイロを渡す新人花屋も多くいた。

というかむしろ幹部がそうさせるように暗に仕向けているのである。

そんな中、1人の新人花屋が現れた。

小林さんである。

小林さんは幹部にこう言い放った。

「私はお客さんにキレイなお花を提供したくてこの仕事を始めたんです！私にはお花しか興味ありません！だからあなた達にワイロは渡しません！」

幹部「なにを〜！！お前の花屋、営業できなくしてやるからな！」

小林さん「そんな脅しには屈しません！私にはお花が全てです！お帰りください！」

協会に歯向かった小林さんの噂はすぐに中村さんの元に届いた。

中村さん「ふっふっふ。久しぶりに骨のある花屋が現れたな。いいじゃないか、商売させてやりなさい。しかしこれは今後が楽しみだ。面白い花屋バトルが見れそうだ。ふっふっふ」

小林さんの登場により花屋界が大きく動き始めた、、、！！

こんなとこだろうか。

という事はあの仕事が出来そうな青年が言っていた「花屋に連れていってもらえない花屋にならないために今出来る事をしていこう」の「今出来る事」とは「ワイロ」の事か？

暗にワイロを渡せと言っていたのか。

という事はあの仕事が出来そうな青年は花屋協会の幹部か？

あの就活生は花屋になろうとしている男の子か？

花屋協会、やる事が汚い。

しかしそれにしても小林さんが花屋協会にどんな戦いを繰り広げていくのか気になる。

小林さんは中村さんに勝てるのだろうか？

すごく続きが知りたい。

そんな事を考えながら謎が解けた僕は寝ることにした。

布団に入り目を閉じた。

その瞬間ふと思った。

野良犬を見てもシェパードだと思いたいよねって何？？

僕は寝れなくなった。