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新刊『墓じまい!』──宗教学者や僧侶には書けない,お墓問題のリアル!

新刊本の紹介です(発刊予定日は9月24日)。
テーマは古くて新しいお墓問題。これまでに出版されてきた類書とは切り口がかなり違い,内容も斬新です。

§1★
爽やか過ぎるイケメン著者DEBUT!

まずはカバー表紙をドドーンと。
サブタイトルに「お寺に搾取されない」とあります。私の両親なんか,お寺からいいように搾取されていましたからね。
実は,それも本書誕生のきっかけの一つになっています。

カバーデザイン:秋吉あきら

著者は株式会社えにし代表・小西正道さん。
お坊さんっぽい名前ですが,違います。
海洋散骨・墓じまい代行・終活サポート等の事業を手がけている会社の社長さん,爽やか過ぎるイケメンです。
ほら!

『墓じまい!』(ブックマン社)の著者・小西正道さん
写真提供:株式会社縁

§2★
小西さんとの出会いから生まれた企画

縁あって私が企画・編集に携わりました。
小西さんと初めてお会いしたのは2018年,亡母が生前から希望していた海洋散骨でお世話になった時にさかのぼります。
その翌年,故人の遺志に従って亡父の墓を撤去する際も、小西さんに墓じまい代行をお願いし,寺から離檀料をぼったくられることなく円満解決。引き上げた亡父の遺骨は,民営霊園の合葬式共同墓に納めて供養しました。
海洋散骨も墓じまいも初めての経験,最初は不安でいっぱいです。しかし,小西さんのお仕事ぶりを拝見しているうちに,そんな不安など吹き飛んでしまいました。

海洋散骨の光景。
青い海原に白い花が一瞬ふわっと咲いて霧消する。
写真提供:株式会社縁

第一に誠実な人柄と丁重な仕事ぶり,第二に豊富な知識と経験,第三に高い職業倫理観と正義感,さらに悪徳寺院や生臭坊主を相手に怯むことなくバトルを挑む度胸と行動力,それでいて爽やか過ぎるイケメン
その小西さんからお話を伺っていると,「え,ええーっ!マジ?」と絶句するような,面白いというか,壮絶なエピソードがてんこ盛り。
「これは本にするしかない!」といくつかの出版社に企画を持ち込んだところ,ブックマン社から「是非やりましょう!」との二つ返事。ちょっと時間がかかってしまいましたが,ようやく発刊の運びとなりました。

§3★
学者や僧侶の理念より叩き上げの豪腕!

葬送やお墓,仏教をテーマとした本はたくさん出ています。多くは著名な学者や評論家,僧侶が書いたものです。
確かに共感できる理念や理想が書かれています。しかし,実際に身内の死に直面した時に救われたか,墓じまいの決断をする際に助かったかと言うと,少なくとも私の場合それは全くありませんでした。
墓じまいをしたいと寺に伝えたら,高額な離檀料を請求された。ど,どうしよう?
たとえば,こうしたリアルで切実な問題に,高邁こうまいな理念や理想は何も答えてくれません。そもそもお金のことを口にするのは「卑俗」だと捉える感覚があるようで,「払わない選択肢」はハナから存在しないのです。
その点,小西さんが提示してくれる解決策はいたってシンプル,
そんなの払う必要ありませんよ,大丈夫!
力強く言い切ります。法的根拠があってのことですが,その世界を知らない私たちには地獄で仏に会ったよう,光明が差し込みます。
これぞ叩き上げの豪腕,凄味
小西さんはもともと石材店に勤務し,墓地・墓石を売る営業マンとしてキャリアを積んできた現場からの叩き上げ,墓地ビジネスの表と裏強欲寺院の手の内を知り尽くしています。お墓問題で悩む人たちの不安や葛藤も,手に取るように分かっています。もちろんお金の大切さも。
学者や僧侶による取り繕った理屈やアドバイスに比べて何百倍,いや何万倍も説得力があり,ものすごく頼りになります。

§4★
大丈夫,バチなんて当たらない!

要するに,小西さんは宗教学者や僧侶とは全く違った目線,すなわち私たち庶民の生活実感に寄り添う温かみ優しさを,そして,寺院の理不尽な要求を跳ね返し組み伏せてしまう頭脳胆力を兼ね備えているのです。
多くの依頼者がそんな小西さんに魅せられ,ファンになる気持ちが分かります。かく言う私もその一人ですから。
そもそも離檀とは檀家でなくなること,その寺の仏教宗派からの離脱を意味します。これは憲法が保障する信教の自由第20条)であり,それを坊主が妨害したり金品(離檀料)を要求したりするのは明らかに憲法違反,下手をしたら恐喝罪刑法249条)に問われますよ。
それなのに,行政に相談しても「金額に納得がいかない場合は,基本的には寺などと話し合うことになります」と,他人事のような冷たい回答しか返ってきませんからね~(独立行政法人 国民生活センター「墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意」←必見!)。ヒドいと思いませんか?
普通に考えて,我々一般人が僧侶を説き伏せて離檀料をチャラにできる見込みはまずありませんから,結局は「払え」と言っているのと同じじゃないですか! 本来なら行政が積極的に寺院側を指導するべきなのに・・・・・・。
だからこそ,小西さんのような存在がとても貴重なのです。
もちろん,小西さんはお墓や仏教を否定しているのではありません。お墓問題で悩む家族の心に寄り添い,そもそも寺院や僧侶,行政がするべきこと,しかし絶対にやらない(できない)ことを代わりにしてくれているだけなのです(仏教文化を破壊しようという気など1ミリもありません)。
 なので,坊主に何を言われようが,親類から横槍が入ろうが大丈夫,バチなんて当たりません!

『墓じまい!』(ブックマン社)もくじ
イラスト:三井寅

§5★
国葬にも向くグランピングセレモニー

このところ連日,国葬がどうだの,政治と宗教の関わりがどうだのと,メディアで盛んに報道されています。
私見ですが,弔問外交を含めて内外にアピールするような国葬にしたいのであれば,先例にならった旧態依然とした儀式ではなく,時代を先取りするような新しい供養のカタチをとり入れてはどうでしょうか。
たとえば,小西さんが実現に向けて準備中の自然の中で執り行う「グランピングセレモニー」であれば,とても良いと思います。
グランピングセレモニーについて,本書のエピローグで小西さんは次のように書いています(p.198より引用)。

 グランピングとは「グラマラス(豪華)」と「キャンプ」を掛け合わせた造語で、アウトドアが好きな方なら、 この手の施設を利用したことがあるのではないでしょうか。もっとも、 そこまで豪華にしようとは考えていません。
 早い話が、キャンプ場のようなものを設営し、そこで故人をしのぶ一夜限りのお通夜を、思い思いに執り行えるようにするのです。 (中略)
 ご遺体をテントの中に安置し、ろうそくやランプなど自然に近いあかりを灯します。ご家族や親しい友人たちが集い、そこで故人との最後のお別れをする。空を見上げると満天の星、スッと一筋の流れ星。一晩語り明かして東の空が朝焼けになる頃、ぼんやりと光って見える海の水平線・・・・・・。
 こんな見送り方ができればいいと思いませんか?

                                                   

イラストで表すとこんなイメージです。

イラスト:三井寅

離れ小島を借り切ってのグランピングセレモニーによる国葬,それならば警備も大がかりなものにならず,最小限の費用で済みます。二酸化炭素もほとんど排出されません。
弔問外交では首脳同士が気取ることなく胸襟を開き,率直かつ建設的な対話ができそうじゃないですか!
そんな国葬の様子をSNSで配信すれば,自然との調和・共生を大切にする「SDGs先進国ニッポン」(のイメージ)を世界にアピールできるでしょう。
いいと思うんですけどね~。

§6★
「5分で書ける!エンディングノート」付

付録として巻末に「5分で書ける!エンディングノート」が付いていて,実用的かつお得です。

『墓じまい!』(ブックマン社)巻末付録
「5分で書ける!エンディングノート」の一部(p.205)

以上,新刊本『墓じまい!』(ブックマン社)の告知・販促記事でした。
興味がある方,実際にお墓問題で困っている方,墓地ビジネスの裏側を覗いてみたい方は,是非ともご一読ください。