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虹乃ノラン
2024年5月10日 17:56
プロローグ 着信音が聴こえる。……おかしいな、音は消してあったはずなのに……。 おぼろげな意識で手元を探ろうとすると、とつぜん頭がぐらりと揺れた。ドンとぶつかったような感覚で、次の瞬間、右首に突き刺さっている異物がさらに内側へ捻りこまれる。液体が溢れ出し首筋を濡らす。続いて身体が跳ね上がり意識が分散する。お尻が温かいものにじわりと浸されていき、おねしょをした記憶がよみがえる。 何か大変な
2024年5月10日 18:10
第三章 オオシマザクラ卯月未依(1) 始めてデザインに興味を持ったのは高校の学園祭でやった『リゾートを演出したカフェ』だった。カフェの空間全体と、配置する小物や衣装、教室でかけるBGMやメニューなんかにもトータルでこだわって、クラスのみんなと一丸になって作り上げた。学園祭であることを忘れてずっと続けて行きたいと思えるほど出来がよくて先生たちにも褒められた。 高校を卒業したあとは、両親の反対を