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虹乃ノラン
2024年5月10日 17:56
プロローグ 着信音が聴こえる。……おかしいな、音は消してあったはずなのに……。 おぼろげな意識で手元を探ろうとすると、とつぜん頭がぐらりと揺れた。ドンとぶつかったような感覚で、次の瞬間、右首に突き刺さっている異物がさらに内側へ捻りこまれる。液体が溢れ出し首筋を濡らす。続いて身体が跳ね上がり意識が分散する。お尻が温かいものにじわりと浸されていき、おねしょをした記憶がよみがえる。 何か大変な
2024年5月10日 18:05
第二章 エドヒガン神代朔良「おい、神代、寝るんじゃねえよ」「あぁ? 着くまでは関係ないでしょ」「施工図、頭に入れとけよ。現場着いたら確認する時間なんてないんだからな」 俺は仕事場に向かう狭いワゴンの中で、むさ苦しい連中の汗の臭いにまみれながら揺られていた。仕事場といっても日雇いバイトの延長のようなものだ。単発の現場をあっちに行ったりこっちに行ったり、今日みたいにワゴンで連れ回される。