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「身体を動かす」ということ。


病院には、身体を動かせない人がたくさんいます。


「身体が動くこと」に感謝し、

ジムでさらに負荷をかけ、「身体を鍛える」ということがどれほど尊いことか、



理学療法士として、「身体を動かす」ことを詳しく説明できれば良いなと思います。

筋肉を動かす。関節が動く。身体が動く。


筋肉は、脳・脊髄からの指令によって収縮します。その時の、指令の伝達役を担っているのが運動ニューロンです。 脳から筋肉に至るまで、以下の経路を辿ります。

大脳中心前回→内方後脚→大脳脚→延髄錐体で交叉
→脊髄前側索→脊髄前角細胞→末梢神経→神経筋接合部→筋線維

ながい!この過程を経て、私たちは身体を動かすことができているのです!
このそれぞれの中継部位が正常だからこそ思い通りに身体を動かせています。
どれだけ有難いことか、、、

ちょっと解説を加えると、

大脳のスタート地点は、一次運動野のBetz細胞です。ここから出される電気信号が、オリゴデンドロサイトで形成されるミエリン鞘を飛び越えながら伝わり、脊髄前角細胞まで伝わります。
ミエリン鞘は電気を通さないので、跳躍電導していきます。
その速度は、ミエリン鞘の太さに比例します。参考までに、25m/secくらい。時速90kmくらいです。

身体中を電気が走るわけです。

その電気はどこから来るの!?というと、細胞の中と外とを、「Na(ナトリウムイオン)とK(カリウムイオン)、あとはCl(塩化物イオン)」が行ったり来たりすることによって電位が発生することによるのです。
運動前・中・後の栄養補給が重要なのは、パフォーマンスを落さないために、体内のイオン勾配を一定にする必要があるからです。

ミエリン鞘という伝導役は、脊髄前角細胞から神経筋接合部までの区間は、シュワン細胞に変わります。

まだまだ電気信号が、伝わります。


そして、最終的に神経と筋肉の分かれ目である神経筋接合部まできます。この分かれ目には、隙間があり、シナプス間隙といいます。そこに、アセチルコリンという伝達物質が放出されます。筋肉の表面は膜が貼っていてそこにアセチルコリンを受け入れる受容体があります。受容体とアセチルコリンがくっつくと、筋細胞内にNaが流入し、細胞内の電位が変化します。その変化を受けて、細胞内で筋小胞体というCα(カルシウムイオン)が入った袋が開いて、Cαが放出されます。

このCαがトロポニンと結合し、筋線維を構成するアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが滑走することで、筋収縮が生じます。


この過程が、身体各部位・各筋肉で生じ、身体が動くわけです



ちなみに、神経筋接合部を境に、「電気的伝達様式」から「化学的伝達様式」に変化することが特徴です。


ここまで読んでいただいてありがとうございました。

https://note.com/nikotamago/n/n9ae59c1c4488