2020年3月福島取材⑰/大野駅にて
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西口を見て、再び大野駅に戻りはしたものの、ニッコニコのマスコミがいてどうにも居心地が悪く、待合室も人がいっぱい。さてどうしたものか…と思ったところで、前日の3/13、最後の代行バスの中でガイガーカウンターをピキピキ言わせていた二人組と遭遇する。あ、この人たちも来たのか、と思い声をかけ、ついさっき毎時6.41μSvを記録した場所を伝えると、そこへ向かって歩いていった。
定期的に福島に通っている人たちは一定数存在する。僕もそうだが、現実を伝えているだけなのだが、なぜか「デマ」「売国奴」呼ばわりされる。そんなに現実が都合が悪いか。
常磐線全通に伴い、誰かが「利便性が上がる」といった。しかし見ての通り、特急を除くと、普通列車の本数はとても少ない。「地元の足」とは僕は思わない。あくまでもこれは「シンボル」だと僕は思う。
大野駅構内のモニタリングポストさえも毎時0.317μSv。福島県外なら立入禁止だ。
真新しいトイレ。
駅の設備をチェックした後、再び西口ロータリーへ降りた。同じところを何度も行ったり来たりして、何をしてるんだ僕は、と一人で苦笑いしていると、黒い車から左胸に同じ胸章をつけた男性が多数降りてきた。ハッキリ言って雰囲気はとても悪い。彼らは役人だろうか…思わず僕はカメラを向けた。これは一つの武器だ。
駅西口から、さっきは北へ向かって大野病院方の脇を歩いたが、今度は警戒看板の案内通り、まっすぐ西へ向かう。
大野病院を過ぎたところで左へしか行けないのでそこで曲がり、町役場方面へ少し歩く。
…が、先が長そうなので、諦めて引き返した。次回歩いて撮影、調べたいと思う。
毎時1.82μSv。とんでもない数値だが、もう慣れてしまって、これでは驚かない自分がいる。
大野駅へ着く頃には雨が降り出していた。大野駅のホーム上には、早朝にはいなかった常磐線全通を祝う人たちが集っていた。
お揃いのピンクのビニール傘で小さな子供もいる。そこ、子供がいていい場所じゃない…
僕は線量計を隠しもせずにホームの端まで歩いていって、改めて線量を測ってみた。そこで出てきた数字は毎時1.15μSv。僕は驚いてiPadを落として、一時的にモバイル通信が出来なくなったw(双葉駅についてから叩いてみたら直った)。
やっと小学生になろうかという小さな子を、僕はここに連れて来ようとは思わない。何かが狂っている。この人たちは何も知らないのか、慣れで感覚が麻痺してしまったのか。「目を疑うような光景」に頭が混乱したまま、電車に乗って双葉駅へ移動した。
<続く>
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